おとうさんは帽子と靴だけになって
夏はかなしいですね
おかあさん
虫は人になれないけれど
人は虫になれる
と母は言う
両手と両足を地べたにつける
そうやって虫の産声に耳をすま ....
柔らかく黒く夏で濡れている子供達の髪の毛の
美しい経緯を追い過ぎた眼の私は
くら、くら、
平衡感覚がたわみ
色彩感覚があればいいと思った
色彩感覚があればいいと思った
身体の、 ....
電車を待つ人々が
いっせいに
携帯を開く
今日の株価を確認する
プロ野球の結果を確認する
誰かとの 距離
同胞メール
という
機能が嫌い
いっせいに
私の孤独を送信する ....
腕の中で燃える子供を
抱きしめながら歩いてく
私自身が
すでに 廃虚だ
それでも
生きていくこと
人は
人である前に
影かもしれない
四角いベッドに僕は横たわっている
四角い枕に頭を埋めて
四角いパネル模様の天井を見上げてた
四角い窓はあったけれど
丸い太陽は長い四角のカーテンが塞いでいた
四角い機械が ....
かくれんぼはきらい
とくいだから
かくれ切る
自信があるから
ひざを
抱え息をひそめ
草の
こすれる音を聞く
わたしは
どうなっちゃうんだろう
って
思いながら眠 ....
台風が近づいてくるという
天気予報通りに降りだした雨に
慌てて部屋の窓を閉めました
(淋しさというものは
そんなささいなところに隠れていて)
窓の外から聞こえてくる雨音を
半歩遠 ....
歩いていこう
駅から家までの数メートルを
たまにはタクシー使わずに歩いていこう
すると知り尽くしたはずの近所に
コーヒーのうまい喫茶店が現れる
遅刻しそうになっても
慌てないで ....
余韻を残したまま
壊れたグラスを見て
あたしは嘲笑った
ざまぁーみろ
あたしの頭の中で
延々と繰り返す
あの音は
しっかりこの耳に録音。
これを、証拠としてとっておきたくなる ....
あのころ
まちの高台からみえる風景が
わたしの世界のすべてだった
背がすこしのびて
世界はどんどんひろくなり
わたしはどんどんちいさくなった
くるしいことも知った
かなし ....
草原の昆虫が挨拶!
木の幹にしがみついたビニール袋に、水滴がたまっている。
春を置き去りにして、走ってきたよ。
風は生温くて、とても涼しくなんかないよ。
春を置き去りにして、走ってきたよ。
....
She said she said
"I've been always five minutes late
Late for school, late for work, late ....
いくら温めても孵らない夕暮れに
灯りはじめた明りが視線にぶら下がっている
帰り道を間違えた私は
街角を覆う木の下で傾くようにして
蝉は鳴かない
明日への蓄えを手のひらに溜めるようにして
燃 ....
ぜんまい
をまくのがすきだった
きりきり きり
ねじをつまんで
まわすと
ゆびさきから
きんぞくおん
がつたわってくる
めろでぃが
とつぜんにぶくなって
おとがゆがんで
ぷつ ....
「くだらねぇ」って思ってさ
コンクリートに転がった石ころを
蹴飛ばしてやったんだ
繁みに変な音を出して消えていったよ
毎日が同じ気がしてならないんだ
まるで無限ループみてぇだ
「それっ ....
指先なんか不器用でいい
鍵盤が求めるものは
迷いを持たない、その
指先の重み
ねぇ、
清らかな雨の注ぎに
いつまでも耳を傾けていたいの、
私
おはよ ....
{引用=
水は低いほうへ流れてゆくのだよ
}
空がようやく白みはじめた
霧の山小屋
去りゆく人の走り書き
{引用=
めざとくえらんで流れ込み
いつかは、とまる
....
涙の分だけ人は強くなるだなんていいます
どうも僕は例外のようだ
どんどん浸食されるかのようにぼろぼろになるのです
涙の塩分が錆びさせていくようです
そして今や海綿のように穴だらけで涙を吸ってぶ ....
白紙提出って
そんなに悪いことなんでしょうか
考えて考えて考えた末に
白紙になるなんてこと
絶対にないんでしょうか
拙く細い線の交わり合いよりも
だだっ広いこの純白の空間の方が
....
子供のころに
{引用=すききらいせずに
なんでも食べる子になりなさい}
って言われたんだ
だから、今では何でも食べる
ニンジンも
ピーマンも
あなたも。
日に焼けた古びた手は
私の知らない
たくさんの出会いをつなぎ
また別れをもつなぐ
いろいろな色の数珠
ひとりひとりの私連珠
ふるえる手で
なぜか
繊細な作業を
つづけてゆ ....
咲いた 咲いた お花が咲いた
心の中に お花が咲いた
赤 青 黄色と
どんどん咲いて
頭の中まで花畑!
あんまり毎日咲かれても
さすがに見飽きて・・どうしよう
枯らす? 枯らす? ....
さらさら平気な顔をして君は言ってのける
僕が君を夢にまで見ているなんて知らない
でも僕はそんなことでは泣いてしまえなくなった
昔みたいには
扇風機が忙しく首振りを続ける
そういえば僕は君 ....
空をゆく流氷が
原に立つ子の瞳に映る
旧い川が運ぶ黒い土
小さな光の波
いつの日か原に
何本も土の柱が立ち
やがて次々と倒れ
原を埋めていった
原はうね ....
僕が旅に出る理由は
1の僕の最後の抵抗
会わなくて済むこともできたのかもしれない
少なくとも
文字で僕をつたえることはできるって
そう信じていたから
何千字を送信することも ....
知らないうちに夜になって
知らないうちに朝になって
毎日毎日
ずっとずっと
泣いたり泣きやんだり
ちょきんちょきんちょきん
たくさんの鋏が
わたしを取り囲んで
刺して頂戴
切って頂戴 ....
大好きな歌
何度も歌ってくれた
優しいその声にそっと寄り添い
時の経つのを忘れる
迫る時間に涙して
離れたくないと握り合った手
無常な悲しい合図にキスをして
....
ぼくのろうやにいる
りゅうちにんは
みんな
びょうきがち
しゃばにいるときは
ぎんぎんに
げんきなのに
りゅうちじょうのなかでは
とたんに
びょうきがち
いれずみの
のぼ ....
たなごころに ビイドロの はなぶんちん かざす
クリスタルに はねる こもれび
ひとみを いおとす きらめき
しろとくろが おりなす せかいへ ようこそ
まぶしさに かおを そけると
....
夜には似合わないのに
とてもきれいに見えた
スカイブルー
じっと見つめていると
吸い込まれそうに
青くて
青は
海も
空も
青いから
きっといつか
還ってゆくところも
青いのだ ....
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