彼は幻なので
誰にも見咎められることなく
にんじんを残すことが出来る
街道で裸になったって
警察には叱られない
スカートの中をのぞいたところで
たとえ彼がそれを鼻で笑ったとしても
誰 ....
こんな夜は
最終列車に乗って パラディソの君に会いに行きたい
僕の着く パラディソには
まだ
色がない
パラディソの海岸を二人歩く
僕の零した涙を
君は笑って 暗い海に投げた
....
戦後の娼婦きどりで
緑地に黒い花模様のワンピース
軍服みたいなコートを羽織って
男物の
赤茶けたウエスタンブーツは
歩くのに適していない
が
意固地に引きずる
産婦人科の
ある種 ....
久しぶりに 外出し車の運転をしていると 雪のように枯葉が 舞っていた
用が済んだから舞っているの?
舞う姿を見せたかったの? 冬が来るのを教えてくれるかのよう・・・
さわ子は鬼になった
八つの頃にかたちを変えた
さわ子という名の赤い鬼
背骨のあたりに取り付いて
わたしにぬすめとつぶやき囁く
母は知らない
父も知らない
さわという名の赤い鬼 ....
秋の終わり
街路樹の狭間で
主人の居ないくもの巣が
所在無さげに揺れている
いつの間にか
冷たくなった空気に
震える肌
きつい陽射しを負う背中だけが
何かがにじむように熱 ....
どうしても イライラして
とにかく その減らず口をホッチキスで
閉じこんでやりたかったが
世間の目が怖かったので
ホッチキスを渡すだけで 終わってしまった
笑いたいならば 笑え
....
喋れない虫達のように 喋れない鳥達のように
最近の人達はうまく喋れないようだ
木から落ちてくずれる柿のように人と人の絆も簡単に壊れるけれど
鎖と鎖が離れにくいように人と人の絆も深く強 ....
頬を追い越してゆく風と
手招きをするような
まばゆい光
目指すべき方角は一つだと信じて疑わず
出口へと向かって
足を運んでいたつもりだった
不思議だね
振り返ることは敗北では ....
丘の上に立って色の無い偏差値について語ろうとすると
バナナの風が熱帯雨林の方角から吹いて
学習ノートの文字は穏やかに飛ばされてしまった
間違えることなく世界にはたくさんのリビングがあって
....
月が冴えわたる冬の夜
田園の雪の波が
月光に青白くきらめいて
をんなの肌に深く映ります
あぁしんど
酔い醒ましにちょいと表に出てきたけれど
伏し目がちな月影は
わかばにマッチをすっていま ....
はブラシが毛羽立ってしまった
もうすぐ今年も終わろうとしているのに
はブラシが毛羽立ってしまった
夏に出張に出かけた折に
買った
青い
はブラシ
彼が僕のそばにいる間に
僕はた ....
ふわっと投げたよ
受け取ってくれなくてもいいよ
青空には軌跡が残るから
夕日を迎えようと
あわてて
西端だけ
昇る地平線
そのせいで
傾く景色
と
傾く地面を
....
今日もきゅうりは
もてなかった
女のこたちの気ままな指で
もがれてみると
ぽきんと折れた切り口には
みずみずしい
ひかりがあふれていた
うちに帰ってきて
冷たい水で
顔をごしごし ....
ローリング・ストーンズ
転がり続ける
ロォォォド
当ても無く
茂みの奥へと進み
真ん丸い月の見える
小さな夢見ヶ丘を越えて
ロォォォド
滝の向こうの真っ赤な大地の ....
あの丘へ行って
パスケットにパンを詰めて
赤と白が戦争をするのを
二人で眺める
虹色の鯨が
フィールドを横断していく
空気の海を優雅に泳いでいる
僕達は顔を見 ....
この手の中にある
ちいさなゆびわ
幾度も
悲しみにぬれて
幾度も
喜びに踊って
今描くよ
未来への青写真
ひとつ一つが
二人の物語
会いたくて
目をとじたよ
夢の中であなたに
会うために
月光が紡ぐ
子守唄
あなたにも
届いてる?
会いたくて
会いたくて
彼女はクルアーンであり
クルアーンの眼であり
1355年の記録が
彼女の脳漿をぶちまける
私は100年の大きな塊と
800日の断片を拾い
ポケットに入れた
そして焼却炉に入る
人類に幸 ....
− 愛は確かに潰えた
男の心に残っていた僅かな温もりを奪い去る良く晴れた或る冬の日の未明 月光に射貫かれた眠れぬ夜に 愛は国道246号線池尻大橋近くの交差点で潰えた 間断なく走り去るヘッ ....
黄緑色の太陽が僕を照らしだす
灰色のアスファルトは人工の匂いがして
雑多な看板は計算だかいやり取りの感触がして
時々どの道をたどって家に帰ればいいのか
わわらなくなる
雑踏のなか ....
元気に
明るく
おはよう!
素直に
謝って
ごめんなさい。
って言えたらいいな
勇気を出して。
嘘をつくな と 真面目に 言ったので
もう一人の 男と もう一人の 男が
白人である事 黄色である事
浮気 溢れる 瑞々しい 官能の大地で
一緒に 踊り
一緒に 諦め
先を 進め
先 ....
いつかライブハウスを
卑怯者達で埋め尽くしたい
みんなで卑怯者ロックを奏でたい
俺が
....
生きてることは辛いこと
生きてることは楽しいこと
日々移り変わる天候のなかで
荒波に浮かぶ船のように
頭痛の種は増えて行く
それでも魔法の言葉を唱えて
苦しさの壁を ....
漁りながら 生き 疑う 永遠に
落ち葉に 華麗に 着替えたら 臭くて 欠席扱いされた
細かい 詐欺で 仕事 スタート
せっしゃ 即興詩は 大概 チャンピオン
使 ....
そいつに
名前をつけろ
祈りと祝福の
すべてをこめて
そいつに
名前をつけろ
そして
その名前を
口のなかで
いとおしむように
つぶやけ
その名前を
耳元で
....
ある瞬間ぱっとかわるんだ
そう、自分を真剣に探そうとする瞬間
そこには、偉大なる覚悟がある
きついとか、むずかしいとか、いたいとか
そんなものは、どこかとんでいってしまう
自分を決める瞬間、 ....
夜の中庭に出ると
なんと 月
さっきまで聞いていた
バロックが
うそのような 静寂
私の陰は
暗い 暗い 中に
さらに くっきりと 黒く
やはり ヒトの形をしていて
やはり ヒト ....
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