不純物はすべて取り除いて
何度も蒸留した
わたしがいます
つめたい
澄んでいる
淀み
夜のそらそのまま
映しこんでいる
潜りこんできている
そんな部屋だよ わたしの底流
....
鎌倉に住む私は
古びた寺の庭園の水の滴で岩を掘る
{ルビ水琴窟=すいきんくつ}の{ルビ音=ね}を忘れ
日々グレーのスーツに身をまとい
コンクリートの街並みに染まる石像群の一人として
朝の川の ....
ソーダ水で出来た犬が
門扉に挟まり痛がっていた
放っておけばどこまでも
転がって行きそうな僕の身体は
僕の心の中でまだ眠り続けてる
橋を渡る
腐食した金属のようなものが落ちてい ....
いつもごろごろったく
僕の苦労も知らずに
僕の猫はひなたぼっこしていた
ああもうなにしてんだかな
外ではなんだか色々なことが起きてるのに
殺人やら誘拐やらテロやら自爆やら ....
時がとまればいいな
って思うけど止まるわけでもなくて
雲がゆっくり動いて
ぼくの血液もゆっくりと
流れていった
コーヒーを飲みながら
塀で囲まれた町を歩いていた
....
界は何で
こんなにも汚れているのかな
わからない
ぼくもなんでここにいるのかわからない
なんで?
問いかけても答えられるひとはこの世にはいない
明日が来るのが怖かっ ....
耳鳴り
それは耳鳴り
眠りの中から
実はもっと前から
絶えず 響き続けて
聞こえない
それは普段聞こえていない
突然に気付くのは
何が原因なのか
いつもわからないまま ....
海 蹴って 来る ほのお
波間で たてひざ
つめたい そのひざ
寄せて 来る
ほのおを 吐いて あ ける
あおぎみるそら ふたつのえとわる
雨が雪に変わってロマンティックな夜になる
という歌があったような気がする
北陸の片田舎の雨は冷たい
昨日から続いた雪が
遅い朝には
雨に変わった
ワイパー越しに見える女子 ....
アスファルトが激しくそれも禿しく空中に
勃起するのだが
雨は降った
真面目に川はうねうねとうるさい
それがトビガチョウの夏だよ
川を渡ったまま
骨が砕けていくのがわかる
赤色の糸で背を閉 ....
おはようを言える奇跡。
こんにちはを言える奇跡。
こんばんはを言える奇跡。
ただいまを言える奇跡。
おかえりを言える奇跡。
いただきますを言える奇跡。
ごちそうさまを言える奇跡。
あ ....
咳がひとつ
窓を抜けて
枯草のなかに逃げた
草むらには
どうやら微熱の欠片が
カマキリの卵のように固まって
冬をやり過ごそうとしているらしい
わたしは昨夜見た夢を覚えていない
....
散りゆく影を追い
夢は螺旋を描く
振り向かれることも
交錯することもなかった
微笑みが蘇る
たゆたう まなざし
銀は舞い散るのに
光りは指から
こぼれる
触れられず ....
考える日々に暇も無く過ごす日常は成り立ちと働き。
対する者には法律を束の間の休日を素面で過ごす。
日内変動の激しさに不安感が強く突破する。
感染する仕組みと倫理に基礎を解く。
....
ねるねるねーるね 怪しげに
黄色いねーるね
みどりのねーるね
それはもう ふぁんたじー
ねるねるねーるね 軽快に
ぼくらは何かの義務感で
ねるよねーるね
こねるよねーるね
ねる ....
アンパンマンは正義の味方
弱い者が困っている時
誰かに助けを求める時
アンパンマンはやってくる
「やめるんだ!」
アンパンマンはかっこいい
誰もが一度は認めたはずなのに
いつからみん ....
樹の内側に流れる
めくるめく満ちている力
緑色に揺らめく
樹は
傷を受け 治し
傷を受け 治す
決してもとどおりには
決して美しく自由なもとの姿には戻れないけど
無骨な強さと頑丈 ....
渋谷駅がたくさんの路線を孕んでいるように
台風がくれた季節に生まれた俺とか
小さい秋に生まれたでっかい奴とか
記念切手の景色から生まれた奴とか
エスカレーター縦に並んだ各種生き様
それを端から読みあげ ....
運命が連れてくる
リズムに合わせて
踊ろう
皮肉なダンス
どうしようもない宿命に
隠れたメロディー
謳おう
こみ上げるブルース
風はきみになにを告げた?
海はどんなふうだ ....
オレンジの灯火が
ゆらり ゆうらり
近づいてくる
ながい ながい
階段下りる
鍵の掛かった
つめたい扉
月の光をちょっと借りて
ずんらり ならんだ
古い時計
ティーカップ ....
夜が好き
塗り重ねた紺碧が
恥ずかしい輪郭を
消してくれるから
たやすく嘘がつける
夜が好き
冬が好き
穢れのない雪は
{ルビ男=ひと}を疑う心黒さを
隠してくれるか ....
真夜中の浜辺に独り立つ
君の{ルビ傍=かたわ}らに透明な姿で{ルビ佇=たたず}む 詩 は
耳を澄ましている
繰り返される波の上から歩いて来る
夜明けの足音
君の胸から{ルビ拭=ぬぐ} ....
笑顔が好きだって 言われた
だから
辛い時も 笑ってた
悲しい時も冗談言ってた
気付いて欲しかったけど
何も言ってはくれなかった
気付いていたかもしれないけど
深くなれない関係だ ....
何かを待つ
ということは
何もしていないことに酷似している
と、感じて
せめて俯いた
アスファルトが好きです、って目つきで
いま
手のひら
差し入れたポケットが
....
やってきました 羊の海へ
皮を繋いだ筏に乗り込みます
海には羊でないものが紛れていますので
くれぐれもご注意を
一面のミルクからは湯気がたっていました
間違いなく迷子です
パレード。パラーデ。歩いているものを集めて、ただそれだけのこと。川のような世界で、素数のようにひとりぼっち。2、3、5、7、11、とそこまで数えたときは、最盛期たる朝。いっそのこと、きみは世界をよく見 ....
もしも
二人が結ばれないとするならば
それはきっと定められた運命
私を導くものはあなたを
あなたを導くものは私を
何かが二人を引き離そうとしている
それは私を
それはあなたを
....
狂い咲く雷の道を
まだ歩いているというのかね
わたしの脚は動かずにいる
ついには逢えず終いだ
若かりし頃の面影を
ぼんやり思い出そうとするのだけれど
暖炉の前の陽炎のように
ゆら ....
透明の連なった猫
額に4と書く
色彩が目に痛い
神経は引き契られた
ニャアと泣いたのは9個目の
深々と 深々と
降る雪は
空からの手紙
地面に落ちて
消えて 積もって
その存在を示す
海に降る雪は
深々と 深々と
積もる事は無い
ただ 深々と 深々と
降るだけ
....
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