頭から血を流した鳩が
白くつめたいコンクリィトに横たわる。
いつか見た死の形
それは何故かリアリティがなくて
置物みたいに思えた。
どうして飛ばないの、
お前は鳩でしょう?
....
ただひとり 生き延びた僕に、
残された海。
激しく、荒れ狂った夜は 引き潮に連れ去られ、
空と海とをわかつべく 曖昧な区切りは
さも穏やかに微笑んでいる。
磯際を覗くと、ウミスズメたちが ....
「日本(にっぽん)で
戦争なんて
あったんだ」
小学生の
弟おどろく
聞いて驚け 相手はアメリカ
アメリカに
パールハーバー
あるならば
日本にあるのは
広島・長崎
....
ファミレスのおもちゃ売り場は、小さい頃から特別なもので
欲しかったおもちゃがあっても
「ここはご飯を食べるところなの」って
一度も買ってもらえなかった
帰りに寄ったデパートのおもちゃ売り場には ....
お見合いしないの?
って、長いつきあいのおんな友達に聞いた。
「しないよ、どんなの来るかわかんないじゃん。」
いやなら断ればいいんじゃん。
きっとさあ、
銀縁メガネでさ。
市役所の市民 ....
順繰りに咲き誇る花々は
緑に浮かぶ星の煌めき
晴れ晴れとジューンブライドになるはずが
ほんのちょっぴり なみだ顔
夜の帳の降りる時間も
知らぬ間に間延びして
雲がたれ込めている ....
街角で黒い蝙蝠傘の君に出会った
夕闇に隠れてこちらから顔は見えないけれど
黒い傘からちらちらと映える赤い紅の色が卑猥で
どうしようもなく赤面してしまったことを覚えている
こんな記憶に必死に ....
さびしがりやだけど
ひとりがすきなの
そんなのはうそだ
さびしがりやは
ひとりがすきじゃないし、
ひとりがすきなら
さびしがりやじゃない。
ぼくはひとりでいても
さ ....
本当はセリカがよかった
が、人気車には、やはり手が届かなくて
中古車屋のおやじに勧められるまま
同じエンジンだというコロナにした
家に帰ってよく見ると
左のドアが少しへこんでいた
―― ....
さて
カタカナを 話すとするか 若者よ
お前の 腰は 猥雑であるとすれば
言葉を 使うべきだ 若者よ
カタカナの 説得力
言語の 悲哀が
お前の 中身を 捨て
猥雑な ものだけを 残した ....
幼いころからクレヨンに嫌われていた。
僕がクレヨンを握って紙にあてても
クレヨンは色を出すことをかたくなに拒んだ、
紙は真っ白のままだった。
僕のほうでクレヨンを嫌ったことはない。
鉛筆 ....
夜の眩しさを拭って
時に沿わずにこころみる
陽の束飲み乾すその刻に
えにかお映さぬ線をなし
最に煌くその時間に
ついをもとめずはなちゆく
夜に焼けた肌の色は
とても
とても
....
Deception(まやかし) 深夜を駆け抜ける
屈折したプリズムが 光と影の狭間を照らし出す
決して混ざり合うことのない
光と影
上目 ....
月隠れの夜
街灯の影に咲き
暗い空の裂け目に
眩しそうな眉間の皺
寄せては返す
夜の嘘 その甘さ
秋の夜風の
気まぐれさに濡らされて
潤んだ瞳のその甘さ
じりじりと迫 ....
雨が降る
雲がほつれるように
空がほどけるように
滑り落ちる雨が
弾ける
割れる
砕け散る
ほら、あっという間に水たまり
さっきまでの青空を
吸い込んだかのような
真っ ....
戦陣の背後に黒い山脈が 影絵のように拡がっていた。
狼煙のけむる夜、
恐れよりも闘うことの歓びに身体が震えている。
「死と生の戦い 」
生きのびても、
ただ死ぬまでつづく日々が残 ....
あのころの僕たちの会話は
みんなシュールレアリスムだった
僕の家は金星なのだった
ここから車で片道十一時間かかるので寮に入っているのだった
数学の小テストで図中の線分ABに太さがあったら減 ....
ぼくは詩を書きたい
生きとし生けるものの声
それは生物だけではない
今日もまた
朝の散歩をしていると
鼓動に出会いました
それは吹く風の音
または川のせせらぎの流れ
....
真夏の夕陽に染まるさざなみは
あなたの肩越しに遠のいてゆくばかり
深めに倒したナヴィシートで
あなたの好きなラヴバラードに酔いしれて
日焼けしてしまった首筋に心地よくて
小さなため息をひとつ ....
返事がない。
もう1日もたつのに。
後悔だけが
心を引っかく。
幸せなつかの間。
悲しみの日常。
あると思った物が
なかったと気が付いたならば
なぜに哀しいのでしょう。
言葉を伝える人が
いないと気が付いたならば
なんと寂しいでしょう。
だから私は ....
君の集めていた小説の
5年ぶりの新刊が出ていた。
伝えたいのに
伝えるチカラがない。
君は知っているのだろうか。
俺はお前を苛つかせただろうか
俺はお前を悩ませただろうか
二度と心の底から笑い合う事は無いだろう
二度と約束をする事も無いだろう
お前の所為で俺は…
言ったって仕方無い
俺は真実かどう ....
飴玉の甘ったるい味が
のどの奥に残っている
あなたと離れた{ルビ直後=あと}を思い出して
またうまく操られたような気がする
扱いなれたような態度に
苛立ちが募るのに
....
劣情 かき乱す
辛い暗い部屋の奥底で
鬱味鬱色の飴玉ひと粒
嘗め回す 鼓動が一つ遅れる
存在を否定して
存在しようかと思ってる
六弦、後ろで鳴り響く、ドラム、
バス音…失くしてもいい ....
思い出だけで終わらないために
日々は刻まれて
小さく、はらりと落ちていきそうなものが
私の中で対流している
一番最後の麦藁帽子が
夏の見える丘の、少し西の辺りを
沈んでいった日のことを ....
木漏れびる
影をかざして
雲のびる
来るごとくさざめき
咲くものと
信じるかはさて
先駆けるものの
真じつへの導き
芽ぶき
花ふぶき
青葉もクルルと
いのち
花のの ....
アルコールと或る子をベランダから放った夜に
街路樹に十の鴉の眼から夢を受信し
重心を失いし精神に幼子の歓声が目蓋に流れ込み
閉じた眼球に宿る万象、宇宙卵としての眼球の膿と
シックスセンス、深い ....
街灯に葉が透ける
見るでもなく 見ないでもなく
浮かぶ 黒猫の瞳
水たまりに漂う
おびただしい黄色の残骸
昼 彼らは風に揺られて
あたらしいいのちを探していたんだ
春は今 ....
畳に敷かれたうすっぺらい布団
聞こえるのはあなたの寝息だけ
あんなに言い争ったのに、あなたはいつの間にか夢のなか
あたしはまだこんなにも悲しいのに
くやしくなってあなたの背中に文句をい ....
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