真夜中
雪に埋もれた
冷蔵庫の中には
月がひとつ
ぼんやりと
輝いていた
待ち合い室の窓辺には
枯れそうな観葉植物がいて
誰もそれに気付かないまま
誰もがうつむいている
ただ水をあげればいい
枯れそうな観葉植物は
まだ枯れてはいないのだし
渇きをいやせれば
また青々とし ....
「タンポポまるかじりー」というセリフが何の漫画に出てきたのか思い出せなかった日
たとえば夜中にひとり歩くと
暗闇がとてつもなく怖いもののように感じてしまう
野生のチカテツが草むらの影からこちらを ....
あれから幾年月が経ったのだろう
あなたがこの現実にさよならした日から
幾年月が経ったのだろう
思い出すたびこころがいたむ
思い出すたび涙がうかぶ
けどね
思い出すたび思うんだ
あ ....
ずっと抱えていた影は
君の光で消し飛んだ
強烈で鮮烈な光
を
君は持っている
強烈で鮮烈な光
で
新たな影を抱えたあたしは
どうやって歩いていこうか
新しい影は
光をうつしてよ ....
あなたの為に言葉を捜す
あなたが言えない想いを言葉に託す
少しだけ
私の心もそれに乗っけて
台詞になる言葉は私の心
音になる言葉はあなたと私の魂
....
鋭敏な指先が覚えた悪戯は
忌まわの際を心に刻む
それは穢れとなり
禊をしても拭うことは出来ず
さらに深い記憶の中に沈み込む
君思う心の中でさえ現は
....
冬の朝
古い郊外列車に乗って
まだ仄暗いモスクワの駅を発つ
灯りのまばらな町並みを抜け
列車は広い雪の大地を走る
後ろの車両から入ってきたジプシーの子が
スーパーの袋を両手に持ち
....
高い高いビルとビルの間に真冬でも
青々とした葉っぱをいっぱいにつけた大きな木があって
その木の葉っぱたちは風が吹く度に
小さく身を寄せ合ってクスクスと笑った
僕はその木の前にあ ....
知床
疾風怒涛の波が吹き
今日も浪の花が空を飛ぶ
問わず語りの幻と癒しの大地・・・知床
あれは野犬の群れの一匹だったか
薄寒い晩秋の斜里の街角で
確かに奴はいた
妙に存在感のある ....
日溜まりの青空でダンスを踊る君は
或る日
突然
斑模様の水面となって
5番目のドアを叩き続ける
まるでドラムのように
5番目のドアを叩き続ける
まるで魂の叫びのように
自分が何者な ....
両手いっぱいの雨に
涙がまじっていたら
うけとめる方がいいのか
ふれない方がいいのか
なやみます。
うけとめた涙は
そっとしてほしかったかもしれません。
....
渋谷の町で何をためらうのか野良犬がひとり
歩道橋の前で階段を見上げている
さもエスカレーターかのように
タイミングをはかって
揺れている
俺はそれを見ながらネギ焼きで焼酎を飲んでいる
....
わたしは存生するが故に
眼を側める
80デシベルの空の為に
耳を欹てる
ノスタルジックな夕焼けがこんなにも扇情的なのに
しかしわたしはやけに無情である。
馥郁たるこの地に眠 ....
太陽は私の心を照らし
元気をくれる
雨は私の心に{ルビ靄=もや}をかけ
寂しさをくれる
川は私の心を潤し
不安を連れさらっていく
雪は私の心の鎖を外し
故郷へ ....
風通し悪い部屋
北窓の部屋
たばこで煙ってる部屋
ぼくが途方にくれてる部屋
新しいベッドがきた
寝心地はいい
なんでも人や物のせいにすることは止めた
時間をま ....
さわらせてよう
というので
さわらせてやったら泣いた
どっちかっつーとそういうのが感じるほうです。
といったら
にやっと笑う
おー
てめーぶっころすといって
しばらくばしばしぶ ....
ぼくの周りには怪獣がたくさんいる
おそらくぼくも怪獣なんだろう
波長の合う者同士が足並みをそろえる
寝ぼけ{ルビ眼=まなこ}でモニターをにらめっこ
節操を知らない近所のおばさんは ....
ピッチャー第一球投げましたら
虫捕り網で捕まえて
ボール掴んで三塁側に走る
とみせかけて
ベンチめがけてボール投げる
そして
人差し指と中指立てて
そうだ
Vサインだ
それが出来 ....
初めてデートした日の事 覚えてる
電車の窓から 花火が見えて
君は幸せそうに 笑っていたね
僕が君の小さな手を 包み込んでも
逢いたい夜に
聞く 君の声は
僕の中に 染み込んで
....
唇が着くか着かないかくらい
斜め右から見るあなたの顔が好き
嫌なのは嘘ともつかない
稚拙な言い訳をする瞳の大きさ
背中を掻く時のあなたの顔は
母を困らす時の父の顔にそっくり
最 ....
わかってもらいたかった
全部じゃなく
ほんの少しであっても
重なる部分が欲しかった
大事にされたかった
荒れ狂う世界が
胸に巣食っていても
受け止めてくれるあなたが欲 ....
やりたくなくてもやってしまう
動きたくなくても動いてしまう
戦いたくなくても戦ってしまう
憎みたくも無いのに憎んでしまう
殺したくも無いのに殺してしまう
償いたくても償い ....
あなたはときどきふとんにくるまっては
失ったら気持ちがいいものについてばかり妄想する
図星?
連絡通路には窓がある
この下を、通る線には空がある
小さな窓枠から顔だけを出して
呼吸、をするためだけに
はめ込まれた絵を、まずはどけることから始めて
アフター、通り過ぎても
落とした ....
たとえようのない。。。。
はっと寒気がして
ふっと後ろを振り向いたらなにもいなくて
ぼんやりと宙を見つめ
思い出だけがひかりかがやいているかのように
みじめな顔をして
鼻水をた ....
服を着た悪魔 身を乗り出し覗いた先
ずぶ濡れの女がひとり歩く先に断末
声もなく花もなく ただただ枯らし泣く
気にすることもなく 過ぎる目の前
握りしめたポケットの中の最後の言葉
命を ....
つめたい指をしている
と あなたは言って
ふたまわりほど大きな掌で
包みこんでくれた
ゆきうさぎの見る夢は
ほのかに甘い想い出ばかりで
わたしは人のぬくもりに
慣れていないから ....
鉄橋の側で三十分間立っていた。
三十分前は十二時だった。三十年前も。
三十年前はなかった鉄骨がピーンと伸びていた。
甲斐性のない俺の影は砂鉄のように交わった。
磁力に音はなかった。音はなかった ....
何も持っていない両手を床に置く。
手のひらを上に向けて両手を床に。
かがみこんで、両手を床に。目は高いところから
床の両手を見る。
外から鳥の鳴き声が聞こえてくる。
床はひんやりする。
私 ....
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