だしぬけに
あなたへ伸ばした腕が
抱きしめ方を知らないことに気付いた
どれだけのやさしさで包めばいい
触れるだけでこんなにもふるえる心なのに
何度も何度も 何人も何人も に
恋をし ....
一日の終わりに
公園でくつろぐ
空気が美味しい
ナラの雑木林
子供のかけ声
鬼ごっこ
白いアジサイ
犬の散歩
夕陽がちらりと見え
カラスが鳴く
チョウが舞う
全てを忘れる ....
打ちひしがれた 女に
睫の 長さに 打たれた
私の 心は
殺される
死とは 半死の
境界線はなく
生は 母胎だ
恋など 冒涜だ
打ちひしがれた 女よ
死を 楽しめ
男達 ....
暗い人をみたら
いつも尊敬しなさい。
父さんはいつもそう言っていた。
南の島へライオンを助けにいったきり、
かえってこなかった父さん。
明るい人がぼくは好きだ。
明るい人はなんてすてき ....
私は一人でバスに乗った。乗客は私だけだった。
バスはバス停のない民家の前で止まった。庭先から、
喪服を着た大勢の人達が車内に乗り込んできた。
そして皆一様に、最後部に座っていた私の前に来ると
....
一面緑の草原に囲まれていた、人気のない路上で私は
太っちょの男と一緒に、真っ白な車のボンネットを
ぐいぐい押している。それを車内から美しい娘が見ている。
心配そうとも申し訳なさそうとも、そして ....
私の祖父は今年で八十半ばになった
少しは名の知れた人物だったが今は違う
痴呆を伴い記憶が錯乱している
{引用=
記憶とは大きな水溜りであり
{ルビ情報=いきること}は雨の様に降り続く中を ....
雨が降っている
傘は
持っていない
濡れれば冷たかろう
止むのを待ってみようか
雨が降っている
傘は
持っていない
濡れれば冷たかろう
冷たくなるのもまたよし
....
国境には まだ 霜が 降りて いた
ぼくは ひとさしゆびを かかげて
空 いっぱいに 伸ばした
虚空の なか 水の 夜明けの アラベスク
{ルビ四十雀=しじゅうから}が ....
こんな静かな雨の日は
ひざっこぞうぶつけ合って眠ろうか
あったか毛布にくるまって
あなたとふたり同じ夢
ゆうるりゆうるり時流れ
哀しいことなど何もないと
....
まぼろしの道への開門でもあろうか
一日中にごっていた空が黄昏に割れ目をつくる
はてしないもの
そのささやき
枝にめばえる若芽
若芽にひろがる祈り
問いかけ ....
ぼくは詩を書きたい
他人の存在に気がつかなければ
自分の存在は孤独となる
今日もまた
朝の散歩をしていると
葉の露に出会いました
雨の通り過ぎたすぐ後
緑の葉の上にはその ....
月光を浴びて生まれた一人の少女
その唇から
言葉がツタのように伸びてからまり
あの家を覆ったの
家の中には
青白い顔をした少年が一人
小さな椅子に座っていて
コーヒーミルを回していた ....
緑色に発火した昼が
わたしたちのまだ柔らかな背を滑り落ちたら
全ての事情が濃紺になる川原にて
音が消えてゆく水音の肌寒さでわたしたち
ちょっと強張って、けれどそのこ ....
くるくると
動いてる
空気清浄機の上に
置いてある
ラジオから
流れる
女性ヴォーカル
疲れたときに流れ込んでくる
アシッドジャズ
みたいな
よくわからない
上に上に
登り ....
バイトも授業も人生だってサボって
河原や部屋ん中で寝ころんでるのさ
流れてくるのは時代遅れの
グランジ パンク ロックンロール
死にたくなる様なナンバーのパレード
生きてるから何時だって聞け ....
早朝の
夜が やっと明け始めるころ
眠りから覚めた
鳥たちが挨拶を交わし始めるころ
色白の
肌が青白く影を帯び始めるころ
私は、
私自身の気配にかすかな境界を感じ
縁側でぽつねんと ....
ジュウネンゴ わたしに あいに 行った。
ジュウネンゴ の わたしは しわだらけ の おばあさんだった。
わたしを みて すこし わらったが すこし さめていた。
わたしは おばあさ ....
少しだけ見えた
頼りない明かりが
それがたとえば
自分を苦しめるとしても
それがたとえば
自分を焼きしめるとしても
私は行かずには
いられないの ....
無を抱いて生きる
私の
存在が無で
誰かと笑いあったり
じゃれあったり
先輩のお通夜に行く
病床の彼は
いつも怖がっていた
功とげ財を成し
誰もがうらやむ位置にあってもそれで ....
旅人は血
あてどなく彷徨い
訪れる場所に何かを残し
何かを持ち去って
また何処へともなく
去っていく
街というものが
心臓だの肝臓だとすれば
さしずめ僕は
その間を流れゆく
....
雨の日には、少しの香水を纏うのが好い
薫り立つその体温を残しておいで
鼻をくんくんさせて、君を捜しに行くよ
僕にとって
大切な事
大切な人
大切なもの
ほんとう
と聞かれて戸惑った。
ちいさな引っかき傷は
少しずつ広がって
広がって
広がって。
....
今夜、真っ白にスーパーノヴァ
土砂降りの流星群が降り注ぐ高速道路に今夜、
時速150キロで移動しながら取り交わされる約束は
時速150キロで片っ端から破棄される今夜、
耳鳴りと同じ音程で吐き気 ....
いつも通る公園の入り口に
いるホームレスのおばちゃんがいなくなっていた
でも
そこにあるマグノリアの木に
真っ白い 大きな花が咲いていた
おばちゃんがその大きな白い花の中から
にこにこ手を ....
嵐の夜、だったらしい
水底を叩くように
爪先立ちで歩く恋だったらしい
苦しくない呼吸で、まだ淡い空を見ていた
今、街は静かに水没して
新しい水面を探している
六月の底辺は、眼鏡なしで目 ....
僕と君の{ルビ卵=みらい}は混ざり合って一つとなる
{ルビ菜箸=さいばし}を使い縦に混ぜ合わせる
熱したフライパンの上
乾き枯れた都会に似ていた
そこで出会った
水を持っている先住民族
....
なにが惑う要素か
寄りかかる重みに耐えて
家路へ
*
見つかるはずのないもの
見つかることを期待しないもの
今日も一日が過ぎた
終わりはない
*
アルコールは何も解決 ....
けだるくなって
ぬぎすてたズボン
やーやー言って
砂と砂らが、ほころんだ
あなたは
珈琲をたしなむようにわたしを抱いた
あの夜も
その夜も
そしてこの夜は
夢のなか
....
母さん僕はやってしまった
やってはいけないと
あなたが無言のうちに
僕にさとそうとしていたことを
母さん僕はやってしまった
あなたの愛憎をきわめて
そして僕の中ではいつも
不在と実在 ....
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