きみをみまう朝は
なんどもなんども顔を洗い
なんどもなんども歯磨きをし
ぼくのもっている
とびっきりの青空を
つれていこう
あののびやかな笑顔が
もどってくるように
すべてのものに ....
私の中味なんて
ほんのちょっぴりだわ
昨日も少し減ったし
また出ていくんだわ
明日まとまった金が入るけど
あの男がまた持っていくのよ
しかも利子が小さいとか
ぶつぶつ言いながらね
....
わたしの後ろからさようならが歩いてくる
そのせいで
わたしはきみとさようならした
ねえ
さようならはからっぽの音がする
さっきまで何が入っていたのかが
どうやってもわからない
さっきまで ....
追いついてこれないから
僕は立ち止まり 振り返る
時間という無のなかで
息を切らし 駆け寄ってくる
たった一人しかいない、僕だけの「死」を。
あの人と絡まった
からいからい夜なので
夜色に染まった身体
あたしだって嫌いになるの
絡まってくる
ひりひり、いたいわ
胸で、頭で
はーとがあるのが
かたほうなら
....
賭けのために娘ひとりに声をかけたのも
その娘が遊びつかれていて
しかもひどく傷心だったことも
雨がちょうど降ってきたのも
折りたたみ傘を広げて中に入れたことも
アンクレットの些細 ....
お父さんにじゅうりんされて
きもちいいとおもったことが
いちどでもあるこどもたちが
おとなになって かいた詩が
ポエムから追放されて
どこにも国がない
戦車をのりもののようにのりこ ....
日曜の夜は、
若いカップルが、
消えてゆくたびに、
孤独を連れて来る。
鳴りやまぬ
救急車のサイレンが、
冬空に響きわたる。
キーボードに触れるたびに、
....
不吉だと思って頂戴
とてもとても不吉だと思って頂戴
そう思ってくれればくれるほど
あなたの前を横切るのが楽しいから
せっかく色がついたのに
わたしにお声がかからないので、
欲望ばかりが成長しました。
(隙が無いといけない模様、本にそう書いてありました)
なので大きく育ったこのセイヨクを
ぷちん と ....
ほつれ湧き出る緑の影
ふいに生まれ溺れるもの
双つの空と迷いの木々
巡りかがやく枝と枝
無数の緑のなかの一葉
空に立つ空
こがねの樹
波打ちながら遠去かる陽
金は緑 ....
あたしはまちの人気者
運動会には引っ張りだこで
野良達の羨望のまなざしに囲まれる
気のいい、やおやのおいちゃんや
魚屋のあんちゃんから余り物の貢ぎ物
喰いっぱぐれる心配は無い
オリンピ ....
薄荷煙草の火も消さぬうちに
十二月が階段を上ってきた
(マフラーの準備をしなければ冬は来ない)
身勝手な先送りを
誰か聞き届けるはずもなく
暦の挿し絵は 赤 緑 白
聖 ....
顔のない 男
惨めな 排便
垂れ流しながら
走り去る
九州から 北陸まで
官能の穴の中には
傲慢さが 隠れているのに
それでも
顔のない 男は
惨めな 放尿を
辺りに 散ら ....
そこに詩がありて
そこに詩人があり
詩人とは
勘の見事な女よ
理屈を捏ねる男を好まぬ女よ
罷り通る道は歩かぬ女よ
そっと蓋を開け
そっと元へ戻すなり
その立ちのぼる記憶 ....
あなたに手紙を書こうとして
ペンにインクが無いのです
グルグルしても
何も出て来ないのです
まるで
私たちのように
グルグル回って何も見えないのです
私の手のひらにあるこの金属のカタ ....
例えば猛烈ダッシュのあとに
喉に血のあじ残るのは
空気が針を隠しもち
そっと傷つけおちるから
あなたは針を飲み込んで
苦しまぎれに声を出す
必死に絞り出そうとしても
突き刺さってる針 ....
もうすぐどこかで雪が降るのかな
君を真白な街に連れて行って
君の白い肌と真白な街並みを見たい
さらさらと降りつもる雪と
すべすべの君の肌は
どっちが気持ちいいのかな
雪を溶かす ....
その頭には黄金の冠
威厳に満ちた白銀の顎髭
宝石をちりばめた衣服をまとい
真紅のマントをはためかす
この世界で一番偉大な王
人はその姿を見て
さもおかしそうにあざ笑う
その男 ぼろ切 ....
金色の体毛と透き通るような白い肌
宝石のような青い目のコーカソイドと
小型で忍耐力のあるモンゴロイドを
交配して作られました
大きく潤んだ瞳がとてもキュート
顔も体もとても小さくて
そ ....
三途の川を見に行った
積み上げられた石が不安定だなと思いつつ周りの観光客を見ると皆さんが泣いておられるので三途の川に手を浸し瞼を濡らして突っ立った
「さぁそろそろ行かないと、僕らの道は続い ....
濁る水のほとり凍て石を
つまぐりつつ死人はわらめく
騒ぎ落つ枯れ葉あかく
みょうとして沈黙ににたり
くらめき惑う
せらせらと
せらせらと
腐肉をこそぎ
白糸のたばし ....
咲き残る
幾重もの紅き花片は
誰人かに
散ることを留め置かれた
木枯らしに晒されて
「私はもう疲れたの」と
通りすがる男達に
哀しい微笑を投げかける
つながっている
(
青く透けた日の光が
結晶となってふりそそぐ季節
つめたい雨は 灰となってしまった
存在している私
無くなる。
空から堕ちた秘密が
虚ろな視線で風を呼ぶ
無神経 ....
信じなさい
君はまちがってない
その道に、光が射すよ
おれは言った。風を語るには
新しい記号を使わなければならない、と。
けれど、気象予報士は覚えようとしない。
テレビを信じる人たちの意見も一致している。
目下、おれの立っている場所には、
ヘ ....
からだはどこにあるの?
ママのドレッサーの引き出しに
からだはどこにあるの?
パパの車のトランクに
からだはどこにあるの?
やさしい彼のギターケースに
から ....
空が赤くなる頃
見慣れぬ街で
聞きなれたメロディーが耳に届く
どこに住んでいる人も
みんな同じ感情を持ち合わせ
町中に響く
家路のメロディ ....
死んだネコを抱いてまちを歩いた
ひっく
具合の悪いかげたちがのびたりちぢんだりを繰り返している
ひっく
おりの中のサルたちとその腕が地面から離れていく
水槽の中のイソ ....
不愉快な空気が満ちる
朝の鈍行列車から
酒と汗と香水の混じる
夜の快速電車まで
幾百の惰性と諦念が
溜息を吐きながら循環する
最近は白髪を数える楽しみを覚え
気が付けば歳だけは食って ....
5466 5467 5468 5469 5470 5471 5472 5473 5474 5475 5476 5477 5478 5479 5480 5481 5482 5483 5484 5485 5486 5487 5488 5489 5490 5491 5492 5493 5494 5495 5496 5497 5498 5499 5500 5501 5502 5503 5504 5505 5506
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