昔、人は空を飛ぶ方法を知っていた
両手を広げて羽ばたくことをしなくても
軽々と宙を舞った
渡り鳥のように暖かい場所を求めて飛ぶ
渡り人というのもいたらしい
でも今、人は誰も空を飛 ....
雲の切れ端が
切れたかけらを探しているとき
あなたは人生の岐路にいて
探されている雲のかけらが
右往左往したり
聞き耳を立てたりしているとき
私は人生の岐路 ....
淡い太陽が
黒い淵にゆっくりと沈みゆく
街は刻一刻記号へと分解されながら
地平の方へ徒歩の速度で遠ざかる
立ち尽くしていると
不意に頭上から降りしきるのは
清らかな絶望
清らかな ....
受話器の向こうで
君のすすり泣く声が
聞こえたよ
ぼくは何も声をかけられなかったよ
もう泣かないでくれ
ぼくまでもつられて
泣きそうだよ
大丈夫だよ
僕 ....
きりんさんは
どうして あんなに くびが ながいの?
ぺんぎんさんは
どうして とりなのに おそらを とべないの?
へびさんは
どうして てと あしが ないの?
くじらさんは
....
湯船に浸かる
日付変更線を越える旅
「風呂は命の洗濯」
とは言うけれど
「命の選択」
が正しい
真っ白な天井を眺めて
時折沈んでは息を止める
一人の空間 ....
メダカの学校はこの度、
小川のせせらぎから
電脳街ハイツ投稿詩708号に
引っ越しました
日本語とPCを操る就学前のお子様から
象牙の塔に籠られている
千差万別の年齢層の方 ....
赤と青を混ぜたら
いつか二人で手を繋いで飛んだ
有明けの紫の空になり
青と黄を混ぜたら
いつか二人で脚を絡ませて泳いだ
底無しの緑の森になる
私と君は
天を指す草原、地を ....
男は静かな眼差しだった
椅子に腰掛けていた
眼鏡の中を覗き込むと
男には目が無かった
代わりに水槽があった
水面は微かに波打っていた
魚が数匹泳いでいた
楽しそうではなかった
....
勇者は
落ちている
日差しを片手に翳し
迫り来る闇で
敵の攻撃を防いだ
戦士は
自信というなの
防具をまとい
夢と希望を
力に変えた
魔法使いは
唄の如く
言葉を紡ぎ
....
西日が記憶を泳がせる
夕刻
走る246
たとえば
高架下の隅っこで
あなたと膝を抱えうずくまって
いずれ
ふたりで金の粉になったとしても
私は、私として生きる勇気が
あれば
と、ひ ....
涙よ
涙よ
渇いた心を潤してくれ
汚れた心を清めてくれ
アリの目のように
目の前のことしか
見えないのだ
流れに逆らえず
こんなところにきてしまった
....
いつでもペンを持っていると
なにか訳の分からない事や
知りたい事に出会った時
それを描写してみたり
書き出してみたり
できるので
あなたと人類的にも
ばかばかしい口 ....
七月の雨上がりの午後/ 煮沸されるコンクリート
防水シートが波のようにうねり
ステンレスパラペットで囲われた放課後の屋上/ 脱皮するコンクリート
(目をつむって/ ....
型にはまった言い回しで
誰かが時刻を告げている
競うように流れてくる朝の占いは
いつかどこかで、聞いたことがあるような気がする
十、からゆっくりと順序を数えていくと
決まった場所に電車は来て ....
砂に書いたラブレター
パットブーン
1957年のヒット曲
マツダのオート三輪にも
曲面ガラスが使われだして
戦後も終わったと
みんな感じていた頃の
なんとなく未来が明るく
元気 ....
昼飯を食べようと
台所にいたら
どこかで蝉が鳴いているような
音がした
ファンの軋む音ではないか
モーターの唸る音ではないか
風呂場でゴムホースが蛇口の前で
激しくぶつかり
互いに ....
懐疑的な夜の上を
ひとり、女は行った。
光るものは
上にも下にも見えて
波が寄せるだけ、心が騒ぐ。
足元で魚が幾匹かはねた。
踵が折れて、靴は捨てた。
行きたい場所なぞどこに ....
三分で考えた詩なんて
一秒と持たない
次から次へと電車は来る
それに乗ろうとおおいそがしだ
吉野家とすき家どっちがうまいか なんて
その場しのぎにしたってひどすぎる話題を
ぼくらはずっ ....
彼女は
どんな名前よりも
羽根がほしかった
いつも
風に撫でられる感覚
風をきって、両手がすべりゆく瞬間に
あこがれていた
それでも
わたしは天使のにおいがしないから
真 ....
雨の降る仕事帰りの夜道
傘を差して歩く僕は
年の瀬に冷たい廊下でうつ伏せたまま
亡くなっていたお{ルビ爺=じい}さんの家の前を通り過ぎる
玄関に残る
表札に刻まれたお爺さんの名前 ....
フロントガラスに浮かぶ雨粒は
ちょっとしたお星さまに見える
さーっと拭き取られてしまっても
やあ今日は寒いねと言いながら
僕のところに降り落ちる
ほんの少しの出会い
一瞬のきらめき
....
甘いものを断つ。
昨晩、延々とその鉄の決意を語った君が
どうしてシューなんとかを食べているのだろう
僕が帰ってきたのに平気な顔でおかえりと言う
たった十数時間の間に、鉄は何万度という高 ....
何を言っても
嘘っぱちになっちゃいそうで
僕は
んくんっ と
喉の奥に今 出てきかかった
何か を のみ込んだ
いつか
君がお婆ちゃんになって
僕もお爺ちゃんになった頃
その頃 ....
或るおかしな人生が終わろうとしてい
煙草の火がさっきから
わたしは震えながら手で三角形を作り
とおしてみた街路の人影を噛み殺す
ちぎれた紙切れに書いておいた「ありがとう」の ....
木の葉踊る
お日さまが割れて
少しずつ、欠片がつもった
吹き散らす風は
音もなくこの路を滑って、遠い天を仰ぐ
銀の翅 開いたら秘密が洩れるよ
注意して。
繋がった全てが、消える前 ....
君と私とのあいだに
春の花を咲かせよう
おひさまではなく
笑顔で咲く
たんぽぽを
はるか
はるか雲の頂上に
あの時 みつけた宝物
未だに取りに行けていない
でもキラリ
今でも光ってる
あの時の雲ではないのに
同じ雲などめぐり来ないのに
....
負け犬だとか
勝ち犬だとか
よくわからないけれど
吠えなくなった
時点で
終わりなような
気がするから
いくらだって
遠吠えしてやる。
小さい頃は
ヒーローに
憧れてた
スペシウム光線とか
出せないけど
大事にするよって
視線は
たくさんあげる
一人分だけの
ニューヒーローに
なりたい。
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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