歌詠いの老父。手がない犬を連れ、近眼の男と会う。耳なしホウイチは、ナポレオンと共に、
老父を暗殺しかけたのだ。宗教が正しいと認めるのは、勿論、老父の歌声だ。うごぼけの。
言語などない。老父は、達磨 ....
こきざみにふるえるたんしん
みぎにもひだりにも
ふれはばをのこせないあかねいろしんどろーむ
なんだかできすぎちゃってつまらない
かいとうをこ ....
母よ、
あなたが逝ってから4回目のお盆が来る。
冬のその日
あなたは目の前で痰をつまらせたような
ごぼという喉音をしたあと
静かになった。
ああ、この瞬間(とき)、母は死んだ ....
あの人の夢をみました。
夢の中のあなたは
いつもよりちょっとやさしかったな
あなたと手つないだよ
いっしょにおさんぽ ....
夜
なにもかもが
羽のようにわかり
涙する
遠くの火が
空を揺らす
ねむりつづける花
ねむりつづける草
不夜を誇るものたちに
とどかない原の火
....
昼下がり、蝉のバッチをつけた男が
ショウウインドウを覗き込んでいる。そこには
アンティークのオルゴールが置かれていた。
しばらくすると、店員がやってきてネジをまわした。
すると蝉が鳴き始めてあ ....
樹皮で生まれました
地中に潜りました
植物から
ご飯をもらいました
木を登りました
飛びました
鳴きました
交尾をしました
祈るように死にました
伝説のブリーフを
誰もいない
コインラウンドリィに
放り込み
パイプ椅子に座り
煙草に火をつけ
女性自身を広げ
ゆるい
サンダルを
鳴らし
三度鼻をかみ
ベッドがあり
下着があ ....
近づく
中田さんは
パンダになる
病気らしい
入り口で
手を消毒する
消毒液が
床にこぼれ
扉を
二つ
またぐ
パンダが一頭
寝ている
中田さん
....
ぼくたちがみた
いくつもの風景は
今にもあふれそうなのに
それでもぼくたちは
未来をみようとしている
空気と水とこの大地
それから少しの食料と
君さえいれば
生きていける
始まりはなかった
精神の枝のようなもの
の上に
立っている
精神の枝
のようなもの
の上に
立っている
精神の
枝 ....
プラネタリウムの暗闇に
目が慣れるまでの
ほんのわずかな時間
きみのからだの
いちばん柔らかなところに
そっと指を這わせてみたい
こっちを見るな北極星
少しだけ目を閉じていろ
....
やる気 元気 勇気
三気の馬に跨がって
毎日 駆けてく その様は
アポロンにも似た 凛々しさで
ほれぼれ すっかり みほれます
おうまは 時々 気まぐれに
そ ....
閉じ込められた魚たちは
ぶあついガラスのおくで
海の夢をみるのだろうか
そとにでると
すこしだけ
雨の匂いがたちこめていた
....
むじゅん、って
じゅん、って
たとえば
コンビニ花火を終わらせる
水面に
じゅん、って
もう 二度と
きらめいたり
しませんように
かなしいまぼろしを ....
モラルを守るの、ラルモ
それは大切なこと大切なことよ
生きて再び歩いたりしてはだめ
火遊びもまた
街がひとつ陥落しているわ
ジス・イズ・ア・ペン
それは荒井注のギャグよ
スペ ....
たとえば
君が僕の背後に忍び寄り
両手で目隠ししても
見えちゃうものは見えちゃうよ
君の指先は細くてやわらかいから
ついでにぺろりとしてあげる
隠すから見たくなる
子供には毒って言い ....
この果物は新鮮だが
どこを切っても死の匂いがする
困ったものだ
と思ったら自分が死にかけていた
『私、丸いお皿って大好きなんだぁ。
それにねこの、まあるい目玉焼きも、おばあちゃんの丸眼鏡も、それにね、このお醤油の底のまぁるいとこもだーぃすきッ!
だからね、母さん、私○が見たかったの。○が ....
鋼線伝いの道
丘へと
君をつれ
君は犬をつれ
ふと目をはなす
その隙に
君は増え
君のつれた犬は増え
群れる
群れてゆく
君君
君君の犬犬
が、を
が、を
....
寄る辺なきひとの波に影を投じる月の輝く空を放っておけば雨があがる。
泥と砂の間のぼやけた境界線にもやはり与えるべき色がある。それを接触と呼ばせる
行動の中に既に未然の行動の中に通っている線を与えん ....
もう、ここも夕暮れて
短い夢のあと
ひとつ、ふたつ、みっつと
呼吸を数えていく
世界はまっすぐで、明日へ向けて良好で
目覚めの後の、定まらない視線で
遠く見えない、海を見ている
....
おれが髪を伸ばしているのは
イギーみたいに
髪振り乱して腰振りながら
叫ぶように歌いたいからとか
でっかいバイクで
風に髪をたなびかせて
ぶっ飛ばしたいからとか
そんな理由じゃなくて
....
足下に流れるほの暗い思念の残滓
忘却の河に沈む意志の荒野
時の行方を筆先に乗せて形にならない言葉を返す
語られる物語の終章にあるのは虚無の後先
詩の痕跡を辿り行き着いた光の陰影を浴びて
歌わ ....
よいな
と
おもい
ぼんやりしていると
もうもくを
みうしなった
ひとのようで
あちらこちらで
ゆびが にょっきする
こころが
かゆい な
このなつ
はじめて
かにさされ ....
わけもなく
海に行かない
青ざめた
この肌の下の水脈に海の素質があるとしても
夏において
情熱的な、情熱的な
世界中の観察眼と観察眼が合い続けているとし ....
誕生日が三つもある君
本名が二つもある君
だけどわかってる?
体はヒトツダケ
夜の蝶は既に蛾と化して
{ルビ売女=ばいた}と呼ばれても
ヴィトンが守ってくれる
そう信じ込んでいる
....
ちいさなふねが
いくつもつながれた
がんぺき
をとおりすぎて
まつばやしをぬけると
みじかいすなはま
でこみちはとだえていた
なみうちぎわから
いっていのきょりをおいて
あるくあ ....
囚われの鳥が
水をほしがる
何羽もほしがり
雨になる
木守りのひとつ実
夜を見る
すそから濡れる
夜を見る
一瞬のつながりのかたちから
道の灯りの ....
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