地球上に私の居場所はない
でも居場所くらい自分でつくれると思った
でかい大陸は無理だったが
ちいさな島をつくるのはそんなに難しくなかった
島をつくったとたん流人たちがやってきた
できたて ....
何が残っていただろうかとポケットをひっくり返す
というのは私の好きな詩人がすでにやったことの二番煎じなので
これはまずいと思い
何が残っていただろうかと自分を裏返す
粘膜
血液
脳漿
....
霊魂のような声が聴きたい
身をよじらせるだけで震えるだけのこの小さな存在を
昇華して光は色になるのだ。
ただ奇妙に笑う君の夢をみた
君の小さな手を握る夢だ
齧られてしまったキャベツの行方は
前向きに決定されているらしい
後ろはそっちで
前はこっち、と
確認しあうふたりの指先はばらばらで
溶けそうな春先なのに
震える言葉がよく、似合ってしまう
....
響いては消える鐘の音のように流れる時間と人の群れ
咲いた花も枯れ果てて散っていく 街の景色も昨日と違う
流動していく空気と秒針 止まらん流れに逆らえず
風に飛び散る塵のように果てていく姿は儚き事 ....
花はそのままで美しい
草木もそのままで美しい
根も葉も茎も枝も美しい
葉が還る土も美しい
あれらは光の受け手である
ケイソウはそのままで美しい
渦鞭毛藻類もそのままで美しい ....
向かい風が強く
帰路を遮っていた
ネクタイに残る斑点
三月に降る雪はいつもより
駆け足に融けていくようだ
見上げた街頭が染める
閉じ行く季節の徒花は
移ろう時に逆らいながら
自 ....
風車が
巨きな時計のようだ
三つの針を吹雪にまかせて
早回しで、ゆっくりとまわる
うなっているのは
雪を孕んで吹く北風
だろうか
誘導電流を生み出すコイルの声
それとも
ただの ....
なかなかにして勘のいい
うつらうつらと縁側で
まるくまとまり大あくび
鶯の鳴くのよりも早く
キミは春を見つけたのですね
陽射しがポカポカ
昼下がり
暗いはずのその部屋は
細い光の糸で織られた薄い布で包まれていた
あるいは深い海の底から はるか上方の水面の瞬きに 憧れるように
その部屋で静かに息をしているのは 私の家族たち
そ ....
戦争に行きたいと
妹は泣いた
誰かを殺めたくて
仕方ないと言った
兄ちゃんを殺していいから
お前は戦争に行くな
と宥めて
固い指切りをし合って
その日は一緒に寝た
明くる日
妹 ....
私のいうあなたが、いつもあなたであってほしいのですが、
私のいうあなたは、たまにあなたではないあなたになり、
私はいつかまた、帯状疱疹になるかもしれません、
そのときに私は、あなたを頼り ....
あなたの寝息に欲情する夜
疼痛のようなそれを抱えたまま
来る春を想う
開け放した窓のカーテンを揺らし,
夜光虫の群れが舞う
季節外れの風鈴が
時を支配する観覧車の軋みのように
静かに叫ぶ ....
まあるい塊を君の目の中に押し込んでみる
それは僕自身じゃなくて良い
僕が好きなものでいっぱいの塊で良い
とても純白に見えたものは
ただイラだちの対象ではなかったのだろうかと思うぐらいの ....
何時も意気込んで失敗する私だから
誰に何を期待されて求められても、
自分の歩行ペースで歩けば、人とどれだけ遅れても
成功はしなくても、失敗もしないんだ。
そしてなにかを得る事が出来るんだ。
....
大気中の酸素濃度が高いと生きてはいけないように
世の中が綺麗過ぎると、人はきっと生きてはゆけなくて。
少しだけ汚れている方が 生きてゆけるんだ。
透き通った水のようには なれないんだ。
*
ぞうは はなが。
なんでなんっ??
ふつう せめて くちびるでいくやろお??
でも ぞうは はな。
*
きりんは あしとくび。
あしがさきのびて
まだ た ....
書けなかった詩の断片が
ちぎれた草になって
風に舞っている
いのちは永すぎる未完
死してなお
始まりにさえたどりつけない 未完
私の夜はいつもと同じ旋律を
内側の街路にまきち ....
アリシエール
私に声はない
ここから動けもしない
空っぽの体の中心に
それでも心は一人前に持ち合わせてる
アリシエール
私は綺麗な淡い色のスカートを
ひらひらとなびかせる ....
魚ロボットはプランクトンを食べない
魚なのに泳ぎは下手でぎこちない
魚なのに焼いて食べることもできない
海に還ったり旅立ったり
うろこを煌かせる日も来ない
飾りのエラは呼吸を許すこと ....
ひとり
朝の駅
ぽつり
ひかり
カーテンが優しく包む
私は優しく包みあげられた歌をうたう
細々とした生きる音の息吹
生きていてほしいんだ今日 きみに
幸せのガイドブック、
いくら払えば、くれますか
道に空いた
吹雪の目に立ち
陽の光にとけだす
頬の雪を聴いている
もうひとつの吹雪を引き連れ
列車が鉄路を通り過ぎ
まばらに記号を落としては
路傍の崩れた家々を鳴 ....
子供たちがベットで
夜空も見ないで眠りに付くころ
涙がポロポロ
付かれきった大人たちが
夜空も見ないでうつむいているころ
涙がポロポロ
愛したり
愛されたり
別れたり
出 ....
カミキリムシに噛み切られている
僕は薄い紙になっていて
手も足も出せない
手足が出たところで
噛み切られるだけだけれども
昨日までの厚みは
どこに行ってしまったのだろう
でき ....
空腹と淋しさがごっちゃになって
肉まんは僕の友達です
105円という値段に親近感を覚えて
肉まんは僕の友達です
周りのみんながよろしくやって自分だけが冴えなくて
肉まんは僕の友達です
冬の ....
最近
僕らの会話の間には
「確定申告」という言葉が良く出てくる
娘は
そんな僕らの会話を聞いていて
いきなり
「かくていしんこくってなーに?」
なんて聞いてきた
僕は ....
あなたの姿を まぶたの裏側に
赤い 糸 で繋ぎとめ
下の名前を そっと 呟いてみる
あなたへの 気持ちを 確めたところで
ぬかるむ春の気配に取り残された針金細工
忘れ ....
私はつかまえた。それからほっぽらかしにして
待つ事に↓死ぬまで鉄仮面をかぶり続ける男に
まつわる詩を。
どれくらい経ったのだろうか。すでに
男は餓死していたが、小脇には たった今
帰還し ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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