旅館から浴衣がけで我々は夜の温泉街に出かける。川の橋の袂に、テントがけの射的場がある。酔っている我々はそこに入った。一本の銃がぼくに渡される。紅い人形を撃ち落せという。ぼくは狙 ....
君を守る
今はこれだけしかいえない
どんなに離れていようが
会う時間が少なかろうと
話せなくとも
目と目で話せる ....
一対の髪捩れほどける朝の晩餐
視界深く神軍ゆきゆきて
他愛ない言葉のスープにまみれる
トグロとけますか?
髑髏染メマスカ?
痒イトコロハナイデスカ?
そうそれはお約束
たぶん束縛ではない ....
高低が歪んで見えるので
何処かに抵抗があるのかと
探してみる
言葉にする事も無く
応答が正しく伝わらない
誤りは
何処にあるのだろうか
行動も取れなかった
波が揺れてい ....
もし息詰って行き詰まったなら
いちばん薄い壁に 自分で出口を{ルビ象=かたど}るんだよ
君は逃げてなんかいない
自分で作った出口から出るのは勇気ある撤退
いや 出口はどこかへの入り口だから
....
梅雨の夜風に混じり込む体臭の湿気
雲にまいた砂混じりの渇いたため息
無気力にぽっかりあいた満月の
光子すらはらんで
みな本当の風を知らない
それらをすっかり失われた
古代の技術で精製し ....
壊れかけたラジオが
なぜだか中国語の放送だけを受信する
意味はまるでわからないが
聞き覚えのある声だ
演説口調に冒されて
空間は異次元的に歪んでゆき
西壁はすっかり半透明の灰色の寒天に ....
夜に浮かびくるには
断然に 白
やままゆがの
巨大な紋様は
それは
彼女のいいところ
もっと早く
もっと小さく
鱗粉よりも
残像を もて
孤独を埋めるのは
それは
....
同じになったためしがない
あなたを
追いかけて
私は走る
あなたは
いなくなったけど
私は走る
いつか
走ることだけの
私になってる
あなたが逃げるから
私は追い ....
センパイ綺麗ですよねなんで結婚しないんですか
などとほざく後輩の頭をこつんとこづき
それじゃ明日ねとあっさり告げて
農協の裏手の墓地を抜け
コンクリ舗装のきつい坂を登り
唐突にある扉をあ ....
そろそろわたしたち、逃げる準備をしましょう
滅びてしまうものたちに囲まれて
この瞬間にもわたしたちの無垢も侵されてゆくのです
黒と灰色の崩落があなたの背中で始まっている
羽根という羽根はすでに ....
寒冷に順応できず
やがて
命を奪われかけて
それゆえ
灼熱
灰と 火柱と 黒煙と
好き好んで
化身となったわけでは無いのに
ただ
寒さに耐えられず
ただ
冷た ....
初めて手首を傷つけたのは
中学2年の夏だった
転校生の私は口では言えないような
いじめに合い
だけど誰にも言えなかった
辛くて苦しくて死にたかった
でも死ねない
意気地がない
そう思っ ....
痛みをわすれたこの国のこども
過去の痛みもしらないで
ただただ、笑って生きてる
痛みを知ってるこの国のおとな
過去の痛みをわすれられなくても
今をいきてるひとのために笑って生きてる
....
誰かに
みせつけるように
差し出した
蒼白い手首に残る
ためらい傷一筋
取れかかった瘡蓋
赤い傷口に
鈍く光る刃先
何故に
ためらったのか
死の際で垣間見た
希望と言う名のま ....
妄想して
ごらん
言葉のない世界を
皆が
触れ合って
意志を通わすんだ
妄想して
ごらん
光のない世界を
皆が
抱き合って
存在を確認しあうんだ
....
言葉になる前の言葉から
鳥は滴にしたたり降りる
空になり木になり土になり
重なる光にひらきひらかれ
目をふせ ひろく
ひとつにたたずむ
夜の雨音の冷たさが
肩から腕へと流 ....
手首の上をながれてゆく触覚を足の裏に溜める。肌からにじみでる殺意が皮脂に溶け込んでしまうのは、私の内なる単子が水を吸った海綿だからだ。水色の球面を幾度となくめぐり、針をうしなった摩擦力。角の取れた立方 ....
一瞬の奇妙な眩き
檮瀬チカ
朝 ベッドを抜け出すと
鏡台の前に腰掛ける
すっかりぼやけていた顔の輪郭と
浮腫んだ眼の上の眉毛をピクリと動かし
ヘアブラシに手を伸 ....
久しぶりに家に帰ったら
家が他人行儀な素振りを見せた。
玄関の扉は
「いらっしゃい」
と、言い掛けて
「おかえりなさい」
と言い、
ベッドは
「ごゆっくり」
と ....
青の月影ふくらん で
継がれ た空 は雫いろ
宵越すカラダ忘れ 際
遠く瞬 きシズ メタリ
ユ ゥスズムコエタカ クシテアツ クナリ
さめた眼射しアンチ
....
コンクリートで塗り固められた大地は
燦々と地上に降り注ぐ太陽光を集め
四季色みどりよりみどりの国に
砂漠の地の植物を生かす
屋上へ置いたプランター
ハーブも有触れた野菜も枯れ果ててしまっ ....
あなた
小首をかしげて
地面の底の
深く流れる息遣いを
その深い色した瞳に感じて
あら、生きていたのね
なんて
おちょこでしっとり日本酒を
なめては池の月影を
ため息ついては細くなり ....
彼のお兄さんと会った
彼のお兄さんは産まれなかった
彼のお兄さんは彼よりもカッコいい
そして彼よりも優しい
彼のお兄さんに抱いて欲しくなった
どうかわたしを愛してね
どうしてあなたは産 ....
雨・・
と、今日の世界を書き記す。
ここからどこへ
行くというのか。
どこへ?
決まっているじゃないか
そこへ。
そこ?
そうそこ。
ここ?
そうここ。
どこなんだここ。
....
ああ 空に降る
冷たいしずくよ
どうしてそんなに
私のほほを濡らすのか
ああ あの暗い空から
美しいしずくが
いくつも沈んできて
今ここで つどうのか
冷えた手足は
あやしく ....
虹のカケラ探して
一人たたずめば
なつかしい道
琥珀の光
思い出してみれば
ふるえてしまう背中
重なった指先
虹を宿して
止まった歯車動き出す
白く閉ざされた世界
{ルビ朱= ....
ガラス越しの空
幸せそうだね とても
あの人もこの人も 全てがみんな幸せそうだ
金木犀の香る頃
君が教えてくれたこと
今になってようやくわかったよ
伝えるすべは
もう 何 ....
堀端をそぞろ歩く昼下がり
みなもに跳ねる煌めきの渦
キラキラキラと乱舞する
照り返しは石垣にまでめり込ませ
ユラユラ踊る水玉模様
ぷくりとコイが顔を出し
ぽかりと波 ....
腐るまえに
食べます さかさにして
付け根のあたりを
ひらいて
吸って
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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