君に遠くの
ずっと遠くの
汚れて捨てられた森の
だれも知らない泉におよぐ
毒のカエルの瞳に写った
星の光を
暗い森の奥の
白い足を汚す
泥の上を歩く代わり
パンを踏んだ娘は
....
あの3時の鐘がなって
ふたりがくちづけたら
わたしの胸が鳴って ブーケをもらった
ひとりきりになっても泣いたりしちゃダメと
姉は目を潤ませ 私に言ってきた
それからいそがしく
ママとハ ....
ボロ布しか
残らぬものを
愛と呼ぶ
あなたのすべて
奪い去る
悲しい人でも
愛せるかい
愛する人が
乞食に落ちて
みすぼらしくても
愛せるかい
光る涙の美しさ
人 ....
それによって夜明けはやって来る。
ほとんど愛おしいと言うべき郷愁の色を帯びた衝撃を伴って
今日もやって来る。三千世界の向こうから。
正しく傾いている背景、
快復したと思っていた ....
この表紙はグロ指定にすべきです
彼の言い分はこうだ
六本木ヒルズの真ん中で
一声で千人を呼ぶ国定忠治
万能葱もなつかしい時期に叫ぶ
カモの代わりにアヒルだ!
寝小便<よばあ& ....
男は速度を
なくした
それは
止まる
ことだった
男は欲した
口に言葉
手に文字
そして
生きた
自治区
と呼ばれる
区域の
辺境の村で
男が再び速度を
手に入れたと ....
はしっこの村にはな
働きもんのじさまと
ばさまが住んでいた
お日さまよりも早起きで
毎日、一汁一菜の粗食
いろり端にはやかんが
チンチンと湯気を上げ
窓辺には四季折々の彩 ....
ぐんにゃり ぽっぽ
雪の草原を 女は
赤い着物着て
歩いたのだ
ちらほら雪は降ったのだ
女は倒れて
吐いたのだ
赤い血を
青白い空が覆いかぶさる
女は血を指先でなぞりながら言った ....
プラットホームの青いベンチの背もたれには
落書きをこすり消したような跡があります
飴玉を失くした包み紙には
ミルクという文字があります
先頭車両の風に振り返るも、風ばかり
最 ....
えらくでっかいカブトムシが
ズボンの中を這っている。
角は窮屈そうに柔らかく折れ
鋭角さに欠けてしまっている。
その姿を見た近所の子供は
こんなのカブトムシじゃない
といって、私のズボンを ....
溺れぬ浮輪に乱数率を掛けて
ガストン・ブルターニュの旋律で踊る
君の心にはカンディードの祈りがよく似合うよ。
ブエナ・ビスタの鼻先を掠める銃弾に
ヒヤリとするマイ・ロードは姫の
お気に入りの ....
僕の小さな手が描く
題名のない人物
白い肩に青い髪
瞳の色は透明
絵を描いて数年になる
画家と言うほど立派ではないが
それだけで食べていける
小さな部屋の片隅
布を被された絵が ....
春 の 優しい光でも
わたしには 強すぎる
どんなに やわらかな光でも
その傍らに
影 を さすから
朝起きたら
しっぽがはえていた
慌ててひっぱって
ひっこ抜こうとしたけれど
しっぽはするりとまるまるだけ
かつて人がサルだった頃
当たり前にあったのだろうしっぽは
い ....
バターロールはしっとり系が好き
工場メイドが好き
ぱくぱく
ぱくぱく
食べていると
脂肪が体中に
行き渡るようだ
春の雪の中
上を向いて
バターロールを食べよう
あなたが来たら
....
地獄が怖いよう、お母さん
地獄が怖いよう、お父さん
クモの糸を手繰り寄せ
優しい繭を作る
おまえたちを守ってみせるから
必ず守るからと誓いながら
両親は老いてしまった
がっくりと肩を ....
全国の学生が巻き込まれた
受験戦争は終戦した
人それぞれ勝利したものもいるし
敗戦したものもいる
ぼくは最大の敵
志望校に全力で戦った
だが結果は粉々にさせられ
....
はっとする。
突然眼の前の道がぼやけるんだ。
遠く先まで道を照らしていた光りが
一瞬何かに遮断されたように弱まるんだ。
トンネルに入った瞬間
視界が暗闇にうばわれるだろ?
まさにあの感 ....
あなたの傷を数えてあげる
あなたの傷を数えてあげる
いつ傷つけられた
どこで傷つけられた
誰に傷つけられた
あなたの傷を数えてあげる
同じだから
なんとなくわかるよ
....
どうも、初めまして
そういって差し出された名刺には
川田、と書かれていて
その時少し気になることがあったが
構わず私も名刺を渡した
彼は私の名刺を一瞥してから
スーツのポケットにしまい
....
夜が 明ける
空には 厚い雲
満ちた潮は
海面を押し上げ
目の前に迫ってくる
魂が 振動する
青灰色の空気
水墨画のように
空と山、
海を区切るラ ....
想いを残したい、と
言葉を紙きれに書いては
それを二つ折りにする
こうすればいつまでも色褪せない気がするでしょ
とかわいらしく笑うと
今日も君は紙を折るものだから
机の上はいつも君の想いが ....
新しく始まるための時計の
その呼吸を練習している
一つのことが、大きすぎても
それでも朝は生まれてしまうので
一新される心音を、他人事のように聞いてしまう
どこで区切っても
省略できな ....
五つの星は夜生まれた
けれどその話はまた今度
青い とつぶやくと
その唇の形から魚だった時代のことが思い出される
泡は真珠とまんまるな月との間に生まれた
苦しくなって止めてしまう
....
鬱がカビの様に
体じゅうを侵食してゆく
涙にならない悲しみが
怪獣のような唸り声となり
僕を壊していく
鬱の濃度が上がってゆく
血液中に 尿の中に
汗の中にも ....
それは儚い夢なのかもしれない
自分は何の変哲もないアベレージ人間だろう
いやそんなレベルにも達っしていないのかもしれない
でも夢中になれるものが確かにあるんだ
あと1ヶ月したら全て消えてい ....
(喪失の物語)
彼女の胸には心臓がなく
代わりに小さな箱が埋まっていて
願いを唱えながら手を入れると
どんなもので ....
夜のなかで ぼくらは 目覚め
目覚めた ぼくらの なかで
夜は 目覚める
夜のなかで ぼくらは
存在するものの 確かさを
はじめて 知る
ぼくらが 知ることで
存在するものに
....
朝焼けに燃え尽くされて 空
「熱を帯びたから、私行くわ。」
そう言うと 彼女の全身から
冷たい汗が吹き出したのだった。
憶えているのは 丸い尻
しっとりと 揉んだ
憶えているの ....
非線の階段上がるとき
見えない飛行機
飛んできて
風の無い
暗い夜空を横切った
夏の朝
ビニール傘の花火師が
吊り天井にぶら下がり
雨乞いの真似をする
一天にわかにかき曇り
....
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