ポチ
あたしに名前をちょうだい
できるだけ覚えやすい
あたしの名前は
とうの昔に
風に飛ばされてしまった
決して飛ばされることのない
首輪のついた名前を
それは
....
駅前でやってる
アンケートに答えてしまったり
スーパーのいらないキャンペーン商品を
買わされる羽目に何度もなるのは
ひとえに ぼくの八方美人と
風船好きのユキのせいだった
店先に並 ....
葡萄の房にぶらさがった
闇屋の紙魚商
食らえや食らえ
実のうそぶく方へ
甘い葡萄の滴る方へ
こっちじゃ
あっちじゃ
えんやこら
しょうかね
だいかね
ほ ....
―――― 静かな風が吹き始めます。
感情は涙のようにあふれ、
バラの花びらは、
ぼくらをどこか知らない遠くへと誘うだろう。
ようやくちいさな春がやってきた。
ようやくちいさな春はやってき ....
西日の頃には
空は白く霞んでいたらしくて
滲んだ街の、ビルから生える空の景色を
ふうわりと、抜けたくて
前後左右、サングラスの目線で
せわしなく行き過ぎる人たちからは
あの強い、レモンの匂 ....
最近髪が伸びましたので
結ぶことにした訳は
風が吹きますと
折角の春の香りが
あなた様に見せるその前に
遠くへと
飛んで行ってしまいそうに
感じるからでございます
よく見ますと
....
(喪失の物語)
一人きりで出かけることのないよう
常に用意周到に手筈を整えていたのに
この日に限って
使える者はだ ....
なりむきさんど
はせさんず
からかみとおす
よはあけたまふ
ややこのねぶめ
すすたりし
むめうるあかし
みなもれむ
あけむじこきゆ
えめおわせ
....
ただ あなたの存在に
深い感謝をささげたい
驚きと歓び 誠実と信頼 そして
愛という穏やかな奇跡のなかで
純粋な感嘆というものを
数え挙げている
つややかに蒼穹を視る
ことのは ....
眠れずに
空を見上げ
届くことない筈の
星を掴んだ気がした
ご覧なさい
桜の花が満開じゃないの
ねえ
ご覧なさい
誰もが浮かれて
踊るように笑っているじゃないの
ねえ
花見だか何だか知らないけれど
生きている人って
気楽なものじゃない ....
あの手紙を
風に託したのは
去年の秋のこと
あのとき流した
涙の理由
忘れたふりして
送った月日の重たさも
体の一部にしたけれど
それも性分なんだと
開き直れば
今、吹く風の行 ....
一昨日
夕食を待ちきれず
ピーナツをひと袋
ぼりぼりたいらげたら
腹をくだした
昨日
{ルビ無精髭=ぶしょうひげ}を{ルビ剃=そ}り忘れたまま出勤し
一日青白い顔で吐き気をこら ....
麦茶が漏洩している
いっぱいやってくる客のために
数個のコップと
数個のヤカンを
用意している途中であった
それ は確かに漏れている。
術を唱えることもできたが
ごそごそと口を動かす ....
神様が創られた
この世で いちばん ちいさな
ガラス細工
たまねぎパリリ
皮をむいて刻みます
おきまりで涙が出ます
ついでにすこし
泣いてみます
じゃがいもクリリ
むいていきます
船乗りになった気分で
いくらでも
樽イッパイ ....
弱さについて
溺と死と弱の近さについて
もう十二分に知ったはずだ
まだ日が改まらぬ宙空の笑いと
睡眠のない子供たちについて
まばたきと生物学と水かきとエラしか論ずることがで ....
午後の日差しに翻る白いスカート
柔らかな髪
思えばあれは初戀だった
名前も知らぬ年上の彼女
消え入りそうな細い躯を
ただ目で追っていた
古い映画を観て、ふと思い出す
もう顔すら ....
今何をして
何を考えて
何を想っていますか?
今まで何を見て
何を経験して
何を得ましたか?
大好きなあなたの事を
少しでも知りたいのです
心にはなな色の種
宝箱へしまわずに
とびきりのお花を
蒼い哀しみひとつひらき
怒りの紅ふたつ咲き誇る
ピンクな喜びみっつ綻び
美味な黄色蒲公英よっつ
今日に爛れた橙いろ五 ....
ノックの音がした
開けるべき扉が無いので
少女は熱のように
野原を走り続ける
発汗を繰り返した後
最近覚え始めた文字に似せて
自分の名を地面に書いた
海の近くに住んでいると
ま ....
団地の掲示板に
吊り下げられたままの
忘れ物の手袋
歩道に
転がったままの
棄てられた長靴
{ルビ棚=たな}に放りこまれたまま
ガラスケースの中に座っている
うす汚れた ....
私は酔ふ
私は私を酔ふ
私は月を酔ふ
猫は私を酔ふ
私は本を酔ふ
夜は私を酔ふ
私は恋を酔ふ
あなたは私を酔ふ
私は酔ひそのものであり
酔ひは私そのものであり
夢は私を ....
{ルビ朱=あか}くて小さなさかなの
息のように
そっと触れた
てのひらから
あなたを呼吸する
ほんの少し
の温もりが意識を
わたしに繋ぎ止め
る、わたしの体温
....
トリノオリンピックが終わった
日本は頑張った
最後まであきらめずに
でもメダルは
荒川選手の金一つだけ
でもぼくは思った
銀は金より良いと書いて
銀
銅 ....
胎児に似たその耳は
いつまでも
うずくまったままで
大人しく
聞いている
純粋なんだね
だからだろう
言葉という言葉すべてを
ご丁寧に外耳の
柔らかな軟 ....
声がする
そこに
手をささげる
声がする
うつくしい声
うつくしい瞳
うつくしい日
プラネット・ラダー12番地へようこそ
新しい入居者の方ですね
本アパートの管理人です
お部屋まで見送りと
各部屋のご案内をさせて頂きます
こちらへどうぞ
廊下入りまして直ぐ手前から ....
ヴァンダレイは5kgでヤヴァい子
簾舞雲子かるで〜ら
となんか下血が止まらない
止めてよっ!!
よしそんなのニコニコしてモグモグ
額が割れるの我慢して
我慢できない
我慢して
我慢でき ....
その一つも正論を吐けない
への字をした唇の形が好き
その誰も傷つけない
卑屈な被害者意識も好き
何になる何処に行くって
何も生み出さない
欠陥品の考え方も大好き
アセッてばっ ....
5330 5331 5332 5333 5334 5335 5336 5337 5338 5339 5340 5341 5342 5343 5344 5345 5346 5347 5348 5349 5350 5351 5352 5353 5354 5355 5356 5357 5358 5359 5360 5361 5362 5363 5364 5365 5366 5367 5368 5369 5370
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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