ばらばらと歩いていると
ばらばら
というこの擬態語は
この場合使えるのかどうか
複数ではなかったが
(そのつもりだったが)
個人的にある程度ばらばらと
歩いているつもりだったが
....
滑落し、転がり、露出した幾つもの岩石に研磨されながら、激突し、砕かれ、折れ、失い、果てしない距離を、途方もない時間を、次第に確固たる死へと導かれてゆく、ただの夜に迎える感情のおおよそにはそんなビジョン ....
分からなくなってしまった。
わからなくなってしまったままで明日も生きていかなければならない重圧に耐えながら明日を生きることがわかりきったなかで今日を終えることがわかりきっているなかで明日を迎える
....
導火線をちらつかせた犬歯
はてしない蒼は向日葵に覆われ
希望に呑まれる
霹靂
どこまでも空をわたり
たとえ
海と絆いでしまえば 茎は
谷と裂いてしまえれば 枝は
踏み入れた
一鈴は、 ....
日々がどよめいている
宇宙が波打っている
『遠い遠い』と手を振る君
)何かが湧き起こり
)何かが爆発して
)すべてが終わり
)すべてが始まろうとしている
)名状しがたい何物かが流動し ....
もう来年の夏物で賑わって
いるんだろうなあ
ほらっ、ファッション業界は
サイクルが早いから
と言ったら
「それはパリコレ・・・」と
若いオネエチャンから
寒々しいツッコミが入った
....
思いつかない時
どう考えても
全く思いつかない時
ありますよ、そりゃ。
あるでしょうよ、そりゃ。
それでも
ありますよ。
粘りに粘れば
うっすらとそう
見えていなかっ ....
拝啓と書く
敬具で〆る
小学生のとき
電話とメールというメディアの違いを考えよ、という課題があった
今はもう、そのどれもがふるい
既読がつき、いいねがあり
三分の空隙にすら意味がうまれ ....
{引用=換気}
現実は醒めない夢
一生いぶかしみ
出口を模索する
後ろで窓が開く
気配だけが淡く恋
{引用=かくれんぼ}
風もないのにブランコが揺れた
瞳の奥の赤錆 ....
過去の心世界を
駆け抜けていった人たち
今の心世界に棲み着いている人
この世の華は束の間
それを惜しむ心は切ない
何となく晴れた空
何となく流れていく雲
千切れ千切れ千切 ....
五十四歳で友人女性が亡くなった
新型コロナの影響で
家族葬で済ませ香典も郵送した
最期の別れをしたいから
四十九日を迎える前に
もう一度会いたいと思っていたら
昨晩夢枕に立った
バス ....
燃える 眠りのなかで
すうすうと 静かに
ひかっている あなたの
寝息をかぞえて
数えて 数えて
その数の
ひとつ ひとつが
ことりと胸に収まるたび
酸素が 血をゆく
心 ....
肌色の肌が
疼くこんな夜は
月の光が輝く
いつもにはない
強さに喉の奥の方が
疼くこんな夜は
雄叫びの一つも
あげたくなるのを
抑えようと必死になって
四つん這いになって
のたうち ....
先ず、花鳥風月から
離れなさい
そんなもん
今の日本では紛いもんの
張りぼてです
張りぼてで癒された気になっているのは
単なる逃避です
逃げるのを止めなさい
クソみたいな
自分を ....
がむしゃらに夢を追いかけるのも
少ししんどくなってきた
夢を諦めたわけじゃないけど
ここらでちょっと一休みするのも
いいかもしれない
必須アミノ酸の不足を
インスタ ....
今日は
グリストラップ清掃の日だ
つまりは排水溝清掃の日だ
すなわちドブ掃除の日だ
蓋を開ければ地獄の窯もかくやだ
うぐぉ 何色というのだこれは
ぐはぁ 何臭というのだこ ....
転ぶのを恐れて
歩き出さない赤ん坊が
膝を擦りむいた
初めて声をあげずに泣いたのは
きっとその時だった
私が死のうとした理由をたどって
行きついた先の自分
我慢さえあれば
....
まだ何もないわたりどり
唇が走って道路をこぐ
壊れてもいないのに
豚には嗅げなかった線
それを今年はよくばる
雨と立ちながら
もう任せた梯子の六者
金が全てとお前は鳴くが
銭を呉れろとあの娘も啼くが
....
白い死神の背ビレに切り裂かれた
ふかいふかい空の底から
ぽろぽろと
こぼれおちてきたものの正体を
ぼくは
知っている。
それは
まき散らかされる
おびただしい数の安売りの愛だ。
....
雲一つない秋晴れの
きれいな青空が広がっている
だけど青空は
なぜか寂しそうだ
ついさっきまで浮かんでいた
白く高く輝く
美しい雲たちが
あっという間に
風に吹かれて
....
どこかで夕暮れの虫が鳴いている
ある駐輪場にはいくつもの自転車が放置されている
打ち捨てられた自転車のカゴには蔓が絡みついている
ハンドルの接合部、ネジ、チェーンには赤褐色の錆が目立つ
忘 ....
香る。見える。
金木犀と遠く突き抜けるような空
何年経とうが鼻の奥に、目蓋の裏にあるのだから
泣くほどのことでもない。
「思い出す」と書くには頻繁すぎるほど
些細なことが引き金になって
....
八朔が食べたい
いまは季節じゃない
けれどそう思ってしまった
こうなるともう
居ても立ってもいられず
ただただ八朔が食べたい
近所のスーパーにも
コンビニにもデパートにも売ってない
遠 ....
青だ
眩暈するような青空が
地震の翌日に広がって
雄大な弧を描き
流れていくいわし雲
金木犀の大木が
あまやかな匂いを散布して
のどかな秋の日を彩ります
街の機械工場の昼飯時
サ ....
近所のじいちゃんのお葬式があった
自治会長から受付を頼まれたので
引き受けた
ところが故人の親戚で兄弟みたいにしていたじいちゃんの姿が
見えない
おかしいなあ?どうしたんだろう?
と思って ....
スーパーから貰ってきた氷を入れた
砂糖入りのアイスコーヒーを飲みながら
これからの未来について思いを馳せる
日本の食料不足の問題が
深刻な状態にならないことを強く願いながら
食品の値段が上が ....
仕事を終え
帰宅した父は
酒とテレビと新聞で
眠りました
引っ越しの際には
3階への踊り場から
下りていきました
車の運転席に戻ると
静かに ....
嘆く人の呟き
呟きのなかの
きみはきみの
多様を生きる
その眩しさの
一つ眼を閉じ
指に照らすは
その人の見る
行ったことも、きっと行くこともない都会の駅は
そのことばで
ジャックとやらをされたのだという
〈今日の仕事は、楽しみですか。〉
はい、わたしの揚げているこのコロッケが
今 ....
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