妖精が見えるという
塗り薬を瞼に塗って
赤から黒に濁りゆく
暮れの森へ出かけた
不可視
青年の瞳が捉えたのは
影絵の集合
寂しい墨色の森
ざわざわざわ
木の間を流れる風が
....
原形を残さないくらい
君が溶けて
トラバターになって
きいろい
思い出になって
ボクはあの日
君が夕暮れと
おんなじくらい哀しい声で
ボクは何度も
忘れようとし ....
あしもとから吸い上げたあしたの記憶が
葉脈をつたって
四肢に達し
やがて、蒸発してゆく
芽生えを待つからだに
クロスする
光合成の日々
涸れているのは喉なんかじゃなく
わたしの ....
蝉が鳴く
じじじ、じじじと
幼いころ
容赦なく照りつける太陽のもとで見たのは
死を甘受して道端に仰向けになった蝉たちだった
彼らはまるで小石のようにただ転がっていて
大 ....
乾いた熱い風が 海沿いの道路に吹きつけても
九月のアスファルトの上には もはや弱々しい陽炎さえ立たないのだ
海岸線と並行して走る二車線の国道は 気味悪いぐらいスムースに流れていて
八 ....
まるで他人行儀な
挨拶で書き始めたのは
あなたの選んだ便箋が
何だか照れ臭く
上目遣いにさせたから
感情を露にせずとも
温かな文となるようしたためたい
そんな課題 ....
何千メートルも 落ちてくる
出会い頭が 痛くないのは その肌が
包み込む 優しさなのか
触れずに 溢れた粒は 足元で 弾けつづける
叩きつけられた 落差は 急いで
も ....
色のない朝に目を覚まし
音のない世界におはようをいう
返事がかえってくるのもまたずに
わたしはせっけんをあわだてる
すずめとくるまに声を与え
カーテンと食卓に色をつけた
なにも書かれて ....
このままこのまま
どうしようかな?
ほそい雨足 夜まで行こうか
どうしようかな?
日も暮れる
あしたの風も吹いてきたので
かえろうかな?
ゆこうかな
オモチャ箱には
彩り鮮やかなブロック
そのひとつひとつを
あちこちから眺めては
思うがままに積み上げる
時にはいびつな格好に積み上げては
夏の終わりを告げる土用波に
あっさり崩さ ....
しずかにたたずむ ひとは
風の流れる さやかな笑みを
薄紅色の肌ですいこみ
未練なく放熱し
終りをうちあけて
やわらかに傾いた
音色の日差しにつつまれ
緑は青青と奇声を発しながら
....
おかえりなさい、が あったのだよ
ひらけば其処に
おかえりなさい、が あったのだよ
そとから帰って
よごれた手も洗わずに
とってもとっても
温かかったのだよ
....
おれはたくさんの安全ピンを胸に刺して集会を開いた
瞬間接着剤が瞬間に接着する夕暮れ
時間幻覚剤が時間を幻覚する夕暮れ
未完限界不在外観を連絡する夕暮れ
弛緩連帯負債遺憾を選択する夕暮れ
....
わたしのなかに
流れる川だ
あなたは
たちどまるな と
言いながら
あなたが
流れた
わたしには
方角などわからない
ただ
ここに立ち尽くす
だ ....
間違ったり
気に入らなかったり
そういう文字を
消して
消して
奇麗に消せたり
うまく消せなかったり
そうこうしてるうちに
自分が消えた
夢から醒めた僕は思う 『あのまま夢に抱かれて居たかった、、、』
現実はとても苦しいから、僕は眠りに逃げ込みたくなる
僕だけじゃない事は解っている
それでも耐え切れない、傷口がまたひとつ増え ....
それは
とても暑い夏の夕暮れ
お城のそばの遊歩道
ほくほくと散歩するボクら
明日
泳ぎにいこっか
いいねー
他愛ない会話
とかげ!
突然
石垣の隙間から
飛び出した白 ....
時折 ふ、と 訪れる
携帯の電源を切ったみたいな
まっくらな…景色。
やり場 のない 足許 を ふらつかせては
焦って 「夢」から覚める。
−どうしようもないものを
救える術は知ら ....
ブギウギゆうたら
笠置シズ子しか思い浮かばへん
なにはなくとも 買い物ブギ
アレが白眉や サイコーや
ホンマもんのブギやらブギウギやらいうのは
なんやよう知らんけど
アメリカの黒人の人らが ....
潮風にのって白髪が
飛散するのを
じっと
唇をかみ締めて
耐えていた、
(藤壺を舐める舌の痺れ)
....
2月京都にも珍しく雪が降り積もり安アパートの窓から見える景色は銀世界だ…部屋の温度計は−3度を差している 女「寒…ねェ、マジ寒だよ〜暖房付けよ?」 男「…」 ....
故郷といる
私は故郷といるのだ
何処へも行かない故郷は
やはり田んぼの匂いがして
葬式と悪い噂話が好き
山は刻々と死に 生まれる
夕方には日暮が鳴いて
21時を過ぎたら車は一台も通らない ....
自由の味をしめた 少年が 夏の終わりに
ふと気づいた
季節がいくつが通りすぎ 少年は大人になっていく
矛盾で苦しんだ夜は お気に入りのロックで 気
を紛らわせ
....
枕と扇風機と
鳩のなき声は
味方だった
働きはじめる冷蔵庫のうなりに
あんしんして目を閉じた
夏の朝はいつも
まぶたを透かす白
レースのカーテンが波立って
飲み込まれる
眠らなき ....
夜の底で つながる人と
朝の{ルビ水面=みなも}で すれ違う人と
誰も見上げない空を{ルビ航=わた}る
柔らかい月の
温度は 少しずつ
上がっていくのでしょう
忘れられないほどに
....
青い空 白い雲
青い緑に包まれた山
風が吹いた
桜の花びらと 蒲公英の綿毛が
ひらひらふわふわ飛んでいく
まだ薄茶色の土が支配する田んぼ
プールが始まる頃には田んぼもプール ....
あなたが降らせた雨 傘をもってきてくれるかな
あなたが降らせた雨 ちっとも嫌じゃない
あなたが降らせた雨 わたしの涙にきづきはしない
あなたが降らせた雨 合わない歩調に舌打ちを
傘をのこし ....
アナタが誘うから 出掛けていくの
アナタが飲むから ビールを飲むの
アナタが吸うから マルボロにしたの
アナタが笑えば アタシも笑う
アナタが悩めば アタシは励ます
....
私は、あなたが描いた夢の中で生きる事が出来ず、見守る事しか出来なかった、
・・・・・・それが、私の罪。
愛するあなたを失い、永遠にあなたの温もりを感じる事が出来なくなってしまった、
....
その美意識の中では美しいとされているのか
目のない魚たちは見たことのない光など求めない
もしかしたら、その静寂は、ほんのひとかけらで
そのかけらさえ理解できない未来は過去になっていく
このまま ....
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