「月が明るい夜は
外に出てはいけない
みどりのコートを着たコドモが
生まれる時間だから」
そう聞かされていた
街のはずれの丘は
建設工事が中止になって ....
─佐々木好に捧げる
象が飛んでゆく
キリンが飛んでゆく
バオバブの木や やわらかな色合いのにんじんもとんで
ねえ、
どれもこれも飛んでゆくものたちはまる ....
あなたは夜の川
真っ黒な夜の川
冷たい冷たい夜の川
わたし見てたの
溺れてしまいそうなくらい
ずっと見てたの
夜の川
静かな夜の川
淋しい淋しい夜の川
――やれやれ、これで楽が出来るわい?
きみはそれでも命を投げ出したかい?
「農園のイヴ」が彼女でなかったとしても
ゆきはひらひらと 人を寒がらせ
しとやかな霜の柱 身の丈が伸びるあの成長期の痛みが
ひりり
ぎぎぃ
ひぃぃぃぃぃぃ、と夜通し泣き叫んでいた
男のいなくなった朝
皮膚も血も 凍り付いた ....
漬物石をかかえた大人が
喧嘩をしてる
漬物石はかかえたまま。
向き合って
立っている
漬物石をかかえた大人が
喧嘩をしてる
漬物石はかかえたまま。
置く事ができずに
手を出す事 ....
あなたが恋しい
わすれら
れない
忘れ
やし
な
い
あなたを食べずに
どうして
生きて
行け
と
い
う
の
細胞は主人に逆らえ
ないって
いうの
は嘘
....
平原に骸の数だけ
矢
流れた時の数だけ
腐敗
幾重にも重なる蹄の史跡
行く場のない魂は
登ることなく漂よを水滴
鈴の音が導くんは
清流
傷 ....
なんでだろね
分かり切ったことを聞かれる
分かり切ったことを聞かれて
分かり切った返事をしても
なんでだろは安心しない
ひとばんじゅう
なんでだろって
うるさく呟いて
それで安心して眠 ....
母さんは夜なべをしていたけれど
手袋の類は編んでくれなかった
やがていつものようにフジヤマがやって来ると
腕相撲やカードの相手をし
それでも決してゲイシャ・ガールみたいに
振舞うこと ....
ぼくが包茎だったころ
アフリカはとおく
象の足は八本あった
あのひとのほほは白く
うつむくまつげは長かった
どんな人にも天使のように微笑むので
誰もが自分はあのひとに愛されていると勘違 ....
俺は闇
どんな光も飲み込む黒い闇
これ以上近づくと
お前の事も飲み込むぞ?
私は光
どんな闇をも照らす明るい光
もしも望むなら
あなたにも安らぎを与えるわ
黒い闇は悲鳴をあげる ....
小さい頃から
物語を作るのが好きだった
たくさんの人形を操って
壮大な物語を作るのが
最初は積み木だった
お母さんは中くらいの積み木で
原子爆弾で吹き飛ばされた
小さな積み木達はその ....
大声はり上げても
列車の通過の轟音で
まったく聞き取れない
そんなCMが昔あった
ぴっぷ…
まで言った所で
電車が通過で以下まったくの
不明瞭
資本主義 ....
父さんは何故嫌がることをするの
父さんは何故母を裏切るの
白い手袋が朱赤く染まる程
あなたが嫌いだ
憎いから誓った あなたを許さないと
水を抱かせたよう 巧みにすり抜けた後は
びしょ濡 ....
真夜中に、
嵐の音が怖くて目を閉じたジーナ
だけど嵐の音じゃなかったみたい
目を閉じている間に、
季節が変わってしまって
途方に暮れてる小さなジーナ
ふれる ....
雨が降り出したら
相合傘しようよ
雨に邪魔されず
二人の空間作ろうよ
雨よ
止まないでおくれ
二人の愛が完成するまでは
止まないでおくれ
相合傘したら
二人を包むように
甘 ....
紅い氷に
蒼い光はそそがれて
溶けては凍り
溶けては凍り
土へと向かう重なりの
まばゆい柱になってゆく
雪が召ばれ
風が召ばれる
木々は皆いっせいに
かしいではも ....
さ
望んでごらん
何でも手に入るよ
君が望むなら
君は夢にある小川を望む
切ないほど優しく流れる子守唄のように
たゆたう小川
君は永遠の花火を望む
黒い貴婦人の胸に輝く ....
ウルムの大氷期のそのさなか
夜の手触りと、ほのかな曳光に、
うらがえる雪はのぼりゆく
ひかりを帯びていて、
しゃん しゃん、雪が、
ともあれ、このように、考えのまえにすでに、寒さが
....
先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます
あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
....
仕事はじめ
屋上へのぼった
一人のスーツ
真っ黒なゲーラカイトを飛ばしてる
隣のビルでもはじまっていた
声にならないような師走
木偶人形の奏でる
大騒ぎのカラオケソングが
巷に木枯らしを
F1のように吹かせて
小さなおばさんが
瓜二つの女の子を連れて
異星人の ....
夢に
おばあちゃんが出てきた
おばあちゃんは
わたしに
お餅をたべさせてくれた
おばあちゃんの家の匂いがして
座布団と
掘り炬燵が
暖かかった
背中から風邪を引くからと
手作りの襦 ....
震えの奥底から湧き上がる泡沫をとても羨んでいます/
月夜の波間にて、 浅い息継ぎを繰り返しながら仄かに輝く海を泳いでいます
何時も誰かの手を握っていないと浮かんではいられなくなってからというも ....
思い出してごらんよ
あなたが
遠い冬の日
誰かの
寝息がそばにあるだけで
それだけでよかった
あの日を
思い出してごらんよ
あなたに
はぐれた毛布を
....
雨が降っている
今日一日ずっと降っている
ぼくは雨が大嫌いだ
こんなじめじめして服も汚れるし
足はびしょびしょになってるし
もうなんで雨って存在するんだろうと
考え ....
ここは違う世界の
ぼくらの無人島
誰も助けてくれない
けどぼくらは外に出たくなかった
ぼくらはこの無人島になれていた
さっき船がきたけど
僕たちを迎えにきたんじゃな ....
大量のノイズが流れる
真っ暗な部屋で
ぼくは耳を押さえながら
必死に絶えていた
ぼくはずっとこの部屋にこもっていた
そとは輝いて希望に満ちてた
だがそれは表の顔
....
5426 5427 5428 5429 5430 5431 5432 5433 5434 5435 5436 5437 5438 5439 5440 5441 5442 5443 5444 5445 5446 5447 5448 5449 5450 5451 5452 5453 5454 5455 5456 5457 5458 5459 5460 5461 5462 5463 5464 5465 5466
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.9sec.