何も持っていない両手を床に置く。
手のひらを上に向けて両手を床に。
かがみこんで、両手を床に。目は高いところから
床の両手を見る。
外から鳥の鳴き声が聞こえてくる。
床はひんやりする。
私 ....
生きてる意味なんてあるの
全てがあの日の雪みたいに
真っ白になって隠れればいい
全てがあの日の血の海みたいに
真っ赤になって泣き叫んだ事を思い出す
嘘吐いてばっかりだったね
騙 ....
天の川輝く
零下10度の
砂漠の夜
いつものキャラバンで
友達のラクダと一緒に寝る
名前は知らない
聞き取れなかったから
それで良いと思った
夜には一枚の毛布と
ラクダが
....
貴女を想うことに
卑屈さのかけらもない
そう信じられるのが現在(いま)だけでも
たとえ
それでも微笑っていられるのだと
今日まで知る由もなかった
嘘でもいいから
最後までだま ....
女子高生グッズに
なりたかった
犬と
ならんで
舌をだしている
目も眩む原色に潰されたい。
柔らかな間色に包まれたい。
だけど私は真っ黒で、どんな色とも混じれない。
定食屋で
食後のお茶を飲んでいる友の後ろに掛かる
絵画の入った{ルビ額縁=がくぶち}に
向かいの壁上の「非常口」の光は透けて映り
緑の人が白い出口へと{ルビ駆=か}けている
友と語らいな ....
僕は時々 猫になる
君が僕をどこかで見かけて
もし僕が 猫になってたら
そっとしといて
でも
そばにいて
お願い
お願い
ずっと猫でいるわけじゃないから
だか ....
美しい風景写真を
眺めていた
若草色で
縁とられた何枚もの
それを両手にのせ
黄色や 桃色の
ふわりと匂う
いつかの春の息吹
こいしいが
夢の入り口
扉をひらく
....
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずらをくりかえす
うみねこたちがなきながら
きみのいたずらをみている
*
きみがした ....
四季 春夏秋冬
出会いの春が来て
楽しみの夏が来て
切なさの秋が来て
別れの冬が来た
キミのいた日々の思い出を
一つづつ思いだし
パズルを組み立てていった
....
またあの別れの冬がきた
僕とキミは雪の降りつもっている道を歩いていた
足跡と築きながらどこに向かうわけでもないのに
ただひたすら二人で歩いていた
今日はさよならデートまた今年の ....
ぼくはヒトリノ人間だ
ぼくは世界を平和にすることはできない
まして世界を地獄におとしいれることもできない
これ以上でも以下でもなく
ただ普通なだけだ
そう人一人救うことも ....
表面に
氷が張って
中は
ヌルヌルしています
なんかいつも
そんな感じ
明日になれば 何かが変わると
「明日」を待ってみたけれど
「昨日」から逃げ出せず
こんな とおくへ来てしまった
いつまで同じことに絶望し
何もない街を彷徨うのさ
聞こえるだろ
....
何かをめざして
のそりのそりと
地面をはいつくばり
首を寝違えでもしたのか
大空を見上げるそぶりを
見せることもなく
のしりのしりと
あるときはあぶら汗をにじませながら
あるときはうれ ....
「終わりなき日常」という言葉。ぼくが東京で学生をしていた
10年ほど前によく聞いた言葉。
ゆうべ見た映画の中で貧しさの中で生きるママさんが
生きてるってことが夢みたいなの
なにが現実かもうわか ....
身のこなしがいいひとが好きだって
いつか言ってたね
わたしいまやっと
その気持ちがわかるよ
いつもこわくて仕方なかったのに
今はなにも恐れていないの
どうしてかな
傷つけられても泣か ....
僕は僕として
今朝も時計のネジを巻く
君は君として
今日も自転車のペダルを踏む
今日は今日として
日が昇っては落ちてゆく
減った荷物に増えた荷物
もう来ない新しい昨日にき ....
………あっ!
部屋の明かりを付けないでよママ。
夕日が逃げてしまうからね。
奴ら、小心者のクセに逃げ足だけは速いんだ。
すこしでも驚かせちゃうと、ご自慢のオレンジ色を纏 ....
寂しいのでしょう
暗い部屋の中であなたの帰りを待って
将来もこうなっていくのかと
部屋の隅にいて身を潜めていた影が広がり
つま先まで冷たく私を包むのです
布団に転がり残り香をかいで
甘酸っ ....
「ことば」は
「言刃」ではないから
「刃」で人は救われない
凍てつく孤独は
癒せない
あなたの心が温まるように
言の「葉」集めて
焚き火をしよう
若い葉 枯れた葉 落ちた ....
風景を切り取る小さな窓
覗いた世界は理想と違っていた
青い空を映し出す代わりに
灰色のビルの数々
夕月夜のを映し出す代わりに
足早の人々の数
「この部屋から全ての色が見えますか ....
やりたい事がある
でも考えてるうちに面倒くさくなって
結局何もやらない
やらなければいけない事がある
自分の能力は分かっているから、逆算してギリギリまでやらない
結局間に合わない
....
一、
あなたは私の言うなりに
深い沖へと オールを
漕ぎ出だす
大風に巻き込まれる一艘の小さい船にゆられて
片道きりの切符
私はささやきかけ続ける
「天国はあたたかいわ」って ....
猫 が
しゃなり、しゃなり、ゆら〜ん
微妙にコケそうな
ブロック塀に ぶら〜ん
こ、こっち見んな!流し目で
寒いだろうし降りてくりゃあいいのに
去年の春に裏の物置で
にゃあにゃあ ....
そのバスには誰も乗っていなかった
不思議に思いながらも僕はそれに乗り込み、窓側座席に腰掛ける
ドアは閉まり、バスは走り出す
あぁ、なんと気持ちの良い朝なんだろう
走り出したバスの窓から
....
紙一葉の重みは
風に飛ばされるほどだけど
そこに詩が綴られたとき
人の生に響くほどの
力をもつことがある
詩よ
天の恵みを浴びて
我の中に実るもの
いつかはたれかの鳩尾深く
....
トレチヤコフの旧館 とある部屋
恐ろしい人間の顔が
剥製のように並んでいる
息の詰まるような叫び声が
四方の壁のむこうから
湧き上がる
真夜中の
灯りの消えた屋敷の中を
たったひと ....
白百合の季節ではないから
梅の枝を切ってきた
山の梅だから
きっと白い花が咲くだろう
ほんとのことをいえば
白い花はあんまり好きじゃない
私が好きな花は深紅の彼岸花で
それも墓地やな ....
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