唇の端を赤くした車が止まる交差点で
平行するというより、円還していた
二つの車輪が―、つまり自転車が
ひとりでにゆらゆらと通過していくような
微かな摩擦熱で火がつくような真夜中に
ティーエイ ....
ガーベラが好きだった
太陽のいる
青空に
笑顔を向けて咲いてる花
そんな素直な人間でで居たかったから
バラに憧れた
美しいその存在は
ただそこにあるだけで
艶やかな
甘い気分で満 ....
波のたたない海があった
永遠に穏やかな海だった
太陽は常にやさしくそそぎ
白い砂浜はしずかに乾き
水平線はかつて乱れることなく
つねに微笑みかける海があった
ひとびとは海を愛して
....
夕闇から吹いてくる
嘆きのざわめきが 靴の音で新鮮だ
ふざけたのりで地面を撫でまわす
こうやってできてゆく
グランドキャニオン
幾層にもなって
髪がうんと高く飛ばされ ....
台風一家のパパは風、ママは雨
一人息子は快晴で
パパとママがいないとき
僕らをそっと照らしてくれます
このはたけは
えいようが
すくないので
なにをうえても
ちっともそだちません
やさいなんて
みんな
やせっぽちで
とても
たべられるしろものじゃ
ありません
ことしこそは
....
パパが自動車を買ってあげるって言いました。
パパって、お父さんのことじゃないのよ。
「パイナップル色のが欲しい」って言ったの!
黄色じゃないのに!
だから、パパなんだわ。
−もお!こ ....
嵐の夜を
一人で過ごすのは心細いので
傘を持って出かけた
何度持ち直しても
背中に張り付いてしまう
風が強すぎるみたい
服も髪も
私にぴったり張り付いてくる
雨も強すぎるみたい ....
もしもこの歌がいつまでも
さびしげに灯る蒼い光で
未来のみえない世界に残ればいいな
これからはじまる別々の道のうえで
乗り越えなければならない
かわらぬ形あるもの
この歌が僕の背中おす ....
好きな気持ち
強ければ強いほど
想いは重い
崩れた時 跡形もなくなるように・・・
心崩れても 想いだけが残る
そんなふうに作られてしまった
想い ....
優しい声は健在で
いつも 私を癒してくれる
そばにいれたら
あなたの横にいれたなら
その声を いつも聞いていられるのにな
独りでいると
夜の目をあけて
もうひとりのあたしが
にやり
ああ
此処には
あなたは いないのだと
先の見えない
真っ暗な 寒い それなのに 心地いいのは
どうして
....
見えない飛沫の連なりが
輪のかたちにそそがれる
低く飛ぶ蝶の腹を見上げ
同じ速さで陽をすぎてゆく
うすく明るい
鳥の影が交う道を
飛べない鳥が歩いてゆく
気まぐれ ....
夕焼けのなかに
ぽつんとビルが
建っている
ながめていたら
たたずむひとに
見えてきた
ひとが
暮らしている
のだから
ひとに
似てくるのは
当然のこと
かもし ....
先人に習って
回れ右
先人を尊敬してる?
もし自分の生き方をしたいのなら
回れ左
世界に終わりがあるのなら
命の期限もあるのだろう
人の寿命は短くて
命の期限は長すぎる
酷い混雑見ないふり
酷い醜態見ないふり
美味しいお菓子も
食べたふり
綺麗な時間は短 ....
さうざうし
古典の教科担当のじいさんが 現代語とは意味が違う、といっていた
さうざうし
教室のなか 友達のこえ 笑って応えて またおもう
さうざうし
「さうざうし」
....
職安から帰る道のり
駅からの道を歩く
ぬるい風が襟元をかすめる
まだ6月なのに27度
北国仕様の体には
蒸し暑く感じる
むっとするアスファルトの匂い
駅へ向かう自転車の群れ
甘い花の香 ....
緑のなかの月
金のなかの羽
夜の上で重なりあう
土の上で重なりあう
空のむらさきから
鳥が飛べないほどの風が
裏表なく降り下りる
どこへでも
どこまでも
....
とてもかたい列車で
おもちゃみたいな街から出て行く
レールをわざと踏み外して
けたたましく列車はのぼる
神秘だねって笑う暇もなく
割れた空へと進んでいく
にわか雨が過ぎていくの ....
ぼくらがこどもを産むのは当然で
それはぼくらが夢のこどもを
たくさん
胸の内に飼っているからだ
ときどき、芽を出すそれらは
波のように
人生を翻弄し、ぼくらをゆりかごへと戻す
それで ....
私は引きちぎられ 微かに残ったあなたに出会う
あなたは既に身体のほとんど失い
息はどうでしょう もう止まってるかもしれない
私は強引にけれど 結果的に私の望みどおりにあなたに触れる
....
雨あがりの空ろな声は
流れる雲のきらめきか
雨に湿った
{ルビ濃紫=こむらさき}の瞳がとなえる
つながりの腐蝕は
しっぽり燃える送り火で
季節を含む
風の滅びゆくさまを映す
....
いつもの席でいつものように
始めましょうかと手を鳴らす先生の
その指先を見てる
思考は明日のその先を見てる
今日の考え事なんてとっくに終わった
私は明日もその先も生きてる
君だって生きてる ....
おお
なんとなく
さびしいではないか
お巡りさんが通った
ぼくだけ許されない感じ
青い制服で
バイクを走らせて行く
昔万引きがとまらなかった
怒られたいのに
みつからないよう ....
観測史上最大級の台風が上陸した日の夕方
未確認の大型生物の屍骸が
四国のとある漁村の浜辺に流れ着いた
地元漁協の連絡を受けて
ある大学の海洋生物学の調査チームが到着したのは
発見から14 ....
白の灰色 逆U字の穴 煉瓦
やはりこのままにしておくのは勿体ないが
それでも良かったと思うのは不思議ではなかった
だが、未明の散歩 心に響くゆえに
明くる迄のページめくり続け 白紙 ....
春と言えど北国の風は冷たく
歩みを増やすほどそれは突き刺さった
その代わり
見上げた空は藍黒く澄みきって星の瞬きがはっきり
だのに月だけぼんやりとして八分の五
顔を出していた
....
コンデンスミルクかけっぱなし
ガツガツ苺食え 始終狂え
共に友を消し 画面上から 親指 右 左 アウア 向上心
操作される人間関係 電波に乗っかり どうでもいい
0と1の音符
山鼻 ....
ベランダにあるテーブルの上
お酒と料理を
ようやく並べ終える きみ
黒髪が風に流れ
その先から濃くなっていく夜
別れ
切り出せない互いのセリフは
草書体のように
読 ....
5584 5585 5586 5587 5588 5589 5590 5591 5592 5593 5594 5595 5596 5597 5598 5599 5600 5601 5602 5603 5604 5605 5606 5607 5608 5609 5610 5611 5612 5613 5614 5615 5616 5617 5618 5619 5620 5621 5622 5623 5624
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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