遠くの街灯
なぜ揺らめくのか
この年になってもわからず
汽笛は質量を落とし
寄る辺ない破線となり
私を映し
私を透かす
窓ガラスをはなつと
瞳、仮初めにも
その冷たさを押し量った
....
“夜霧よ今夜も有り難う”
風呂場からのん気に聞こえてくる鼻歌を尻目に
私は部屋を出ていきました
前前から
死神の電波加減や頑固さには目を瞑って来ました
でも今回ばかりは限界です
私 ....
疲れてピアノが寝ていた
狭いピアノだったので
添い寝をすることもできた
やがて、か
間もなく、か
多分それくらいのことだろう
僕であることを間違えた僕を乗せて
草の列車が発車する ....
雪が降る道で
ぼくは初めて孤独を知った
いつもならぼくのすぐ横に
肩を並べていた君は
いまはぼくじゃない
男と肩を並べて歩いているのかな
しょうがないね
ぼく ....
僕の暮らす世界の裏
人々が人々を傷つけている
平和を謳うある国が生み出す
苦しむ 恐れ 悲しみ
誰もがそのことを知ったら
平和と呼ばない筈
僕が行った国の少女
片言で話す僕に丁寧に教 ....
支えあうのはたいがいにして
自立しましょう
追いかけるのはもうやめにして
掴んだ襟元からその手を放しましょう
そして自分の足で立ちましょう
三度の食事や給料日を待つも
はるか昨日の ....
カナリア カナリア
快楽の中に今も尚
生きながらえた首を曲げた老人
苦しみなら信じられると
禁断の果実すら腐り落ちる
この土地を愛してやまない
カナリア カナリア
突発の中で育てられ ....
蒸気の壁
そのあちら側
そこにきみがいることを知っていた
煤で汚れた手を伸ばして
薄暗い空間を弄る
立ち入り禁止のボイラー室で
僕らは少し
ロマンティックに恋をしたかった
様々な機械の ....
さびれた館の馬像の陰から
子供が数人こちらを見ている
塀は陽に照らされ指にやわらかく
その上で子供のひとりが
虫喰いの木洩れ陽を目にあてて笑う
水たまり ....
このこねこのここのねここねこ
わるいこねわるいこねこね
このここねこねこのねここねこね
わるいこねこねわるいここねこね
このこねこねこねこねこねこねこね
眠れない夜
ふと外に繰り出した
外は寒い
タバコに火をつけ車の数を数えた
赤や青の人工的な光が眩しい
今、こうしてるうちに向こうの国では餓死していく人がいるんだろうな
今、こうしてるう ....
砂場から去る幼子の手が
八分前の夕暮れを受け止めた
誰かが握るための光を
ぎゅっと
繋がってることを教えてる
かえろう
僕の掌を 握ってくれる誰かのところへ
目に入れろ
目に入れろ
金のかかるカメラなんていらない
この瞬間の光景を
目に入れろ
そして自分の好みに色づけするんだ
逃げちゃダメー
これ ....
ぼくらは空に近づこうとする、いつも包まれるばかりでひとつにはなれない。ひろびろと伸ばしたつまさきをゆびさきを、リンととがらせる。新宿にアスファルトのあちらこちら。渋谷を通り過ぎるどちらこちら。ビルとビ ....
雪がじゃんじゃん降る前の日に個人的な色彩の影に怯える耳成芳一が喚くのが緑藻類に記憶されたように不確実性を尊ぶ神話性の休日には雪に突っ込んだ新幹線が脱線して酒帯び運転の嫌疑を晴らすために台湾泥鰌を多摩川 ....
窓の下を通るとき
灯りのともるのを見て安堵する
ただそれだけで
暖かいきもちになれた
あの人が ただ一瞬
振り向いてくれたと思ったのは気のせいですか
確かにあの時
隣にいたのは私なの ....
(地下鉄の入り口)
真昼でも陽の光の届かない
そこは蛍光灯で照らされた
もう一つの夜だった
疲れた足取りで階段を降りてゆく
行き先を示す電光掲示板には
目的の場所が表示 ....
今ここにいる自分
今生きている自分
これが運命だなんて思わない
僕は僕じゃなくなる
そんな気がする
数多ある選択肢から こ ....
笑わないで聞いてくれる?
例えば
不規則的に唸る換気扇が
この世の終わりみたいな音を奏でても
それに怯える私はうずくまってコーヒーを飲み明か ....
小さな息遣いで狙う
溢れそうな領空を遠い声が駆け抜けていく
高度3メートル
誰も倒せない鉄砲に込めた弾丸は
赤や黄色に自己主張して
空に駆け上がる勢いを
繰り返すたびにどこかへ置き忘れてい ....
交差点の向こう
ギラリとした眼光の
ヤサ男が独り
こちらを睨む
興味本位な意識を飛ばし
かの男に憑依する
男15歳初めての殺人
それは見知らぬ男
母の上にまたがり
汗だく ....
ねぇ あなたとあたしの間には
運命なんてものあったのかしら?
ただ互いに気が合って
ただ互いに寄り沿って
ただ今日別れてしまう
それだけの仲じゃない
運命なんて信じてないあたしだから
....
ちょっと僕たちは遠くまで来すぎてしまったみたいだ
なんて 前を歩いてる二人に言い出せるはずもない
もう電車もバスも道路も
街灯の明かりも電線も携帯の電波も
24時間営業のファミレスもコンビニも ....
林立するビルの谷間を歩く
押しつぶされるような閉塞感
立ち止まり空を見上げる
体内に太陽を飲み込んだように輝く雲
眩しさに慌てて目を戻す
そそり立つ壁と
追い抜いて行く見知らぬ ....
惰眠を貪る
目を開けているとココロが痛くて
夕焼けにも 目を背ける
平積みの
まだ開いてもいない3冊の本
そこから
幻想と現実が入り交じって
誰にも
悟られたく ....
心が限界だと
待てるものも待てない
笑顔のうらっかわで泣いて
思わせぶりな態度を寛容に許す
さっきから
イントロが鳴りやまない
音が次第に大きくなって
あたしを
....
朝 窓
陰の光
風で息づく静物たち
個の
亜の
景色の粒
戯れたあとの汗
雲がたちこめた空
ほんの一瞬 かがやく庭
焦げた葉ずれ音
....
風のない穏やかな夜に
小さなふいご
すーすー すーすー
風呂上りに小さな爪を切って
たくさんお話したね
おまえはわたしの布団に入り
お気に入りの枕を持って入り
もう眠りに落ちていく
小 ....
私は大きな空に浮かぶ、お人形さん。
あなたの、その瞳で、愛してるって、
そう、言われて。
愛してるって、そう、言って欲しくて。
私の背中には糸が付いていて、
誰か、操ってくれない ....
人間は生まれてきて一番最初になにを覚えるかしってる?
それはね、
泣くことなんだ。
赤ちゃんは生まれてすぐに泣くんだ。
それはね、
人生の中で、涙が大事なんだって、
赤 ....
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