「港は蒸気に包まれているよ
倉庫番の男はカモメに餌をやってるし
横縞シャツの丸太腕の男達は
朝から晩までせわしなく働いてくれる
一日中海の見えるベンチに坐り続ける老人は
二十年前に、船で出た ....
眠らない詩人は、そこにいる、誰もが眠っている間に
手にしていたスプレー缶を空にした。
彼、彼女が去った後、無数に立ち並ぶ
壁という壁は痙攣していた。
何故って、シンナーの匂いのせいじゃない。
....
白く、
淡くなっていく
記憶が、
視界が、
私を取り囲むものが
(淋しさとは)。
誰にも。
気付いてもらえないと
悲鳴をあげる。
....
ぼくは白い窓の横で寝そべる
暗闇は訪れない
25時の雪雲は桃と橙を混ぜた不安定な色
月がくすむ
白い雪があかりを灯すから、
今夜も輝けない
拗ねた月 ....
膝を折り、抱えた腕で
目を隠し
一度目の冬の質感を
花、枯れたままの鉢植に
黒い髪の揺れたあなたの日を
思い出して
ここで乗り換える
僕の靴は
自由なさよなら
....
ゆうべ一つの時代が終わった気がした。
それは春という生命の息吹きの季節の終わりかもしれないし
この世に生れたというだけで祝福されるに値される季節
夏の到来の予感かもしれない。
その中で ....
そらにてがとどけばいいのにと
せいいっぱいせのびして
さきまでぴんとのばした
おんなのこのひとさしゆびに
とんぼがとまって
そのあしをしっかりとゆびにからめて
おん ....
ユーメーンの描いた絵の背景が
なぜオレンヂなのか
いつも考えた
答えは出ない
なんとなくビワが食べたくなる以外は
なにも浮かばない
日によっては干し柿、
それくらいだ
....
どうなっているんだ
この体は
まったく頭の命令が届かない
今日の誓いは一夜ともたない
否定のフレーズが
美しい音楽に沿って溢れるのみ
この痛さを美化させながら
これはどこ ....
とある人形師が
水晶と真珠と白金を使つて
一体の絡繰り人形を作つた
(キリキリキリキリ)
人形は命も無いのに
笑顔で首を動かして
(キリキリキリキリ)
....
舞い上がったタンポポの綿毛が
振り返って見下ろした風景
歩道で蝉の抜け殻を
知らず踏みつぶしたときの音
そんなふうに目覚める朝
新しい自分が
古い骸に驚いたり
影よりも陰 ....
真夜中の雲が青白く立つ
月へ向かう手
空に融ける円柱
なにもない場所に
あらゆる場所に
立っている
木と地をつなぐ蝶
群れ集う黄色
ひとつの巨大な背の ....
人を愛するとき
きみのココロに人が住む
きみの中の大切なものと
誰かの中の大切なものが
響き合ってつながりあって
身体を抜け出して
お互いの ....
たとえ果てしない坂道も
この先にキミがいると信じることができたなら
今夜降り続く雨の中
僕の顔を涙で濡らすことはなかっただろう
何一つ叶えることはできなかった
結局残ったのは悲しみ、後悔
....
不甲斐無い肩に
こどもはひとりも頼らない
高血圧が今ごろたたって
酷く火照ったり さみしくなるあなたに飽きたのだ
知っているよ こどもは
外の風に晒されつづけるあなたがあるとき、だめになるか ....
君との距離を考えた
物理的には遠いのだと思う
空を飛ぶ飛行機とか言うモノや
地べたを走る電車とか言うモノで
何時間もかかるから
でもね
ホントの距離ってそういうものかな?
私の思 ....
あんしん したい
ボクは もっと あんしん したい
やさしい おんなのこと いっしょに
おふとんで まるくなるのも いいし
いつでも なんでも
おかわり じゆう ってのも いいし
....
坂の上から見た
雲の切れ間に光を見た
節足虫が地べたに噛り付いて
落下した小指を解体し始める
(そう 失ってしまいましたから)
(そんな風に 失くしましたから)
....
そこら辺にある小石みたいな僕
なにも特技も何のへんてつなく
この世に疑問を持ち生きていた
いつもなんでぼくがここに存在するか
考えている学校の青い空を見ながら
授業の話な ....
人混みにまみれて
ぼくはそこにいた
ぼくはそこら辺の奴らとはちがう
ぼくのことを奴らは二重人格と言う
ぼくには心には二人の住人が居る
一人は優しいシンク色の天使
も ....
黒い車がつぶになって 道の上から消えてゆく
山田くん、ねぇ、山田くん
君は 幸せだったのかい?
道は雨のように流れ出して
頬にも雨がつたい
山田くん、ねぇ、山田くん
....
音がしそうなタイミングで
水を流すのに
びっくりして引っ込むから
静かになってきたころに
ぶっ。
何者でもない者に憧れたるわたくしが
悲しいことにいつも何者かであるので
海峡を吹き渡る風さえ
くくっ
と笑って過ぎてゆくのだ
何者かであるしかないそのことが
この世の習いというのならば ....
大人だってたまには
思いっきりお菓子を買いまくりたい
大人のお菓子屋さんには
ちゃんとグリコのキャラメルだってある
大人のグリコのキャラメルには
おまけに
ひとつだけ詩がついてくる
....
きらびやかな服を着て
きらびやかな街に出て
たまごの美味しいお店で
美味しいたまごを食べ
たまごが美味しかったと
あなたに電話をした
何て答えたのか覚えてないけど
あの日はあなた ....
夢の終わり 朝 そこからきみが続いていくのか
空 同じ断層をきみと見ていた
ロゴス きみの最期の深呼吸
水のせせらぎ きみが言った「おやすみ」 もう声も思い出せないというのに もう
....
すこしだけ 下腹の痛みを抱えて
服を脱ぎ
showerroomに 足を踏み入れる
じゃあじゃあと 降り注ぐ
人工の温かい雨
柔らかい 布を纏って
フローリングの大地に降 ....
大好きだって言ってた 窓際の彼女が
山田くんの手を しっかりと 握っている
今度は、触れただけじゃなくて
しっかりと、包み込むように
斎藤も、小林も、佐藤も
今日は 珍しく、おえつを ....
人生の喜び黄色い光
きみの情熱オレンジ色に輝き
青色の陰が君の頬を囲み
身体を包み込む緑色の光の輪
目を閉じて想像してごらん
まぶたを通して見えるゆらめく炎 ....
あなたが去った後のベッドには
代わりに詩が横たわる
入れ替わり立ち代わり
あなたとわたしがファックしているのを
詩は決して気づくことはない
詩が去った後のベッドには
代わりにあなた ....
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