君は
占いに出てくる星座しか
知らないというのに
アルタイルとヴェガには
とても詳しくて
毎年、同じ物語を
飽きもせずにロマンチックだという
私は
二星間、14.428光年を
冒 ....
もしもここが世界の淵で
あと10センチ歩いたら落っこちるとしても
大したことじゃないよ
ほらこれあげるよ
ゆっくり吸い込んでね
落ち着いてきたでしょう
もう怖くないんだよ
泣かないで
....
「かえして、ねえかえしてよ、あたしの世界。」
ばらばらになったのは、
あの日、
窓から自分の身体を放り投げたのは、
わたしたちという、世界そのものである。
あなたは、
蓬髪をさかだてて ....
歌をうたう
今の僕を歌う
今出来る限りの
全ての力で歌う
歌った後には
きっと何もない
いや、違う
歌った後には
充 ....
何故?と
問える事
その日
生まれてくる
いのちのために
地球は
美しい嘘を吐き続ける
覚えていること
今日覚えていること
財布の整理をしたこと
アロエの葉っぱの伸びように驚いたこと
死ななかったこと
皿を割らなかったこと
急ぐことはないということ
いずれいろんなものが ....
過
ぎたあたりのガードレールに腰を下ろした。
クルックー クルックー
コンビニ。ラーメン。焼肉。信号。極真豊島支部。なにかの会社。クリーニング 喫茶 店 ラーメン コンビニ ラーメン ラ ....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
クジを引いて、中をみたとき消えるもの
花が咲いて、そのとき消えるもの
求めて求めてやっと辿り着いて、消えるもの
氷でできたグラスが消える
名のない匂いの記憶が消える
人には言えない重 ....
波の音が静かな夜 浜辺で
一人の男が死に絶えた
穏やかな顔をしたきれいな女が
ゆっくりナイフを刺していた
奇跡はそれの直後のことで
大きな波が 屍を広い 海へ連れて
女はそれを見 ....
あじさいの花の名前を教えてもらい
それから漢字では紫陽花と書くのだとまるでせかいに沈黙があってはいけないのだ、というようにきみはぼくの手を引いて喋り続けるから、
印旛沼サイ ....
あなたに未だほんの少し
慈しむ、心があるなら
どうかその指で
私を手折って
かさぶたを剥ぐように
何度も何度も繰り返し
空を見上げるように
残るか ....
背中あわせに立って あるきはじめた
ふりむきざまに 撃ちあうこともなく
ふたたびは相まみえるはずのなかった
もうひとりの わたしとの
決闘が 用意されている
放課後
自転車置き場の
あのトタン屋根のしたで
さち子は
昨日のことをふり払うように
歌っていた。
その姿は
青いペンキがはがれ始め、下の褐色が見えてきたトタンよりも
3倍は
痛々 ....
「これあげるよ」
図書館の庭で偶然出会った少年
名前は最後までわからなかった
夏休みはほぼ毎日図書館に通った
自転車で5分
他に行く所なんかなかった
市立図書館は涼しく
毎日毎日延々とビ ....
無地のワンピースを着て
濃いめのカルピスを作った午後
汗の珠を額につくり
夏のにおいを、すこし思い出す
ベランダのコンクリートにできた
幼い模様に
ため息を吐いて
また高くなり始めた ....
そうだ。あの空々しい夜明けの日
あのひとがわたしを呼んだ
わたしはかのこだった。
今ここにはない、となりの席で
あなたがわたしを呼んだ
わたしはかのこだった。
もしかしたら、夕方5 ....
もう、君には触れられない・・・
僕の手は穢れてしまったから。
辛くて、苦しくて、逃げたくても、敵わない。
時が元に戻るのならよかったのに。
だけど、そんなことはありえない。
嗚呼 ....
本棚のくもの巣が光った。
午後の朝焼けはきれいだ。
いつまでも沈まない湖畔はきれいだ。
台所のこうろぎが唸った
夜半過ぎの、混乱には間に合わない。
タクシーを呼び寄せた、彼女の腕は伸びな ....
それはそうと、それは相当 或いはまたは
答えを求めるなんて容易い
多分ね
煙草を吸いかけて禁煙者のアノコがやってくる
感覚で その行動を断ち切ろうとする あの感覚で
ヒールで躓いたりしな ....
ほほ、
雨上りの風が、
ほほをなぜてゆく
にわか雨の詩人は、
詩を吐いてまっかっか
死んじゃった
時は八月六日、
つるをのばしたつぼみの花は
夜空のかすみをうらめしげ
ええ、こと ....
いつもいつもいつもいつも
いつも
犯した過ちの記憶を愛でて
断罪の刻を待ち焦がれながら
神様に祈りを
無垢な笑顔に怯え
追い立てられるように贋物の仮面を削った
....
愛されるということは
やはり気持ちのいいことで
だからあなたが私のことを
愛しているということは
私があなたを愛するということの
理由の一つにはなるのでした
....
赤き発疹の星座が
麗しき額にきらめく
まだ若き神は
近所の中学校の陸上競技の選手で
夕暮れ
白いショートパンツを紅に染め
黙黙とグランドを走り
ときに
バールの数センチ上を飛び越えるこ ....
穴のあいたナイキをつっかけて
オンボロの自転車にまたがって
BGMは耳元を通り過ぎる風の音
駅までの長い坂道
飲み干すように一気に滑り降り
背中に翼が生えてくるイメージで
そのまま行かせて ....
私は怖い
おまえを失うのが怖い
なによりも大切なおまえを失うのが怖い
おまえを失うことを想像しただけで
立ち竦んでしまうほど怖い
心臓が砕け散ってしまうほど怖い
おまえを取り戻すためなら
....
神様が創ったからくり時計
人間を鋼索しこさえた鎖と
プレスされた平たく硬い歯車が動力
地球の形をしたからくり時計
組み込まれた僕らは
自転の度に心臓がきりきり痛む
魂が上げる悲鳴に ....
デート
お天気良好
あなたに会いたかったはずなのに
それは思い込みだったかな
わたしはご機嫌が斜め
こんなにつまらなくて
退屈で
イライラするのはなんでだろう
あなたが退屈と言うことで ....
お昼時の込んだ食堂で
ヒロシ君、と呼べば
3人は振り返る
ヒロシ君はクラスの中に2人はいる
ヒロシ君はテレビの中に5人はいる
ヒロシ君はヒロっちゃんと呼ばれることが多い
らしい ....
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