{引用=ああ
君は赤い
僕は目をつぶって
一気に吸いこむ
ああ
唇よりも赤い
冷たい空気と巻きこんで
無秩序にえぐる
声、声、
ああ
夕日よりも赤い
....
僕が以前働いていた特養で十三年生活していた
身寄りのない K {ルビ婆=ばあ}ちゃんの告別式が老人ホームで行われた日の夜
他施設との懇親会が行われ、
僕は「はじめまして」とテーブルについて
「 ....
演じるのにはどうしても
ナイフとフォークが必要なのであった
手づかみで食べた赤いカルネの味
女優は決して忘れない
目をつぶれば鼻を突らぬく
沈黙の香り
その ....
登校中の夢想
田んぼにはまった。
授業中の夢想
先生に怒られた。
休み時間の夢想
あ、次理科室だ。
給食中の夢想
あ、全然食べてない。
掃除時間の夢想
....
闇の中で息を潜めていた種子たちは今
ざっくりとメスを入れられた裂け目から
差し込む光に晒され
処女膜のような薄さで
その突き破られる一線の痛みを待ち望み
震えて耐えている
数々の果 ....
ある歌をききながら考えます。
雲を想像します。なにかできるのでは。
洗面所へいき、顔を何度も洗います。変わらなければ
ある歌をききながら、小ささや、孤独、無力感さえ。
田舎っぺだけど
私は知ってるよ。
明け方の空の蒼さも
雪の白さも
川の水の冷たさも
田んぼの蛙のなきごえも
都会っ子だけど
私は知ってるよ。
街の便利さも
....
赤い髪をした女の子が近寄ってくる
手にはちいさなかばんを持って。
そのなかから手にとってぼくに見せるのは
お菓子でも、お金でもなくて
ちいさなちいさな言葉の書かれた紙
昔、希望とかyesとか ....
はかなく燃える この哀しみは
灰になることなく 燃え続ける・・・・
たった1つ狂っただけで すべてのネジが狂ってゆく
自分の心を ただ見つめている
どうしようもないこともあるし ....
一人分の命、今零れた
その手の平の温度で溶けて
一つになりたい
一つになりたい
君と一つになりたい
私が消えれば貴方になれるの?
貴方が消えれば私になるの?
溶け合う心より確かな ....
庭の落ち葉を掃き集める
足元に猫が、頭を摺り寄せ
日溜りに寝そべった
病室の窓から
川向こうの桜を眺め
花見のようだと
喜ぶ父さん
帰るはずの家は遠く
山向こう空は ....
大切なモノが何か わからなくて僕は探してた
だけどわかったんだ 大切なモノなんて
探す前にここにあるんだと
辺りを見てごらん 君の側で笑っている人たちや
泣いている人たち
....
偽造された朝を押しつけられても
注文どおりの覚醒など出来よう筈もなく
自らを小さく蝕むことで
存在可能な時空をどうにかつなぎとめ
意識はただ浅く笑い
深く滅んでゆく
....
上昇していく海を
泳いでいた
常に水面から顔を出しているのに
何故か息苦しい
いっそ
どこまでも沈んで
深海魚の餌になりたかった
けれど
空気を吸いすぎてしまったからか
....
昨日 男が欲しかった
非常に発情しているのがわかるの、”らん”は左側から排出されていてよ。
けれども赤く、流れてしまった
あなたが早く来ないから、流れてしまった
お会いできるの ....
「笑顔」に
角や棘がとれ心は温かくなる
言葉で笑顔になれたら
言葉で笑顔を伝えられたら
言葉で笑顔をあげられたら
人生はもっと肌触り良くなるのだろう
甘かったり
苦かったり
スベスベしていたり
ザラザラしていたり
神だか悪魔だか姿無きモノが
無垢で裸で天も地も無く浮かんでいるモノへ
与えた果実
赤くズシリと腑に落 ....
魂の器は日々を重ね
否応なしに朽ちていく
魂の中身は日々を重ね
想いを練り上げている
温かい時冷たい時
風雨にさらされる時
外も内も変化に富む日々だけれど
器が崩れ始め ....
そこにいるのはきみだけ
ほかにだれもいやしない
どんなに
往還しようとも
登場者は
きみだけ
すぱいらるにすすむだけ
けだるくぎこぎこいうだけ
そのぶらんこの王様は
....
目的のない事をやっても意味がない。
途切れた{ルビ道路=みち}を通る人がいるか?
そっちに行く人がいるって?
それはそっちに帰る{ルビ家=うち}があるからだろう?
そこに立ち止まる人が ....
銀の星降る 御伽草子
満天のコンペイ糖 蹴散らして
疾走するペガサスの宅急便
トントントン
ミルク色の夢 お届けします
秋の
終わりの
帰り道の
高速道路の
横の
川沿いの
長い道の
途中の
階段の
下の
缶コーヒーの
自動販売機の
明かりの
薄暗がりの
中の
瞬きの
あの
感じの
....
別れを告げられて
泣かずにやり過ごしたのに
今になって涙が出た
降り頻る雨の中
涙を誤魔化すように泣く私
浮かれて逢いにいった結果
別れ話だったなんて
想いもしなかったよ
私の ....
おねがい
代わりになってちょうだい
大好きだった彼の
代わりになってちょうだい
ふたりでお散歩しましょう
お食事しましょう
花を飾りましょう
そして
あなたの手と
わたしの手が
....
不在となったおれの胸の空(くう)に
ひとつの透明な実が生った
痛んだ言葉の残骸の中で
実は紅くなろうとすればするほど
その身を透かし
艶やかな肌を揺らしている
もう じっとしていろ ....
マイケル・ジャクソンに良く似た男の鼻が取れたそうだ
そいつはムーンウォークが下手な男だったけれど
外見だけは大そう似ていたんだ
真っ赤なシャツに真っ白いジャケット
取れた鼻をつかんで便所に向か ....
テーブルの上にはワイングラスをふたつ 仕事の帰りがけに買ってきた今年収穫された葡萄で作られたワイン ボージョレ・ヌーボーの栓を開けよう 僕の他にこの部屋には誰でも居ない 君が頬杖を突いて物思いにふ ....
子供が
消えて
雲と、雲以外のものの境界が
曖昧になってゆく
遠い飛行機の轟音と、鼓膜とが
混同されてゆく
昼なのか、それとも
冬なのか
子供は
過ぎる為に走るのだっ ....
風が通って行きます
窓を全開にして
玄関のドアを全開にして
冬の朝のすがすがしい風が
火照った頭を冷やしてくれます
ただそれだけのことなんですが
ただそれだけがうれしいん ....
チックは俺が怖くない人だと分かっているのに
俺と目が合うと急いで逃げる
なぜならチックは俺に愛されたいのだ
チックは俺にお金をくれたり
イベントの手伝いをしてくれないので
....
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