噤む蕾は
朱色の予感をいよいよ過密化させ
その内圧の快感に震えついに
耐え切れなくなる黙秘破る色彩という最も濃厚な
ひとつの呼吸を開く
と、既に色彩は、さらさら
さらさらと分解し始 ....
馴れ合えよ
馴れ合えばいい
そんでさ
他人の心なんざ
置き去りにして
知らぬ間に傷つければいい
そーいうのがお好みだから
大抵は気付かないまま
甘えと惰性の中で
切り刻んでいるん ....
傘が僕を置き忘れる。深く。
雨の良き理解者である君は
四季と死期を数えて日暮れ待つ
ふたりして迷い込んだ夏は
手を繋いでいるにも
汗ばんでいるにも
息をしているにも
余 ....
ぼくは都会とも田舎とも言えない辺鄙な場所に生息する
ぼくはそんな街で無表情の人ごみの中に生息する
ぼくはそれに流されているのかも知れない
ぼくは無表情で街を闊歩しているかも知れない
....
両手で耳を大きくすると
レールに乗ってやってくる
それは 子供が並べたりんごの列を
カタカナのように蹴散らしてやってくる
老木に耳を押し当てると
樹液も僕を聞いている
僕は掌にオレンジ ....
ぼくは詩を書きたい
今の季節を感じられるのは
今の自分があるからである
今日もまた
朝の散歩をしていると
夏に出会いました
もう夏
長袖はいらない
歩いているだけ ....
えーとね 虹の厨房の
パンの耳 それから
金色のソネット酒 そして
メインディッシュは
恋人たちの包み焼き
歌うことに飽きて口を閉ざした夕べ
存在を辞めていいだけの理由を 幾つも抱えながら
飲み込んだ望み
囀るように 生きて
くちばしを 閉ざさないで
存在を誇っていいだけの ....
あなたの知らない
闇の中で
私はようやく
脈が戻る
あなたの知ってる
日なたの目は
糸が垂れ下がり
鼓動を打つ
孤独
見えない力で
私たちは微笑み合い
そして泣くんだ ....
春の嵐に桜の散った頃
赤い蕾は静やかに開く
鳥も獣も虫も人もみな
雨を避けて震えている
赤く匂い立つ蕾は
濡れそぼった灰色の
凍えた大気のなかで
....
大きなあくび一つで
僕はまだ見ぬ未来に
真実の輪を一つ問いかけた
散らかった部屋の中で
君への気持ちも散らかっていて
どこに行ったか分からなくなったよ
万華鏡を覗く ....
溶けた雲の合間に
純粋な青色は虹彩にとらわれ
雨粒の音にアスファルトの匂い
葉の埃は落ちきり緑の鏡になってる
片手の本は重くて軽くて
瞼は濡れるような乾くような
遠くの葉音が聞 ....
糸という差を 差という糸
として 縒り合せる度に
摩滅してゆく 響くことを
....
あの子は 静かの森に行ったきり
戻らない
あの子はまだ少女で汚れも知らない
あぁ、ただ戯れてただけ
静かの森は
少女を連れ去ったきり 呼びかけても返事さえない
呼びかけるなら
少 ....
ぼくはこのとびきり静かな部屋で
きみを奏でよう
その旋律が風に乗って
世界中を旅して
花を咲かせますように
きみに出逢いますように
自炊なんかしねぇ
俺の部屋 三角コーナーのスポンジから
俺の生活の血が滴り落ちる
見ず知らずの人刺したのは
後でやっと気づいた
赤目剥いて俺を見つめる信号の赤
....
うたかたの季節
移ろい行く時の雫
ためらいもなく見上げてもいい空
この星に生まれ立って
無数の色を目にして
見渡す限りのとおもろこし畑
その地平線
僕はちっぽけだ ....
彼女の場合
やんなっちゃうな
どんな時でも、君がいるとわかったら
探さずにはいられない
見つけると、
見つめずにはいられない
やんなっちゃうな
....
彼女の場合
ゲーセンで、ハンドルを握ってる
食い入るように画面をにらみつけて、時々、歯をむき出しにする
終わってもまたコインを入れて、ハンドルを離さない
よっぽどそのゲ ....
彼の場合
振り向くかもしれない
前を歩いている、去年、同じクラスだった子
いや、振り向かないかもしれない
歩いてる途中で振り向くコトなんて、ない
追い越せば、そ ....
やいたほねをくったことがある
ざらついたにがみと
のどにひっかかるかんしょくは
それがおとといまで
ねむり おき くって ゆめもみたのだ とは
にわかにしんじがたかった
こどもだったこ ....
■一般に伝承されているのとは逆に、屍体の中にこそ桜が詰まっているのだよ。桜は擬音を立てて崩れて、一枚一枚がデジタルな死を計上する。桜は擬音よりもはやく溢れて、一枚一枚がマルチタスクを証明する。火のない ....
・
大事なものだけを信じる
ただそれだけ
簡単そうなのに
人間には難しい
・
素直に言葉を
受け取れなくて
ごめん
ただ何でもない自分を
認めて欲しいだ ....
ちかごろは豚肉を買ってもその豚の生前の顔写真がついてくる。
顔の整ったものの方がよく売れるのだというウソのような話が新聞に載っていた。
お世辞にもハンサムだとはいえない豚をほおばりながら
こんな ....
夜と衣をまちがえて
午後の星を踏みしいた
小さなしずくは列を知らない
うたはいつもひとりに生まれた
指の色が溶けてはあふれ
紙の道を分けてゆく
紙の色は不義の色
....
おれの腕時計はデジタル表示で
一秒に一回ぴくんと数値を変える、
壁に掛かったアナログ時計も
やはり一秒に一回ぴくんと動く。
二つの時計を横に並べて
その洗練された一心同体ぶりを見ていると
....
補いあおうといってもあまりにかけ離れていた
「 のような人と
」 のような人
二人だけになると
気まずさが笑った
それでもどこか似たもの同士である
「………」
「………」
気づけば ....
冬が終わる頃いつも
喪ったあなたを想い出す
人知れず涙を流す僕
あなたのかけた魔法の中から
いまだに抜け出せずにいます
同じ職場で働いていたあなた
僕はあなたの部署に配属されて
輝い ....
立ち止まって三回まわったらわんと鳴け
出来るだけ高く 遠くまで届くように
誰もが 人生には従順であるべきなんだ きっと
伏し目がちにふらふらしても 突き出た棒に当たるだけ
....
一.
「好き」っていう気持ちは
ある日突然落ちてくる
それに当たってしまったら
もう・・おしまい
どうしようもないの
二.
私に
思わせぶりな態度で
寄り添わないで
も ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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