伸びきった痛みのような影を連れた私は
ポッポッポととぼけた足音を立てて
真昼をへこませながら歩いていた
青色に成り切れない低い空には
子供の頃に想像した太陽があって
色鉛筆のタッチで光が ....
かざぐるま
またきます
するり
りんね
ねんねんころり
狭い場所に隠れて紅色の千代紙 汚す指先
日が暮れたのかどうか 誰にもわからない
落書きまみれの背中 千代紙をかえす
暗い朝にのまれて紅色の千代紙 汚す指先
何が悪いのかなんて 誰にもわから ....
行き先も分からず
街の静けさに寒気を感じた
君と手を繋いでわたった
青い橋は壊されていった
いつもお金のない僕らは
一日の大半を散歩についやし
この青い橋の上で
....
潰えていく芽
親指と人差し指で ひとつひとつ 丁寧に摘む
それが適応だと
呪文のように呟いて
人間を枯らして
死んでいくのは楽しい?
楽しい?
....
音楽が最強の武器なんていったのは誰だっけ
昔はただ耳障りなだけで嫌いだった音楽も
ここ最近は癒しに変わった
いくらか昔よりうまく生きられるようになったのかもね
緩やかな時から
激しく変わる時 ....
枯れすぎると
言われる事はない
息をしている 間も
枯れる事が決っている
咲かないのは
枯れた事ではない
咲かせないのは
枯れさせたいのではない
その花瓶に手折る
瑞々しい花 ....
詩は酒やポルノよりもたちが悪い
人間を本質的に覚醒させてしまふ
人間に感情など芽生えさせるな
夢を見させるな
恋に酔はせるな
詩を味はったばっかりに
楽園を追はれたといふのに
....
去年も
そして
一昨年も
きみらは
ふたり
よりそうように
ここに
咲いていた
去年
そして
一昨年
ぼくらも
ふたり
よりそうように
ここを
歩いていた
今年 ....
兵士たちの流した血で
山肌は赤く濡れている
野良犬の剥き出しの陰茎のように
目眩い輝きを放ちながら
鋼鉄で造られた機械が
鋼鉄で造られた機械を壊してゆく
見ているだけで身震いするほどの ....
すがりついて
大声で泣きわめきたい
背中にはいつも
透明な切っ先が突きつけられていて
ほんの少し
力を加えれば
何の抵抗もなくそれは飲みこまれてゆく
じぶんが望んだから
こうな ....
土の光
空の影
獣のかたち
砂の雲
ゆるい風が作る蝶
水鳥のような
雨をゆく
すべてを乱し
飛びたつもの
湿気の輪と渦
金に現れる赤
刻まれ 燃えあがる
....
風が吹く
目の前に白い綿毛が舞う
足元を見るとタンポポがいっぱい咲いている
腰を屈め綿毛になった花をひとつ摘む
また風が吹く
私の手の中から綿毛が飛び去ろうとする
その綿毛をぐしゃ ....
夜にこだわり
パジャマに星をちりばめる
(宇宙の彼岸と此岸)
闇にとらわれ
....
今日も枕元で目覚ましが興奮してる
やれやれ 起きるから
重い身体と靄のかかった頭
冷えた珈琲を流し込み
身支度整え
8人の敵のいる
扉の向こうへダイビング
....
それは
わるい季節だったのだと
小さすぎる靴に
むりやり押し込んだ足のような気分で
小雨をついて
散歩にでよう
動かない洗濯機のなかの
洗濯物のように
売れ残るテレビショッピン ....
ひとでなしになって とことん堕ちてみたい
いちばん底の どん底の 暗いところから
じぶんがまだ ひとだったころに見ていた
透き通った景色を 見上げてみたい
ひとでなしでさえなくなる そのときま ....
ねずの波間に
抗う術もなく
不規則に浮き沈む夜は
瑠璃のしずく
そっとほどいて
乳白色の束を覚えず
春の浜にまどろむ
理不尽に打ちあげられし
砂にまみれた海藻は
幸か 不幸か ....
何も考えちゃいないあなたを
羨ましいと思うけれど僕はどこかで馬鹿にしている
考えてるふりをし悩むふりをし奇天烈なことを言い
それで生きてるという証拠になるのなら
よし、僕も花屋で煙草を買お ....
いろいろ色のカケラばかり
いいじゃないかもう
無駄なものはたくさんありそうだけど
面倒だから僕は見ません
決めたんです
決めてることがあるんです
心の中に
ずっと決めてること ....
ぼくは詩人
大胆にも謙虚さがあれば
それはそれで
その変化は大きくなる
今日もまた
朝の散歩をしていると
卯の花に出会いました
ここにも夏の訪れ
5枚の花びらを重ね ....
ハナミズキが総苞に
厳しかった冬の名残を残すように
ひとのことばの端々には
生きてきた人生の痕跡を引き摺って
それは醜さの現われでもあり
それはしがらみのようでもある
引き ....
なにかを すべて
ときはなした おとな
なんて ひとりもいない
どこにも いない
だから
わかったような かおして
したりがおの
おとなのことば
きくひつようない
そして ....
雨の中で星を見ていた<それ>が言った
君 君
全部嘘なんだ
エネルギー保存則も光速度不変の原理も
フェルマーの定理もチューリングマシンも
全部僕が考えた嘘だったんだよ
さいです ....
静寂の水面に一石を投ずれば
波紋がゆらり、影が波立つ
月もまた冷ややかな横顔を
一層歪めて泣き笑いする
この橋の名を面影橋と人は呼ぶ
月明かりの下で我が影を
水面に映せば見えるとい ....
恋は落下するものだ
突然上から落ちてくる
だからって
見上げてばかりじゃ首も疲れる
受け取れても
恋は落下するものだ
やがて手からぽんぽろりん
やがて目からぽんぽろりん
恋と一緒 ....
ある者が去り
ある者が来る
それは繰り返し 繰り返し
毎日必ず朝日が昇るように
自然の摂理であって
希望でもあるが
悲しいことでもある
流れることを決し ....
部屋の入り口に傘がかけてある
黒いのと水玉模様の傘
「晴れたから・・・・」
帰って行く君の頬に
朝の光が白かった
今はもう雨の日どころか
台風の季節も過ぎて
....
君は双眼鏡で見えるものだけに手を伸ばした
頭の芯が縺れ本のない図書館のように
視線と物体は空っぽの焦点を結んだ
揺れる木々もなく、鳴く鳥もいなかった
そんな風にしながら沢山の時間を掛けて
僕 ....
羽を捥がれた蝶は
飛べなくなって
身体を花の上に横たえ
蒼い空を眺めている
手を伸ばしても
もうあそこへは戻れない
さっきまで自慢の大きく美しい羽で
蒼に溶け込むように ....
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