高台にある校舎の屋上に立って
乳色の朝靄に包まれた
狭い海峡を見下ろしている
島の影は霧の中に横たわる乳牛
潮の香り漂う牧場の朝のごとく
霧笛は牧童の口笛を思わせる
雲間からふいに
射抜 ....
夕焼けに染まる
うしろ姿が焦れて
奇妙な鳥の羽が
手紙を星へ届けた
万年筆の青いインクでつらつらと
書かれた迷いのない筆跡で
時は重なっていて遠く定着している
斜陽は
雲にすじ ....
ごめんなさい
あなたを傷つけてしまったのは
僕のせいです
ごめんなさい
地震が起きて人が亡くなったのは
僕のせいです
ごめんなさい
津波がおきて多くの人の命 ....
バラバラのパズルのように
夢の世界では
僕は迷い子
起きてすぐ
昨日と今日を繋げる
毎日が新しく
毎日、昨日があり
毎日、明日がある
苦痛
快楽 ....
声を聴かせて
おのずから妙なる旋律を宿すその声を
流れがうまれる
その声が意識に触れた場所から
涼やかにゆるやかに
深くたゆたう流れがうまれる
私はその流れに
身をゆだね
漂う
....
電話が鳴らない
すると毎日が
壊れてしまうような気がしてとてもとても不安になれる
明日
昨日
閉じ込められて
今日
檻を買った
なんとか閉じ込めてしまおうと ....
こわいものだらけ
だから、なんにも必要ないようにした
強いあたしなんて、どこにもいなかった
梯子が燃えるとき 時間は終わる
線を、引く
初めて泣いた日、
引き摺ったままの羊水で
始まる
一段 歩を進める度に
薄れていく
消しゴムで消せない、
それが条件
引き攣った跡 ....
船をまたぐ
昨日より長くなった分だけ
自分の脚に目盛を入れる
円盤のような声で
おしゃべりをする少女たち
そのフードの中には
いくつもの星が散らばっていて
誰も知らない星 ....
雪が舞い降りる
砂塵の嵐のように
オアシスは蜃気楼に消えていた
視線の先に
流された涙
ささやかれた
些細な言葉
無表情に ただ歩き続けてきた旅人に
再び舞い降りる雪
虹色に ....
かあさん ぼくのスニーカーは?
今さっき飛んでったわよ
靴 サンダル ハイヒール
空にうようよ浮かんで
絶好のはだし日和
こんな日はミーミームウに会えるかも
あわてて家を出 ....
アマガエル
かわいい
きみどりいろで
ぼくはアマガエル
すごくすき
たくさんあつめて
ならべてみよう
アマガエル
アマガエル
....
そんなわけで
行くあてもないおれたちは
足元の小銭を拾いながら
真冬の街角をとぼとぼと
歩き回るぐらいしかすることがないんだ
無遠慮な視線を巧みにかわして
無機物の保護色を纏いながら
自 ....
ギターの弦掻ッ切るような
痺れるカッティング
苛立ちと陶酔の間で
完璧にチューニングされた
弦と弦が唸りながら
永遠にループする
刹那の爆発
歪みきっているのに
限りなくクリアな
耳 ....
大人はみんな寝ている
休日の午前6時
フリデリカは乱暴に町中のドアを叩く
「大変なの大変なの!」
子供はテレビゲームに夢中
休日の午前6時
フリデリカは大声で町中の家々に呼びかける
....
振り解こうとしたその腕の力に
恐れ戦き
声にならぬ悲鳴を上げ
逃げ出そうにも逃げ出せず
生き抜く事は人の本懐であるとしても
手当たり次第しがみ付く執着心は
どうしてこうも醜いのか
....
まちがっても
君のようにはならない
の はずが
まちがったら
君のようにはならない
と いってしまった
優しくありたい
麦の 名付け親である
やさありは
泥の 炎である
炎の 中には
渦が 種をまき
炎が 燃やす
ために
優しくありたいは
麦の 呼称なのである
....
わたしたちが 生きるために
この土地を耕し 田をつくろう
ここには 水がない
あるのは 乾いた土地だけだ
それならば
水源のある 何処かの谷へ
水をもとめて ゆこう
....
あんなにも
街中が躍っていたのに
クリスマスは、もう
両方の視界を跨いで
遠退いていったね
‥貴方と私
色あせたイルミネーション
雪の花が咲くのを待つ
‥雪の降らないこの町 ....
手を
両手を広げ、そらへ
飛ぶように飛ばないように広げ、手を、そらへ
色々と自由になった気がして
交差点を、待つ
輪郭を見ている
箱の世界にいながら
回転を繰り返すのは
いつも ....
いつもの手紙の更新を、また忘れたりしながら
滑り落ちるような坂を
今日は黙って落ちる
街外れの図書館はいつも通りの匂いがして
さらさらと視界が変換されていく
名前を名前と呼んだのは何 ....
*
結婚式場で新郎と新婦が腕を組んで
全てのテェブルの上の蝋燭に火を点けて廻る
テェブルの前に立つ新婦の腕を取り
新郎を突き飛ばした
足下にあるポリタンクの中の灯油をブチ撒け
燃え上がる炎 ....
深夜3時
こたつを囲んで
女の子と語り明かす日
彼女はもう眠たげなようでいて 尚
止めどなくおしゃべりはつづく
ねえ
しらないでしょ
私ほんとうはね
本当は
どこに帰るのだろう
などとは問わない
会社帰りの雪道
星だろうと
街灯だろうと
導かないのならば
ただの明滅だ
一歩ごとに
すり減っていくのは
靴底ではなく
今日の賞味期限 ....
とめどなく とめどなく・・・
意味なんて あるようでなくて
楽しくて 嬉しくて
同じ時を 二人で過ごせること
今年も残りわずかに
あと何回 こんな時を過ごせるんだろ
....
たくさんのひとたちの こころの宇宙から
彗星のように飛んできた ことばの粒子
たとえばそれは
ことばの大地 ことばの空気 ことばの海
神話の森 うたの川 文学の町並み
ことばの ....
鼻が邪魔になるなんて考えた事が無かった
背中から肩へ
肩から鎖骨へ
鎖骨から首筋へ
首筋を上に伝い
頬を数回啄み
唇へと向かう
けむり
鼻が邪魔になるなんて考えた事が無かっ ....
純情な人間の恐ろしい程真っ直ぐな愛に対して
其れを裏切ると言う行為程
暴力的な行為は此の世に無いだろう
大切な真っ白いワンピースを来た女の子に
無理矢理カレーうどんを食べさせるような
....
今日医者から
私の身体は蛾に反応すると告げられた
モス・アレルギー
地球上に蛾という生物が誕生してから
何万年
何億もの蛾が孵化し
死んだ
その死骸は粉となり塵となり
地球上に時を ....
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