きつねの師匠が言いました
この道はきつね道
とても厳しい道ですよ
きつね道を行くものは
みんないつか死ぬのです
脳が退化し
便や尿を垂れ流し
胃に直接流動食を流し込まれ
喉に穴を開けら ....
降り積もる
ジカン
キセツ
ユメ
イノチ
見える日
見えない日
浅草の古い映画館が
今年いっぱいで閉館になる
その知らせを聞いたのは
年も暮れかかっている師走だった
『映画館の恋人』
祖母は映画好きな人だった
忙しい母に代わ ....
人が死ぬときにする 小さな音を
まねしながら このうたを うたえ
生き死にのリズムで このうたを
「きみは いきろ ぜったいにいきろ
まっくら闇
煌々とひかるのがきみのひとみだけ ....
彼等は天使なのだから自由に降りてくる
ひとは誰も彼等の姿を見ることができない
彼等に思想はない
彼等は天使であり善でも悪でもない
天使は通り過ぎる
ありとあらゆるものを刺し貫き ....
朝。
夢からの目覚め、その一瞬の微睡み。
静寂
空気がキレイ。
自転車の鈴の音。
犬の鳴き声。
朝。
ベッドの温もり。
君の体温。
冷たい足先。
密 ....
信じてくれなくてかまわない
あたしはあなたをすきだった
それだけが、あたしの真実でした
口の中でいちごを
つぶす
ぐしゃり
ぼくのこいがおわりました
ぐしゃり
ぐしゃり
赤が滲む
酸味が舌を伝う
ぼくのこいがつぶれていきます
....
君は突然、高く美しい声で
僕の名前を呼んだ
君の優しい歌声に
うっとりしていた僕は
はっと我に返る
でも君は大舞台に立つ歌手で
僕はその中の一人の聴衆
どうして君が
僕の名 ....
話しつかれて
午前二時
もしこの電話をきれば
世界も
終わってしまう
そんな気がして
ふたりは
どこからか
ぶあつい
電話帳をもってきて
ただ電話番号を
読み合うんだ ....
万華鏡の街は
おとなのものだから、
子供はずうっと背中丸めテレビゲームして。
僕はそう思う
電脳スペースの揺り籠のなか見る夢はいつも
空腹の味が奥歯に染みて 眠れないなら、朱いめの ....
最初は
イヴに出会ったんだっけ
正確にはさ
はじめて二人きりで逢ったんだ
足長おじさんみたいなマスターのいる
ちっちゃなバーでさ
なぜか河島英五が流れていたっけ
あたしの手に重なった
....
朝。
寒さで心がささくれる。
あなたの温もりがあれば、
明日が訪れる。
空、
どんよりとした鉛色に染まる。
二十歳の別れは辛い。
あなたを過去へと葬る。
....
てくび
また
やっちゃった って
短いメールが私に届く
病院は
静かだねって
別の友は
2週間で体重が
5キロも減った
休職願いを出すという
そうか
そうだね
もう
....
さらば
ぼくのこいびと、
ゆううつよ・・・
おまえのおかげで、
ぼくの{ルビよきひと=・・・・}は
いつもほしのように
かがやいていた・・・
けれど、
あたらしい太陽 ....
煙がひかりに
くゆくゆくゆらせられ
エアコンが巻き上げた
気にしないで、さあ
気にならないのなら、さ
僕がじゅうはちだったなら
も少し真面な恋も、
出来た筈だけど
蝶番がうるさいド ....
生きているものは未来へ行ける
死んだものは過去へ行ける
生きているものは未来で死んだ自分に
忠告を絶えず聴かされるが
普通の伝達とは違っているためすぐ忘れる
忘れないものだけが自分の運命を変 ....
――切り立ってごらんなさい。つまさきで。手の先を。あなたの手のひらには死の網が浮き出ている、巻雲の申し子だ、耳の中で変色する早苗の葉音を頼りに、内園からつなぎとめておくのです。私はおさない被告人、砕け ....
終わりがくるよ と
毎日まいにち大騒ぎ
でも 終わったとたん
すぐに次がはじまるのでしょう
大騒ぎの後片付けを
どこから手をつけたものかと
ただ おろおろと
立ちすくんでいるうちに
....
緩やかな坂道を
転げ落ちる
心のどこかには
穴があって
そこから思い出が
さらさら静かに
抜けてゆく
どうしてだろう
なぜか体中の力が
抜けてゆく
視界が回って色が混在 ....
今年最後の海を見に行った
午後六時
駅から海までは住宅街の中をしばらく歩く
にぎやかな町ではないので夜は早い
ビルディングの間からは見えない星座がたくさん瞬いている
海岸沿いの国道に ....
地面は かわいそうの塊ですか
小学校で教わりました
動物の死骸は土に変わると
野菜の残骸は土に埋めると
お母さんに聞きました
おじいちゃんは
土に還って眠っていると
地面は ....
時計が頬を膨らませたら
もうすぐ出てくるよ
可愛い可愛い小鳥さん
残念 出てきたのは
不機嫌な様子のフーチンカだった
フーチンカはお土産に
温かい雪をたくさんプレゼントしてくれた
....
しゃべる
スピードで
動く
言葉の
周縁に
暗黙が鎮座しています。
挑発がひしめいています。
約束は擦り減って
未来は流れていきます。
速く、 ....
このチーズね 駅前のスーパーで買ってきたの
こないだあたしこれ食べたのよぉ
すごい美味しかったの 安いんだけどね
ホント すごい美味しかったのよ
ほら ひとつ食べてごらんなさいよ 美味しいから ....
こころの奥底の
いつかの花畑に
あの日の花が
咲いている
さして綺麗でもなかったのだけれど
さして鮮やかでもなかったのだけれど
さして時もまたがぬうちに
....
やった!
ようやく私は解放された!
罪悪感から、責任感から、喪失感から!
あの手紙から!あの時から!あの娘から!
もう誰も、私のせいで泣く事はないし、私の為に泣いてはくれな ....
軽く平らげたその優しさを
味わうわけでもなく
チューインガムに含ませたため息を
君は静かに割った
輝く空の下で
永遠を誓い合う
そっと口づけをして
朝がくるのを待ってる
....
昼休み 校庭の隅のひょうたん型の砂場で
下級生の少年たちが
そこらじゅうの砂を集め 水をかけ
両手で叩いて固め 砂を積み
また砂を集め 水をかける
そうして
背丈ほどの 山ができた
....
目の前に数時間前からころがっている
赤いヘッドフォンがある。ちいさなヘッドフォン。
僕は見るともなく、それを見ている。実は
見ていないふりをして、実は、そればっかり、気になってしょうがない。
....
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