季節は
数式みたいで
夏から戦争を引けば 秋だ
傷痍軍人は退場を
嫌って
冷や冷やしている
彼らは
草むらを
不眠不休で
コオロギを集め
どぶに捨てた
月曜の晩
フェリーに ....
真夜中の
骨の色素が熱を帯びて
暗く
暗く蒸発してゆくのです
未だに守れぬ約束へと
恐ろしく白い
わたしの骨は
いったい何を支えている
夢か幻か否現実か
未来は己で決める
....
乾いた土に 優しい水
染みこむ 染みこむ
乾いた心に 優しい言葉
うるおう うるおう
やがて あふれ出した 優しい水は
涙になって 頬をつたう
こぼれおちた 一粒の ....
母に似た男と
父に似た男と
子供のような女がいた
母は子を愛し、
父も同じように子を愛した
両親の愛を一手に受けて
幸せだった子供は
ふと、それが成しえないことだと気づき ....
このままどこか遠くに
崩れ去った瓦礫の影も
砕け消えたあの日の夢も
零れ落ちた君の涙も
汚れ切った僕の心も
乱れ散った桜の花も
....
真っ白な紙面に
溶けて流れる
心臓を内側から貫く穴
何億光年もの時
繋がっている
夜空を縫う一筋のレール
賛美歌の音色
安らかな顔をして
真っ白な紙面を
溶けて流れる
一つの星が死 ....
緑の日に 故郷を歩いた
雨なのに 人は多かった
知らない人ばかりだった
みんな違う色の服を着ていた
どの色もおれの服の色と違った
がたがたがた
アーケードが風雨で落ちた
女が三人 ....
目に見えない時を読めるようになったのは
あのひとと次の約束をするためだった
等間隔にきざまれた目もりを
瞬間の目印にして
大きな流れの中でも
わたしたちがまた、手をとりあえるよう ....
「またね」と言えば
また必ず会える気がして
かたくなに「さよなら」を言わない
わたしは25歳になったけど
まだ、おまじないを使ってる
僕はスプートニク2号
地球初
気密室を搭載した
宇宙船
まもなく
僕は
他の兄弟と同じように
宇宙の塵となる
鉄の塊
その日
僕の部屋に来たのは
いつ ....
ヒトは日々メディアに流される漂流者
新聞の一面記事に
ラジオのニュースに
雑誌の冬物先取り情報に
テレビの健康食品情報に
今ならもう一つおつけして、なんとこの ....
カメラは、設置されていない
高架下に紛れてしまい印象に残らぬ翳りを
僅かに掲げ示するように頭を前後する
ぐず、ぐず、ぐず、と音を立てる老婆の喉は
翳りそ ....
久しぶりに行った
動物園
檻のなかでまどろむライオンが
君に似ていた
こんなところにさえ
まだ君は現れるのか
一時間が五十分だったり
雲の翳りを見上げるきみとの数瞬が永遠だったり
暗闇に咲く白い花は風に散り {ルビ蝶=ちょう}の羽となり
ゆるやかに宙を舞い
残された葉の一枚も一本の細い茎を離れ
ひらひらと
豪雨の過ぎた激しい川の流れに飲み込まれて ....
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする
風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする
空がねむると
空のなかに
ほんと ....
まどろみ まどろみ なーんもしたくない
そういうときには HIP-HOPでも ご賞味 ご賞味
{引用=
へい よー どどーんど へい よー どどーんど
ボクらが でぃーじぇー どお ....
しつづけた お祭の
後は 返されるだけの 暮れ
頬に かかる 雲の影は
冷たいの?
吐息 途絶えた
夢と 簡単な呼び名
つけて 恥らわなければ
いけないような
....
たすけてほしいってそう思う
明るい方へ手をのばす
すり減ったこころ
忘れたい事
うずくまる
わたしは―――
強い心で
しゃんと
凛と生きていたい
生きていたい
大きな声 ....
雨の森 羽の音
言葉にこぼれる
声の水音
透きとおった殻のなかで
生まれ出ようと旋るもの
空が融ける
雲の一角
灰の放射が
ひとりのまぶしさが
おそ ....
雄株は欲情に駆られ
自慰を繰り返し
めしべは空気中から
出所不明の花粉を受けて
子を宿す
植物界は古より
一婦多夫世界を構築している
誰も僻まず
誰も疑わず
動物は一人きりを ....
「ねこの手」
ねこの手も借りたいような
忙しいとき
君はさりげなく
手伝ってくれるけれど
君の手が小さく動くたび
僕は何もできなくなってしまう
*
....
秋晴れに君の笑顔がまぶしくて
流れゆく時忘るれば
季節の魔法が降りかかり
けがれなき{ルビ瞳=め}に映る夕暮れ
{ルビ幾度=いくたび}も訪れる四季身に感じ
そのたびごとに新鮮 ....
どうでもいいことを
書かないでみると
短い詩しか書けないのです
よくないと思います
どうしたらいいのですか・・・
残された私は・・・
可愛い下着も
ふざけた2人の夜の遊びも
他にはみせない甘え言葉も
もうどこにも見せ場なくなるよ
本当に・・・
私はどうすればいいの
....
こころよ風になれ
舞い上がり上空にて雲になれ
わたしという肉体を捨て
今という現実を捨て
浮遊する気体になれ
そうして
ただふわふわと夢を見続けよう
....
赤が 赤く見えること
青が 青く見えること
それが不思議 だから それは魔法
花が 雪が 光のきらめきが 夕焼けが あの人が
美しく見えること
それが不思議 だから それ ....
青い大海原に浮かぶ
ひとつの島であることは さびしい
酷暑の夏も 厳寒の冬も
狂瀾怒涛の嵐のさなか
雷鳴と大波に打たれ大風に曝されても 独り
降りやまぬ雨の中でも 立ち ....
レゴブロックだった。
レゴブロックの形をしていた僕らは一つだった。
誰かの何かの大切なかけらだった。
そうありたいと願っていた。
僕らは凹凸でつながっていた
全部で40余り
何かを表し ....
薄暗い廊下の突き当たり
古い鍵を回せば
きらきらと埃が舞うだけの部屋
東のカーテンは色褪せ
ピアノの音色は床に転がって
ソナチネの楽譜も気付かぬふり
窓の外には
金木犀がほろろ零 ....
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