風は,
記憶に乗って吹きすさぶ
寒空であれば,あるほどに
記憶だけを頼りに
吹きすさぶのだ
星々の瞬く
張り詰めた夜の中
かつて海であった場所や
切り崩された山の頂を
手探りで渡 ....
青を返してほしい
そんなふうに君の冬が終わる
言葉や言葉で、足りないものを補おうとすると
真ん中のあたりで呼吸が足りなくなって
いつも空っぽになる風に
くるくると回転してしまう
帰 ....
斜めに見る丘を独り占めしたくない
膨らみすぎた風船で押し出された奴等だけ
クジラの群れへ戻して
手のひらが足りなくても
登山する子らには
一つ上の倍率の 脇の下で足りるはず
す ....
うたをうたう さよならのうた
少女がうたうさよならは
やがて風になる
吹き抜けては行くけれど
誰にもうたは聴こえない
今日もうたう少女はさよならを履いて
終わりに流れついた誰かのもとで
....
シャワーを浴びる 鼻歌がとびだす ホイップクリームみたいな石鹸の泡 全身を包む おいしいイチゴのケーキみたい かみそりを曲線に這わせる 丁寧に洗いながした後 エジプト製バスタオルで拭く きれいさ ....
オレはいつでも檻の中で独り言
ライオン
ゴリラ
トラに
マントヒヒ
ほかの動物はどうでもいい
「だだだだだだっと走りたいです
だだだだだズバンっと ....
ヘイヨー
ハイヨー
何を悩んでいるんだい?
今日は生姜焼き
お前の旦那はそれが好き
そして何気にキレイ好き
ヘイヨー
ハイヨー
俺はチェキ
俺はチェキ
チェキランチョンマット
汚 ....
ふわりと柔らかな木地に
サックリとナイフを通して
微笑む君の目の前に
切り分けた木地を差し出して
キラキラのスプーンに乗せて
そっと口に運んであげよう
交互に頬張りながら
口に広がる ....
線香花火のような
うるんだ夕陽を眺めては
あなたのことを想います。
行こうと思った花火も
帰りの食事もお泊り会も、
ささやかながらの京都旅行も
今じゃ誘えず ....
キミとよく桜を見ていたね。
キミの大好きな桜並木を今は一人で歩いているよ。
風が吹いて
たくさんの花びらが舞い落ちるよ
ひらひらひら
ボクの頬をなでて
髪を滑り落ち ....
まな板に寝かせられている私を想像する
きっと私の涙は美味しくない
だから泣かない
黒潮市場のマグロは解体ショーにて解体される
私はそうならなかった
ただあっさりと包丁を体に入れられる
....
求めていたんだ
君を
飢えていたんだ
愛に
笑って欲しかったんだ
ただ
君に
いつでも ひとりっきりで
同時に沢山のものとつながっている
あっちがいいわけでも
こっちがいいわけでもなく
ただ違う
それだけ
わかっていても
わからなくても
仲良くやってゆこ ....
坂を目指して
三輪バイクを引っ張っている
青い空
雲がまばらに浮かんでる
住宅街
植木が多い
どこにいるのかわからない
坂が見つからない
この街は
曲がりくねった短い坂 ....
欲しかった物がひとつ
縁日で買ったラムネ瓶の中で
からから回るビー玉
何度も取り出そうとしたけれど
出来る筈もなく
ただ瓶を透かし見ては
溜め息一つ
割ってしまえば手に入るのに
....
君との思い出が僕を刺し
喜びは憂いに変わり始める
それでも思い出を大切にしている
一夜一夜に大切な日が近づいて
君との別れも目と鼻の先
手を伸ばせばその日に触れる
足を急がせばその日に ....
ねこがにわすみでうかがっている
おいらのこころもうかがっている
いぬが犬小屋でほえている
おいらのこころもほえている
はるのあらしが狂気するなかで
いたいけなはなびらはさま ....
要するにアレだ、
国際紛争を解決する手段として
大喜利をやるってのはどうだ?
雨がときどき
なつかしい人をつれてくる
いえなかったことば
雨のリズムがとだえる
「つたわったよ」
なつかしい人がうなずくのが
わかって
泣ける
雨がときどき
すごさなかった日を ....
カマキリは臆病者 子供に踏み潰される姿を観た
三角形の顔をキョロキョロと動かして 自分が殺せる獲物を探す
紋白蝶など最高だ 日本刀のその手で引き裂き 貪る
見てみろよ まるで金を毟り取る日本 ....
誰から声をかけられるでもなく
彼は{ルビ日陰=ひかげ}を静かに歩む
足元に人知れずなびく草の囁きを聞きながら
上というわけでも
下というわけでもなく
{ルビ只=ただ} 彼は彼と ....
私は足場の固まった
真新しいベランダに立っている
腐りかけた古い木の板を{ルビ軋=きし}ませて立っていた時
私は世界の姿をありのままに{ルビ見渡=みわた}すことができなかった
今 ....
あのレストランの前を通り過ぎるといつも
寂しげな人影が窓の向こうに立っている
何年も前、飲み会を終えた夜
あなたはいつまでも電車を降りず
家路に着こうとしていた私は仕方なく
....
君の作品は 抜け殻だね
まるで
かぐや姫が自分で頼んで
届けられた贈り物に
何一つ心ひらかない趣きだ
わたし両親亡くして
おじいさんおばあさんの元 ....
本当に欲しかったものはたったひとつで
それを得ても失う日が来ることを知っていた
与えられた人形を身代わりに
仕事に旅立っていった背を見送り
暗いやけに広い静かな夜の果てに
何か光があると ....
クロスした横断歩道の
ちょうど真ん中で
僕は歌を歌い続けた
誰にも聞かれずに
無視と軽蔑を繰り返されて
僕の存在は
人間として否定され続けていた
何のために歌 ....
遅い午後のコーヒー
ざわめきの中でBGMのゆったりとしたパーカッション
泡のような思考が
とぎれとぎれに湧き上がってくる
孤独で身軽なつぶやき
シャワーの後のバスタオルに包まれる ....
私鉄沿線のダイヤに則り
急行列車が次々と駅を飛ばして先を急く
通路を挟んだ窓を
横に流れるフィルムに見立て
過ぎた日を思えば
思わぬ駅で乗り降りをしたわたしが映る
網棚に上着を ....
お昼。ランチタイムでごった返すコンビニを出て
二車線の道路。向こうからきた白い車は、低く構えて
まるで動物か何かのようだった。獲物を狙う。
クラウチング・スタート。
不意に。夏の情景が ....
僕は涙の意味を知らない
それは
僕が犬だから
寒い夜を
独り迎えても
僕は涙を流さない
僕は悲しみを知らない
それは
僕が犬だから
満たされてゆく
....
5318 5319 5320 5321 5322 5323 5324 5325 5326 5327 5328 5329 5330 5331 5332 5333 5334 5335 5336 5337 5338 5339 5340 5341 5342 5343 5344 5345 5346 5347 5348 5349 5350 5351 5352 5353 5354 5355 5356 5357 5358
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.45sec.