その人は
みずのようなものに写っている
七月をみていた。
来世にのこる後悔を
かいつまんで
ならべかえた
しろいひる。
自転にふさぎこんで
がたん、と
額がはずれたとたん
死よりゆ ....
泣き始めたしゃっくりを
なだめてなだめて眠りにつかせる
それでも未練がましく嗚咽をもらすしゃっくりは
まるで失恋のようだ
散らかった部屋の中
ぼんやりと考えていた
君の部屋で聞いたウタを
突然聞きたくなったんだ
君の部屋の中は
ガラクタでいっぱいで
整列されたベットの下
几帳 ....
切り取って
もう少し違うかたちに
貼り詰めて
色硝子の欠片たち
鏡に映った髪が
指先でもつれて
ささくれた爪が
余計に乱暴になるから
ひび割れが目立たぬよう
綺麗なステン ....
からだがあってよかった
君を暖められるから
君を感じられるから
うでがあってよかった
君を抱き締められるから
君を守ってあげられるから
てがあってよかった
君と手を繋げるから
....
海辺で 死んだ 妻を見た
反転の 余暇 途端
妻は 私になった
狐が 化かすというので
海辺の 遠くを 見た
見える
亡くなった 祖母が
流れてくる 何体も
天秤の中 ....
日差しを あびていると なにもかも 忘れてしまう あなたとの いやな こともにちじょうの 瑣末さも あびている 陽射しだけ に なってふたり 抱かれていると ひとつに 解け合って 塊に なる にちよう ....
朝の光がレースのカーテンから
うっすらとのびてきていた
なんでこんなに朝の光は
気持ちがいいんだろうか
そう思い湯気が出ている
コーヒーを口に含んで
舌で味わった
....
一万匹の野良猫たち―。私はそれを
誰もいない地下トンネルのなかで見た。
小さい火花がパチッ、と弾けるのを
「―死ぬまで身体をこすり付け合うのさ。」
イギリス人の学者の亡霊が囁いた。
まった ....
巨大なこころの隅っこで
きみは正しく泣いていた
そしてまた粟立つ夢を見た
固体のこころを掴んでいた
僕は疚しく吐いていた
僕はまた泡になる夢を見た
模型のこころを造っていた ....
手のひらでそっとすくっても
すり抜けてゆく水のように
あなたの心はつかめない
水面に映る優しい月が
決して沈まぬように
私はあなたに溺れない
あなたとわたし
近くて遠い
....
月が盲目であることを知るのに私は二十年の歳月を要した。私にとって、月はあらゆる意味で眼であった。月から伸びる湿った神経束は世界の絶望へと接続していて、世界の絶望は、半ば狂いながら老犬の飢えと私の衰弱 ....
突然鳴り響くオルゴールはわたしをドキリとさせる
不自然なほどのノイズで
頭がおかしくなるのではないか
と思うほどの
でもきっと、何も聞こえてはいないのだ
全てはわたしの幻聴で
本当 ....
乾いたシグナル
うつむいたままのマテリアル
洗練されすぎて意味を失ってゆく
弱弱しいカルチャー
凄みのない場所へストンと
落ちてしまっているデザインの氾濫
二十一世 ....
今日も朝起きたら
いつもの現実が拡がっていた
ぼくはいつもどうりに
お気に入りの服を
タンスから引っ張り出して
それを身にまとい
朝ご飯だけど
もうほとんど昼 ....
時々は流れに身を任せ
漂うのも一興
それでも
自分のうちなる声が
一番であるべきだよね
寄せてくる波に飲み込まれそうになり
たまさか、溺れそうな気分でも
翻る強さが欲しい ....
今日が死にゆく2時半
あなたの残した
フレーズ
フレーズ
フレーズ
”人は死んだらどこへゆけば ....
真冬の夜 迷い込んだ一匹の仔猫
薄汚れて ガリガリに痩せ細ってさ
お前 いいもん食ってないな
飼い主に捨てられちまったのか?
そいつは一言 ミーとだけ返事をした
ずっと昔 俺はこいつ ....
かえるのほっかむり
(=めさきのきかないさま)
かえるのすきなキミが
キミがおしえてくれた
ボクの大好きな言葉
そしてボクらは
かえるのほっかむり
それでいいとお ....
ネット広告やエロ本やエロビデオを見ながら
可愛い女の子や綺麗なお姉さんとセックスしたいと思う
しかしそんな事をしたところで
小生の人生の糧にはなり得ない気がするので
抜いてしまえばどうでも ....
狂おしく 狂おしきままに
待ちわびて
結ぶ太鼓に散る花は
夢見の果てとあおぎみて
流れゆく 流るるままに
時すぎて
契りし思いに散る花は
あれは逢瀬とかえりみる
帰らぬ ....
彼の目を見た
それはどんな事を物語っていたか
映画でもない、小説でもない
私には、彼の気持ちをつかめなかった
画面には、猫が踊っている
肩を組んで楽しそうに歌っている
出会うことが ....
ごくふつうのわたしたちには
りょうてにすくえるくらいには
しあわせがあります
ゆびのあいだから
こぼれおちて
なくなるまでは
しあわせです
こぼれおちるのを
みていることが
....
毎日が終わって
毎日が来る
日常が終わって
日常が来る
閉じるものは閉じて
開けるものは開けて
離すものは離す
繋ぐものは繋ぐ
こうふくは いまでも
どこかに あるは ....
いつのまにか消えて行く風景を
私たちは いくつ持っているだろうか
記憶の中の風景が ひとつひとつ
消えて 入れ替わるたびに
在ることの認識は 立ちつくす
ある日 空き地になったところ ....
改札を出ると
夜があった
はて
こんなに黒かったか
君が変わって
僕も変わった
頭の中も
鏡の前も
服が欲しいとか
歌が歌いたいとか
小さな望みを
....
どこにでもいこうよ
声はどこまでもとうめいで
いったいしんじればいいのかわからなくなった
やくそくは
ずっとまもっていたいけれど
あのひとが
とうめいでそれはそれはすき ....
北極星を中心に
星は回るらしい
教育テレビで
さいきん学んだ
世のなか知らないこと
ばかりだなぁと
感じられる日々は
きっと良いことだ
月は東京の空が
濁っ ....
意欲は どこから わいてくる
自信を持つと わいてくる
自信を貰うのは
他人様
お蔭様 お蔭様
ひにくなことに
自信を奪われるのも
他人様
明日の燻る原の声には
そのひとひらも、渡らない
青の部屋、青の床
踏み越えるたびに見据えるものは
舞う、散るよりも儚い覚め際へ
連れて行くように
恋し、と
だけ
そこからを渡る
....
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