ポチャンと天井から
水滴が落ちてきた
湯気が拡がった
お湯の入った水槽の中で
ぼくは体育座りして
悲鳴のようなため息を
一つ吐いた
横に置いていた砂時計がゆっ ....
あのひとが、
白い部屋から、
退院して、
窓の向こうで笑ってる。
涙が出そうになる。
なにもできなかったけど。
ほんとうによかった。
つまづきなんていうけれど、
つまづいた人の ....
よく晴れた日の午後
逃げ場の無い闘いに疲れた僕は
ベッドに寝転がり
重い日常に汚れた翼を休めていた
ラジオのスイッチを入れると
君の{ルビ唄声=うたごえ}が流れていた
窓の外に ....
あかねさす紫野ゆき標野ゆき
そんな旅を胸に描いた{ルビ妾=わたし}は
愚かだったのでございましょうか
野守などはおりませんでしたのに
せめて手をお振りになってくださったら
それだけでも嬉しう ....
バスタブいっぱい満たされたお湯に
ここちよくぬくもって
からだをのばして
ねむってもいいんだ
鮮烈さがほしいなら
シャワーを浴びたらいい
冷たい水が
ゆるんだ頬をきっとひきしめる
....
あてどない という言葉と
鍵 という言葉
ばかり頭に浮かんで
要するにわけがわかんない
風を名づける人たちに
風の色を訊ねてみた
だあれも知らなかった
なまぬるいきさらぎの曇天
....
Tully's Coffeeで
買ったばかりの本を読んでいたら
「恋愛」は
12世紀ごろの騎士道精神から
「誕生」したものだって
書いてあったので
椅子から転げ落ちました
なんて ....
光は翳りの青に水
隠された刃の嘆息を見る
雨は何も濡らさずに
ほんの{ルビ我頭上=わずか}に平たくとどまる
夜ともなればあたりは静かなうなりを残してしん ....
悲しみにくれるとき
いつも夕焼けを見つめていた
悲しくて涙が止まらないとき
いつも月が輝いていた
夕焼けの向こう側や
輝く月の世界に行きたくて
行けない自分がまた
やりきれなくて
....
新しい街で暮らすときの気分で
死ぬまで
ふざけんなや!
幾重にも張り巡らされた
罠を突き破って
とうとう
本当のことが分かったとき
うわべだけの美しさの陰に隠れている
醜悪な匂いを感じた
いつも悩まされていた匂いだった
....
苦しいんやったらやめろ
苦しいんやったらやめろや!!
ほんでお前後になって
「苦しかったけど、やってよかった!」
とか言うんやろ
それやったらはじめっから苦しいとか言うなや!!
ずっこいん ....
いつも見ない夕焼けを見た
空が朱色に
本当に久しぶりに染まった日に
昔は明るい笑い皺ばかりのおばあちゃんが住んでいた
もう荒れ果ててしまった家の壁にもたれた紅梅が
ポン
ポン
ププ
と ....
私は尖っている
ある面はつるつるのまんまるなのに
いつも微笑んでいたい
という願いが
そこにはある
ざらざらと大きくくぼんでいるところもある
このくぼみは
がっちり滑らないよう ....
泥が 人を 食うので
空き缶に 詰まったものは
メールの 内容だけだったの
か?
泥の中には 人が沈んでい
るのか
空き缶は 放置され
糞尿が 入っておる
メールは 呼吸をしている ....
冷たい光が壊れながら
憧れる者の手のひらに落ちるとき
夢見る心は いっそう痛々しく
冬の真昼の傷を負う
さびしさの傷 悔恨の傷
むなしさの傷 かなしみの傷
降りてやまぬ傷は 風に舞 ....
悪いのは手
あなたの
私を抱きしめた
悪いのは手
私の
背中を探しあて
ことばとは
たぶん違う生き物が
私の中で
惑う
戸惑う
力強く
さみしく
やさしい
....
ぴちゃぴちゃと
水の跳ねる音がして
君が
夜に頷いて
時間
我慢した方が
いいけど
月が
助手席で
背中を折って
ぴちゃぴちゃと
水の跳ねる音がして ....
どうか
「さよなら」という言葉を
君が言わないように・・・
僕が聞かないように・・・
どうか
「さよなら」という言葉を
君が聞かないように・・・
....
黒い喪服の人たちが
ぞろりぞろりと列成して
まるで蟻の行進です
白い棺は雨に濡れ
土手の死人花は鮮やかです
黒猫がにゃぁと一鳴きし
遺影の写真の主は笑っているか
いや、いまい
....
だらしなく背もたれに寄りかかって
力ない目で流れてく景色を ただじっと眺めてた
たった一言 頑張れって言葉が欲しいんだ
それだけあれば どんな無茶だって平気でやってのけるから
そりゃ僕 ....
歴史が無いの飯が不味いの
そう言いながらも
ジィンズを履きラバァソゥルを履く
箸でもって飯を食う(ピザは例外だ)
2ブロック先まで車で行きたがるような
肥満大国だと笑うけれども
ハイテ ....
マイクは何処だ
マイクは何処だ
マイクは何処だ
ヴルカリ ブルゥオム
マイクは何処だ(ガーターベルト)
***
箸をきちんと使えない奴は
納豆に溺れて死んでしまえ
そう呟い ....
ときどき無性に
死ぬほどあまいものを食べてみたくなる
コンビニじゅ買い占めるくらいの量
だけど結局帰るのは千円ぶんくらいで
食べられるのもそのくらいで
というかむしろそれすら途中で飽きる。
....
沈む深海の星は
{ルビ蠢=うごめ}く
ただ{ルビ蠢=うごめ}く
お前も星ならば
夜の星たちと同じように
輝やこうとはしないのか
ぐにゃり
{ルビ海星=ヒトデ}は{ルビ蠢= ....
「 ツァオベラ あの 真っ白い世界 」
わたしはその日も一斤のパンと砂糖水を摂った
目の前で食卓の隅が何枚もめくれているのを見ながら
なにかを話そうとすると、その度 ....
東京湾上空を固い翼たちが水平に旋回する
垂直にたちあがるオレンジのビルたちのすきまへ
ゆうぐれて輪郭を失ったそれぞれの窓へ
たえまなくなつかしい未来へ
たくさんのたましいがまどから ....
雪の上で 軽い
ステップジャンプ
口元は
叫んでいる
Jisus!と・・・
誰よりも 誰よりも だれよりもはやく
命を捨てよう
ひとのからだ
我先に 我先に われさ ....
奪われていくだけで
体の細い先っぽから熱
低い空に流れていく
雲に穿たれた青空
なくなってから知るのだと
ひとは言うけれど
得てすらいないのだ
失う事すらできないのだ
小舟 ....
ひどく寂しそうな顔をして
いったいどこを見ているの?
私も君の視線を辿れば
同じものを見ることが出来るのかな?
近づきたい
そんな気持ちが
大きくなって
君と同じ所に
立とうと ....
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