濁った色の運河を
僕の手が流れていく
腫れ物に触るように
どこか遠慮がちな様子は
やはり僕の手らしかった
妻を抱き
娘を抱き
椅子の背もたれを掴み
いろいろな手続きをしてき ....
戦うだなんて たいそうなこと 言ってますけど
なにを もってして 戦うと 言うのですか?
敵なんて 見えて
ないくせに 。
寒空の下
風に吹かれ
飢えと
渇きと
もう生きていてはいけないと
説得されても
首を垂れ
ぼろぼろの花弁を開き
咲いている
紅い花
もうお仕舞いなんだよ
もう待つ人は来ない
来 ....
朝 南垂れのベランダに届けられる
冬陽という なによりのご馳走がある
夜 裸木に呪文をとなえる
北風という メッセンジャーがいる
庭隅のわくら葉は いま
....
ぼくが一番したいこと
詩の朗読で世界一になること
総理大臣になること
人類のビジョンを世界に伝えること
ちがうちがう!
ぼくが一番したいこと
君にあまえ ....
ネコ飼っとんか
へぇー
お前んとこは 何飼っとる
物語飼っとる
へぇー
かわいか?それ
ネコのようにかわいがよ
いや、それ以上じゃ
どなんや?
....
体中に{ルビ蔓延=はびこ}った
静脈血の中を
冷ややかな血液が
巡り巡りてぐるりと一周
血管の中を落ちていく
冷ややかな血液と
きぃんと響く耳鳴りに
少しばかり眉間に皺を寄せ
....
ゆきだ
冬姫がきたよ
胸の芯まで吹き抜ける風をつれ 風になって
ゆきだ
春姫がきたよ
吐息のような涙のようなあたたかな 風に舞うよ
ほら
森に気配が満ちてきた
ほがらか 小鳥 ....
あなたをおもうとき
僕は
思う ではなく
想う を使いたい
「相」と「心」で「想」の字
相は「あい」であり「合い」
そして「あい」はまた「愛」である
互いの心でおもうことが
「想う ....
風が急に冷え
空を這うものの音が聞こえる
濡れた道が立ち上がり
差し出された手のなかの水には
夜と朝の境い目を
白く明るく消し去るものが微笑んでいる
神 ....
おかゆは1番最後に煮るの
さくらんぼは2番目に美味しいと思う
3番目にって何を言うか忘れちゃった
4番目・・・雲を数えていたの
あの5番目の歌は忘れられないほど
最後から ....
「とうちゃんのあたまこわれちゃったの?」
「どうして?」
「どうして?」
お前は小さなお骨になって帰ってきて
お前の息子は不思議そうです
「かあちゃん、とうちゃんのあたまどう ....
そろそろと気配が生まれてくる
(春の音 春の音)
さらさあさ
今日は曇りのち雨でした
しっとり雨水 雨水
夢でも見ているのでしょ?
ええはい
鈍色の季節にたつ 青く震える幽か ....
おばかな王様
王冠載っけて歩いては
ぼくの帽子はどこ?
と訊いてまわる
あなたの帽子など
ありませんよ
おばかな王様
王冠取って歩いては
ぼくの頭はいかが?
と訊いてまわる
あ ....
しっかりするのは
むつかしい
世の趨勢など
賽の目次第で
六でりゃ幸福
ほか落伍だよ
六でないなら
禄はなきまま
録にも残らぬ
ロクデナシ
そんな僕らは
ふらついて
....
ありのままの君へ
ありのままの言葉を・・・
ありのままの君へ
ありのままの想いを・・・
ありのままの君へ
ありのままの僕から・・・
....
なんでそんなにトゲトゲしてんのさ?
何種類もの鋭いナイフに全身を守られた君は
まるで追い詰められたハリネズミ
痛くないよ 肉を切り裂くナイフなんか
僕が辛そうなのは別の理由
流れてく真っ ....
バナナをはんぶんずつ食べて
癒されようね
その程度でいいんだったら
いくらでも
とげ屋に行った
店には色彩のきれいなとげや
いい匂いのするとげが並べられていた
地味目で自分によく似たものを買うことにしたが
名前はどこか似てない感じだった
店を出ると
空は漫然と ....
ガタン ゴトン ガタン ゴトン
ガタン ゴトン ガタン ゴトン
一両編成の小さなトロッコ列車が
蒸気を噴出し、電線の上を走っています
ガタン ゴトン ガタン ゴトン
ガタン ゴトン ....
両目をとじて
庭に向かってぶん投げた
ぼくの目玉は見ていた
シートの上で上手にウェイトを
↑↓させているノーヘルの男を
ポストなかに
→←が届けられたことを
しっかりと見ていた
....
女の子が
耳に当てています。
女の子が
スルメイカを
耳に当てています。
静かに目を閉じて
女の子が
スルメイカを
耳に当てて
音を聴 ....
何度も書き消した事で、汚れていた紙の上に
ペンが刺さっている。
「近づく事なかれ!」
「進入許さず!」
案山子のように見守るつもりで?
見守られているというのに―。
猫が買い物をしている
カラカラと買い物籠を押して
猫が踊りを踊っている
シルクハットをかぶり、軽快なタップを踏んでいる
猫が宙返りをしている
フニャフニャと空中で形を変えながら
....
生きものは鳴き
瞳はわずらわしく
感情は押し寄せる
帰路と無と天使の欲
魂の上の水しぶき
誰もいない冷たさをもとめて
白い光へと腕をひらく
首に残る ....
平たい曼珠沙華をむしる猫のような顔したお人形は、一酸化炭素中毒のサソリを頭からむしゃむしゃと囓る輩が6文銭を失うのがご定法の殺陣に囲まれ棚引いてゆく夕日の中でひっくり返った日々の機微だんごをむしゃむ ....
皮肉なことに
ここ最近で一番肌の調子がいい
あのあと初めて
まともにつくった食事は
美味しくて残せなかった
まだなにも終わっていないのだと
思い知らされた
一足・・・ひとあし
踏みしめるたびに伸びてゆく首
始めは窓枠の真ん中くらいに頭があって
窓はきっちりと閉められているのに
窓の鍵は開いている
外は雨がいまにも降りそう・・・
まぶしい ....
隣の家の老婆の大切にしている
猫が朝方亡くなりました
老婆はずっと泣いています
別に僕には関係ないと
階段を響かせ学校に出かける
電車を待つホームで朝の出来事を考える
お婆さんは大切な ....
たまに欲しくなるんだ
何もない暗闇
狂ってしまうんじゃないかって位のね
その中たった一つだけの音楽
他は何もいらないんだ
一つだけでいいんだよ
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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