こっちは雨だよ
と、すこし憂欝そうな声
じゃあ明日はこっちも雨ね
と、窓から空を見上げる
それくらいの距離
おやすみ
と、ささやく声を
耳をくす ....
朝ひとりで目覚めると
皮肉なことに勃起に気がつく
妻のいないベッドのなかで
夢のなかでは
まぼろしのような幼い踝に
わたしはひざまずいて舌をはわせていた
だけどあの少女は
むかし ....
太陽にかざした
ビーカーの中に浮かんだ花びら
太陽光線に照らされ
薄桃色の水溶液の中に舞う
花びらは実験室の万華鏡
桃の缶詰に入れた試験管に
チョンっと触ると凍っていく水
なんて不思 ....
タドル。タドル。
あなたの綴った言葉の道・・
振り返ればそこには、いつの間に別れたのか2つの道。
はっとして、見慣れた景色を360度見渡しあなたを探した。
あなたは ....
眠りたくとも眠れません
時間をつぶす術を忘れてしまいました
眠りたくとも眠れません
明日は用事があるというのに
眠りたくとも眠れません
飼い猫は気持ちよさげにねてい ....
いちばんうつくしいものは
いきて うごいているもの ですが
つかれはて とまりはてて
くずれさってゆくものたちの
なんという いとおしさ
なごりのかたちばかりを
とどめて うごか ....
ぼくらは自分より遠くを歩きすぎれば疲れている。築数十年の日々の/ひびの入ったコンクリートの隙間に小さな紫の花。目を閉じたのはもう窓から闇に煙巻いた諸々を/処女をさらすように薄く白焦げた空気が入りだした ....
すべてを失いました ほんとうにすべてです
そこで手に入れたのは、ちっぽけなタネです
でも、信じてしまう
みんなだってそうだと思います
だから、たいせつに水を与えつづけます
今より少し争いが多くて
自分から吹飛ぶ人とか
きれいな焼け野原とかが
少しだけ増えていた
そんな時代の話
ある日突然
とてつもなく大きな虹が
世界中の架け橋となり
....
集まり群れて
昇華されゆく時の中
足早に過ぎる回想の化石たち
ホームに駆けてゆく想いの数と
すれ違う人波の潮
微かに漂う意識の焦げ臭い、
螺旋状に流れる白い煙
更新されてゆく ....
長い長い坂道を
あなたと手をつないで歩く
冬が終わりかけて
ぼんやりとした太陽が
あたしたちの後ろをついて来る
あたしはもう、終わりだと思ったし
あなたはまだ、何も始まってないと言 ....
溶けない絵の具で描くように
毎日が色を重ねていく
とうに恥じらいをほどいた僕には
全ては取り乱す間も無く
宙の中に起きているようだ
それでも毎日は
すれ違い ....
切れない糸は、
私の足を通して、
からまってしまった、
赤が流れてゆき、
生気のない顔をして、
死んでゆくのだろう、
気味の悪い鳥たちが、
泣き声をあげて、
口ばしを私に向ける、
....
どうして夜遅くになると、街灯に
目を奪われたりするんだろう―
都市、男が細い路地からアパートに向かって
詩を暗唱している場面に出くわした。
溝川の底がくっきりと見えたような、
しかも ....
ちぐはぐなまま
外より
ガラスばかりみて
自分の眼すら
写ってないんだ
だらしないと
陰で言われるよりも
だらり としている
時間が いらつく
なのに
しかけに ....
私の想いはもはや彼へは届かない。遠いところへと行ってしまった。
報われることのないこの想い、虚しさばかりが転がり増え、脳裏に浮かぶは共に馬鹿やったあのころ。
一匹狼を通すには、今の私は弱 ....
あなたなんか嫌い
だから
きれいな女の子を紹介してあげるわ
わたしの知り合いの中で
一番の上玉を紹介してあげるわ
きれいでしょ
かわいいでしょ
どうぞお好きなように
あなたは
性格が ....
三千世界の夜が 墜つ
踊る大地の夢が 果て
君は痛い とは云わなかった
僕は痛い と叫んでいたんだ
大地に踊れ 過ぎし夢
背負った烙印は 僕を{ルビ灼=こ}がし
僕を抱く君 消 ....
あの頃のわたし
いつもおとなしくしてた
このままなにもこわれないように
このままなにもこわさないように
あなたのとなりで
いつもおとなしくしてた
言葉にするのが
なによりもこわか ....
その向こうにいるあなたが怖いの
こちらからは見えないもの
同じものをみていても
あなたが本当は誰か、なんて
あたしには知る由もないから
光る画面の向こうで
あなたも、あたしは一体誰だろ ....
のろのろ時間は僕の前に
のっしり座り込んで
僕のことを見ているのです
壁の向こうには未知の世界が
こじんまりとあるはずで
そこには僕は行けないのであります
頭が ....
学校は早退届がないと帰れないらしい
鋭い目
眼鏡の奥で、光っていた
あたしは結局
学校から何時までたっても出られないらしい
身体は毎日帰る
でも心は
毎日置き去り
いつでも、い ....
いなくなった
切り取る
切り取る
いなくなってはいなくなって
切り取る
切り取るきりとる
だがしかしそれはではだからこそされば
いるのだ
切り取る
切り取る切り取 ....
スキナヒトノナマエヲ
ヒャッカイノートニカクト
コイガミノルトイウメイシンガアリマシテ
ソレヲスイコウスルタメ
マズハサトシトカイテオッタノデスガ
ソノウチヒロミヤゴロウモアラワレマシテ
....
化石を拾う
改札口は静かで
足跡ばかりが通り過ぎていく
ぼくはそこで案山子になっている
へのへのもへじ
通り過ぎてく人に
顔は何気にそう書かれてしまったけれど
何か無限のようなかなし ....
たとえるならば
練炭の赤
たとえるならば
灯火の青
たとえるならば
えぐられた胸
たとえるならば
雨に満つ海
見つけてしまった
キャラメルの箱
余がルクセンブルグのハイデルカイアットホテルに滞在の折り
夜の列車が汽笛を鳴らしてコーマ駅を出発するのが聞こえた
ホテルの二階 赤茶けた電話機に接続すると
余はコンピュータースクリーンにコード ....
天窓に差し込む光
耳を掠める バルトォクの旋律
嗚呼 君が{ルビ謠=うた}に心寄せ
高い空に焦燥を感じ {ルビ金木犀=きんもくせい}に心狂わす
廊下を走った 先の見えている道
そんなこと ....
あと一言
君に伝えられたら
何が変わったんだろう
泣きそうな背中を目の前にして
僕は泣けなかった
せめて僕だけでも
僕だけでも
君の太陽のように
笑っていなくちゃと
君も笑っ ....
彼らのこの一瞬は 灯火は
わたしたちの何年分なのだろうなど
小難しいことは皆かんがえるふり
わたしはわたしで
手をはなさぬよう
刹那を噛み締めるよう
必死でした
ひ ....
5508 5509 5510 5511 5512 5513 5514 5515 5516 5517 5518 5519 5520 5521 5522 5523 5524 5525 5526 5527 5528 5529 5530 5531 5532 5533 5534 5535 5536 5537 5538 5539 5540 5541 5542 5543 5544 5545 5546 5547 5548
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