晩ご飯を食べようと牛丼屋のドアを開くと
レジの横で店長のおばちゃんが
「生活の重荷」を背負うように細身の背中を{ルビ屈=かが}め
書類を{ルビ睨=にら}み何かを書き込んでいた
厨房では新入 ....
いろんなふりをしすぎて
なんだか
わけがわからなくなって
いしがきの
はしっこにすわって
くもをながめた
ためいきをつくと
くうきのかたまりがひとつ
こぼれおちた
それはうすもも ....
勢いを失って
引き下がるように身を{ルビ拱=こまね}いて
椅子を押しつぶすばかりの
巨体を投げ出して
{ルビ俯=うつむ}くだけの部屋
その午後
汗ばんだシーツは皺くちゃになって
塵 ....
突然こんな言い方ってないけれど
あなたとあの人を
秤にかけた訳じゃないの
どちらが得かなんて考えてなかった
季節は心のためらいも知らず
訪れ去るのですね
あ ....
さようなら月の猫
あなたは猫が好きだった
猫のぬいぐるみ
猫のTシャツ
猫のマグネット
今でも大事にしてしているよ
あなたは今どうしているだろう
....
両手に降りしきるパズル
ひとつひとつの破片にふれる隙も
与えてもらえない大手町の足枷
待ってよ、いまこの目で見たのに
落ちてしまえば影さえ残さぬプリズム
違う ....
夢のように美しく 哀しい
きらめく空中ブランコ
この手に掴めたもの
掴めなかったもの
きらめく空中ブランコ
この春と夏とを彩った
ときめきを見送る
きらめく 宙を舞う肢体
....
まとわりつく寒さと湿り気に
からだの花は目を覚ます
欠けた明るさ
まばらに降り
起伏の上にうすくひろがる
曲がり角に集まる闇へ
消えてゆくひとりの背の影を
あなたは海 ....
もう良いことなんか何も無いから
デザートを食べよう
甘い
甘い
デザートを食べよう
何がいいかな
さあ並んでちょうだい
プリンやゼリー(でも、少し物足りない)
シフォンケーキ(ぼそぼそ ....
生命(いのち)が
直列の文字で記述された糸切れであるとは
なんと不思議で美しいことだろう。
あなたも
そして私も
短い命の糸切れ。
しかしその短い糸切れが撚り集まって
太 ....
絶えず
変化しつづける
球の上を歩いている
感じ
大事だ
毎日
サンダルはかない
スニーカー
ニューバランス
バランスはとらない
揺れるままにしておく
今ご飯を食べていな ....
洗い場には
石鹸の代わりに豆腐があった
かじると
石鹸の味がした
食卓には
冷奴の代わりに石鹸があった
かじると
やはり石鹸の味がした
豆腐はすべて食べてしまったの
と言 ....
母さん。
母さん。僕は今、とても複雑な心境です。
狐につままれたような気分です。
一体どういうことなのでしょう。
僕はまるで
自分の感情がわからなくなってしまった。
喜怒哀 ....
愛が
欲しいと
あなたは言う
あなたが
欲しいと
私は想う
かつて
私が
愛した
あなたは
孤独で
今にも
壊れてしまいそう
もしも
私が
手を差し出せば
あなたは
....
草原
おちるおちるる る る る る 青い水
ちいさな ちいさな ちいさな ピンク の ?
....
もう一度 始めからやり直そう
手当たり次第 袋に詰めて 処分
私の独断 何も聞こえない
これからは思い通りに
からっぽの部屋 からっぽの心
「何もかも やり直せる」
....
夜の喧騒を引き摺るサイレンが
眠りかけの街に時折響き渡り
僕はマイドキュメントをクリックする
そこは船虫どもの巣窟
座礁したテキストの影そこかしこに
船虫どもが蠢いている
僕はそい ....
そらとみずうみだけがつながって
あとは離れていってしまう
灰色の瞳に見つめられて
こんなにも微笑んでいられるのは
雨が独りで発ってゆくから
独りの訳を知っているから
....
夜空に輝く月の光は
太陽に満たされた光だ
光とは
此処から離れた場所で
此処とは違う時空で
知らず与えられるのかもしれない
溢れてしまうまで
誰にも・・・自分 ....
生物は海から産まれた
全種類の半数は灰色の培養液に留まり
残りの半数は足を鍛え陸に上がる
海は完成された世界
命を終えた魚介類は砂浜へ打ち寄せられ
太陽の光が亡骸を燻し腐臭を発つ
群が ....
この時間を刻む針の音が
僕らから 少しずつ 何かを奪う音だとしたら
僕は その世界を 時代を 愛せるかな?
この時間を刻む針の音が
僕らから 少しずつ 何かを奪う音だとしたら
僕は その ....
ポジとネガを反転させれば
ふられたことは正解だった
悲劇が全部喜劇に見えた
白い夜空は寝づらかった
現実の方こそ夢だった
白黒はっきりさせてみても、黒白が ....
空におちた種
芽がでるように
きせつが
ころがりだす
散乱する格子らに
畏まって居られないらしく
文字達が泳いでいる
水族館にしては蒸し暑いし
少しも苦しくない
もともと肺呼吸がとくい ....
薬指で唇をふちどる
慣れるということはない
深々と 息を吸う
いっそ無心に吸う
わたしのごちそう
仰ぐ因子
風を口にふくむ
上昇する本能
ここは分解の森
わたしは湾曲した小さ ....
今日の風が吹いて 明日へ向かっていく
昨日の風もやってきて 今日と昨日の風が混ざり合って
明日の風を作っていく
その風に吹かれている今日の僕も 嫌でも明日に向かってる
昨日の僕もや ....
生きてたら
きっと光が来るし
闇も来ると思う・・・
だから
いま
光のなか
精一杯生きよう
闇がきても光に変えられる力
持てるように・・・
昔付いた小さな嘘とか
愚かな行為とか
傷つく言葉とか
・
・
・
・
・
が
誰にも見えない心の奥底
小引き出しに
夜の眠りの間 ....
雨の音がひどい
眠れない夢を見た
うまく息ができない僕は
半分サカナみたいだ
朝がきたけれど
雨の音はやはりひどい
起きることも眠ることもうまくできない僕は
半分死人みたいだ
....
点と線を結んだら君がいたよ
今
気が付いた。
ラジオの向こうがわから
何やら ざわざわ聞こえるね
きっとそれはノイズ
ふたりが擦れた、音。
衣擦れだけが ....
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