反動の8月
街路のタイルは止んだばかりの通り雨に色を濃くしていた
街路樹の葉の間を縫う緑色の影が爽やかさを感じさせた
路面のタイルに吸われた水に外気の熱は移動し、幾分かの気流を足元に生じさせてい ....
二〇一六年十一月一日 「いやならいやって言えばいいのに。」
えっ
まだ高校生なの
そういえば
なんだか
高校生のときに好きだった
友だちに似てる
あんにゃん
って ....
俺の名前を知ってるか?
俺の名前はヤクの犬ってんだ
危険な名前だろ?
正直に言えよ
けど俺は
案外気に入ってるんだ
暗い名前だと
お前は思うか?
そうだよな
俺も一人孤独な夜は
....
ある人から
窓をもらっていたことを思い出して
とりだして開けてみた
窓の向こうは
地平線まで何もなく白い地と
日も月も雲もない白い空
ふとその地平線に
何かの影があらわれた
だ ....
背中が痛い 歯が痛い
いい大人になったのに
じくじくじくじく痛みやがる
鎮痛剤が欠かせない マッサージが欠かせない
指が重い 足が重い
大人の責任 プレッシャー
じくじくじくじく乗っか ....
自分を殺して
人を生かしてあげるって言う
犠牲的精神
この過酷な社会に起こる
大人同士のせめぎあい
時には
いじめ合い
いじめられ合う中での
美しく悲しいゆずり
ゆずられる愛
....
ソーシャルネットワークの光と闇
ソーシャルネットワークの花火
ソーシャルネットワークの出会いはハリボテ
ソーシャルネットワークで
何するつもり
ソーシャルネットワークでお祭り騒ぎ
いい ....
昨日と何も変わらない
今日が昨日の続きに過ぎないからか
しかし今日が明日に続いてくれるとは
限らない
時間の経過を知りたくて
時計を見る習慣
昨日吐いた息と
今日吸った息
遥か ....
{引用=前戯なし}
あなたの輪郭はとぎれとぎれ
知っていることは数えられ
知らないことは無限大
ところどころはっきりしても
ひとりのあなたが不鮮明
印象だけが白く火傷して
わたしをジャン ....
あじさいの
花房揺れる
梅雨の入り
時の静謐
心の寂寥
相携え
うっとり
薮に
踏み込めば
赤々と滴る
薔薇の花
此処にも
季節の快楽
眩めいて
佇む己 ....
若輩者が社会に従わず
ブレーキを踏まずに暴走しても
市民をざわつかせるのは
見放した市民の責任だと言う
まだ先があるからと許される貴族
暴走貴族
自分に酔った暴走運転も
酔っぱら ....
{ルビ夕立=ゆうだち}あけて空は葡萄酒
{ルビ美人=びじん}が沈む湖沼の水銹
{ルビ記憶=きおく}の底に誰かの日記
{ルビ龍=りゅう}がぬすんだ幼い契り
食えば出さなければならない
出さなければならないが
なかなか出てこない
お腹をさすったり力んだりしても
なかなか出てこない
しゃがんだらドバーッと出てきて
さっとトイレを出ていた若い頃は
....
海で友達と
歩いていたのは 防波堤
うちすてられていたイカリと
突き出た マストと 波の色
君が死ぬとき
流す言葉を集めて
冷たいコップの中で
氷に溶けるのを見ていたい
季節が変わる頃ってのは
何もかもが不安定だ
雨の温度や風の強さ
気に食わないものばかりさ
君が死ぬ ....
はいらいと
まちこがれた今夜も
雨模様ではありますが
はいらいと
月に寄せて 星屑に寄せて
たそがれたひと時を
お楽しみください…
はいらいと はいらいと
....
無口な口を縫いつけましょう
言葉は如何にも無粋ですから
帽子をかぶせた
宇宙がかくれた
はばたきながら
地球は夕暮れた
だから、ね……
蚊がうるさいよ
....
広い庭の一角を使って
家庭菜園を始めた
わからないことが多い
近所の知り合いが農家なので
聞いたりネットで調べたり
家庭菜園を始めて
身体に元気が湧いてくる
やり始めると
....
昨日の夜と新しい朝と
越えてきたいくつものこと
少し通勤時間をずらしたぐらいでは
気分は晴れるものではないけれど
流れる景色に
少しだけしがみついてみる
それは
セピア ....
夏の夕暮れの
そこは片隅
母の白い指のすきまから
転がり落ちた
ひとかけらの氷のゆくえを追った
蝉の声が遠のく
逃げていく蟻の触覚
氷は崩れ、いつか傾く
音もなく
あとかたの水
....
艱難辛苦
代償
無為
面倒くさがればいいんだろうと投げやりに思っても、眠れるかどうかはきりんの首が長くなってしまった偶然と同じくらいきらめいている。眠れませんでした、って日記に書いたとしても、それでもじゃあいつかは寝ている ....
鋼鉄みたいな体を欲しくなった
この華奢な体は脱ぎ捨てて
鋼のボディに変身したくなった
ライフルの弾丸だってはね返し
美しく咲く花は躊躇いなく踏みつぶし
逆らうものはすべて破壊してしまうの ....
むしょうにCUPNOODLE食べたくなって、仕事終わってクルマで帰宅途中にコンビニに立ち寄った。
空いた店に入ると、CUPNOODLE一つだけ買った。直ぐに封を破いて蓋を開けた。そして店内備え付けの ....
海を見ている夜だ
たぶん 目で山と そして
見ている空を否定する 目で
友達を 黒色に感じながら
おれたちがここで踏みとどまって戦う意味はあるのか?
国破れて山河在りというが
海は死ぬし、山も死ぬ
人は死ねば いずれ十掴みの灰に
だが、逃げるのか?
出来ない、そんなこ ....
風や街、ビル、文字、感情はあり、
選ばれたものと、選ばれていないものが
ひと筋の線で隔てられる今日、
たしかに時間も空間も存在し、
ざらざらと触れることさえ出来る
空の自動販売機、乾 ....
お洒落
華美
アピール
朴念仁
残念
とにかく
ナックルボールが投げたかった
そんな子供だった
ナックルボールというのは
縫い目がみえるほどに回転をおさえた球種のことで
不可思議な軌道を描き打者を翻弄する
意味もなく
無闇に ....
グーグルが繰り返し停止しています
読み込めないまま繰り返し
投げつけることもできず
オンオフ オンオフ
アンインストールした
アプリをきみは
原因不明
安物スマートフォン
ピンチ ....
534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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