さつき晴れ
疏水を十石船が波しぶきをあげ
行き来する
子供達は太陽の子
眩しい日差しの中を飛びまわる
一人で佇む伏見港公園
柳が風に揺れている
僕の心のよ ....
――そのことが村人に大へん親しまれもし喜ばれもしておりますぞ。――[ 1949-12-18 ]
彼岸が近い。水面に村の景色を映せるといいと思った。旧い物語は再現できないが、うたかたの映像では、父 ....
退屈なものは誰かに任せて
白い帽子をいつも被った
揺らいだ道は長く、長く
熱のこもった視線は透き通る
揺らぐ陽炎、ここでもきっと
長い呼吸は約束されない
ここに来ない人がいた
待ちぼ ....
近頃の雨は
冷たいけれど とてもあたたかだね
私の胸はざわざわしてる
認めたくないことを 認めてしまった時のように
くらくら、してる
たとえばそうね
綺麗な言葉が知りたいわ
綺麗 ....
午後の太陽を舌でころがしながら
うすく目をあけ
融けてゆく自身を見つめる
けだものは雨を見ない
けだものは雨のなか
血を流している
風がとどまり
何かを描いて ....
たんぽぽ畑の真ん中で
わたしは
しろつめくさの冠を作る
わたしは王女様
けして王妃さまではなく
今日も誰かに傷付けられた
気付かないうちに痣があちこちに
あの瞬間の言葉が蘇って
恐怖に震えている
何が怖いのか判らないというのに
どうして私にあんな事を言うの
凄く苦しくて夜も眠れな ....
あなたはいつか私を忘れる
私を忘れたことさえ忘れてしまうかもしれない
あなたは大きな夢に向かって
羽ばたこうとしている
私には決して使わなかった翼で
さあ
もう行って
さあ
....
振り向かないで昨日には
精一杯のさよならを
君にもつらいことが沢山あった
僕にも苦しいことが沢山あった
二人で片寄せあい泣いたことも
言い合いになって怒鳴ったことも
振り向かな ....
湿気のあがる
風の強さに
飛ばされそうな肩
足を止めて
古いままの 山道にも
じゃりが くだかれてて
こぼれていかないように
角と角の淵に
つま先 入り込ませ
明るい ....
世の中を二つにわけたとして
善と悪の二つにわけたとして
僕の足跡はどちらにカテゴライズされるのだろう
振り向くと行儀よく並んだ足跡が
なんとなく善にみえたり
深く窪ん ....
この小さな幹に
もうすぐ葉が生い茂る
降り注ぐ水に ひろがる大地に 命をもらって
言の葉が生い茂るだろう
愛を伝えるために
きみが風になってしまっても
ぼくらにはまだ時間が流れて
冬にはこごえて
春には微笑み
夏には空を仰ぐ
そしてまた秋がきてきみを思う
風はいつも優しく吹くだろう
....
また 光を 飲んだ
口から 日向が 咲く
およそ 俺達が
唯一 愛せるもの
痛みであることの 現実
慰めが おどろおどろしく
俺達を 愚者へ 換金していく
光は 隙間から こぼれるこ ....
短い雨のあとの空気中で
雷になりきれなかった淋しい子供たちが
火花になってはじけて
それは綺麗な夏の花火のようだった
眠りは疲れた身体を癒して
でも悲しくも
無理やりにも 僕を明日へ連 ....
朝は風がない 夜の風はない
夜明けの漫画喫茶で
泣いている女が一人
エンドレスで流れる楽しい音楽
本棚に溢れる楽しいストーリー
ほら世の中は
楽しいことだらけだ
本当だよ
楽しいことだ ....
明日に続く詩を残したい
風来坊の見る景色を飾り立て
絶え間無く約束をするように
心乏しい日々に明かりを
明日の朝に灯したくて
許されるまで心模様を綴りたい
火の ....
スリルとサスペンスとおっぱい
愛と青春とおっぱい
メシと風呂とおっぱい
戦争と平和とおっぱい
パンとバターとおっぱい
喜びと悲しみとおっぱい
彼と彼女とおっぱい
....
「まだ早い」
その瞬間 誰もが手を握りしめた
第2コーナー
その馬はこらえきれずに前へ出た
からだ中で訴える
もっと前へ
もっと先へ
場内アナウンスが聞こえる
「1,000m 58 ....
緑が目にしみます
僕は
捨てなければならぬものを
いくつも背負い込んでは
その捨て場に
迷っています
そのうえ
次から次へと
捨てたくなってしまうものが
増えてしまい
捨てることも ....
人がまた、遠くからやってきて
自由な姿勢で挨拶を続けている
寒いと言っていたのは、遠い昨日のことで
引き寄せた椅子に浅く座って
遠く、海ばかりを見ている
すすけた額縁から絵を取り外すと
....
おれは歩いていた
いつもどおりの海岸沿いを
おれは歩いていた
いつもどおり美しい海岸沿いを歩いているのにおれは
おれは海が見えなかったちっともおれには
おれには唇 ....
噤む蕾は
朱色の予感をいよいよ過密化させ
その内圧の快感に震えついに
耐え切れなくなる黙秘破る色彩という最も濃厚な
ひとつの呼吸を開く
と、既に色彩は、さらさら
さらさらと分解し始 ....
馴れ合えよ
馴れ合えばいい
そんでさ
他人の心なんざ
置き去りにして
知らぬ間に傷つければいい
そーいうのがお好みだから
大抵は気付かないまま
甘えと惰性の中で
切り刻んでいるん ....
傘が僕を置き忘れる。深く。
雨の良き理解者である君は
四季と死期を数えて日暮れ待つ
ふたりして迷い込んだ夏は
手を繋いでいるにも
汗ばんでいるにも
息をしているにも
余 ....
ぼくは都会とも田舎とも言えない辺鄙な場所に生息する
ぼくはそんな街で無表情の人ごみの中に生息する
ぼくはそれに流されているのかも知れない
ぼくは無表情で街を闊歩しているかも知れない
....
両手で耳を大きくすると
レールに乗ってやってくる
それは 子供が並べたりんごの列を
カタカナのように蹴散らしてやってくる
老木に耳を押し当てると
樹液も僕を聞いている
僕は掌にオレンジ ....
ぼくは詩を書きたい
今の季節を感じられるのは
今の自分があるからである
今日もまた
朝の散歩をしていると
夏に出会いました
もう夏
長袖はいらない
歩いているだけ ....
えーとね 虹の厨房の
パンの耳 それから
金色のソネット酒 そして
メインディッシュは
恋人たちの包み焼き
歌うことに飽きて口を閉ざした夕べ
存在を辞めていいだけの理由を 幾つも抱えながら
飲み込んだ望み
囀るように 生きて
くちばしを 閉ざさないで
存在を誇っていいだけの ....
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