雪に埋もれた世界の中で
かすかに聞こえる水の音
「あれは世界の消える音」
そういう君は光の子
雪に埋もれる世界の中で
かすかに凍える人の音
「あれは世界の消える音 ....
運命は少し回る ギシリ 音をたてて
運命は少し回る ギシリ 軋みながら
ほら誰もいない
汚らしい僕が一人
手にこびりついた孤独 誰もいない
その独白
答えは ....
子供の頃から
一人だと感じていた
見栄を張り合う親の中で育ち
親の顔色をうががって過ごした幼少時代
心を通わす友達もいなくて
弟 妹を虐めて
心の憂さを晴らして ....
ふらり立ち寄ったデパートで
行くあてもないのにエレベーターに乗ってみた
中にはエレベーター・ガールがいて
きまり文句で言ってくる
「上へまいりますか?下へまいりますか?」
「特にきめていないのです」 ....
アスファルトを踏みしめる足はリズミカル
裏腹に焦る心
勢いと同時に込み上げてくる
ずっとずっと目頭が熱い
立ち止まって 叫んで しゃがみこみたい
そんな思いを吐き出さないように
....
今日のお月様は偽物なのよ
だってあたし見ちゃったの
あれは二週間ほど前の事よ
まんまる綺麗なお月様が
次の日からちょっとずつ
真っ黒な鎌にちょっとずつ
ちょっとずつ削ぎ取られていったの
....
薄紫の
花を
目が食べ
目覚めたとき
その直後も
草を食むように
咀嚼しつづける
若葉いろの歯車
ふと遠い日のすももの果実
熟れて柔らかに割れ
したたって染みる
濃い赤紫 ....
あなたに会うために
歩いてく道すがら
蹴飛ばした石ころは
転がって
側溝に落ちた
二羽のカラスが飛びだして
山際に沈んだ
見上げると
雨雲が送電線に接触して
発光している
あなたは ....
足音も聞こえないはりつめた夜は
何が はりつめていたのか
鳩の声が恐ろしかった 朝の
シャッターから漏れる光
記憶に毛布を掛けておやすみという
あなたは だれ
コノセカイハ
ワタシヲトリマイテ
シズカニ
シズカニ
コウカシテユク
トメドナク
ナミダガデテ
トマラナイ
セツナク
ソラトツナガッタ
イトオシク
ミズトツ ....
明かりのない部屋で
画面の光に群がる私
また生まれるの
そしてまた 日の出前に私は死ぬの
太陽に喰われるの
私 瞼の裏 なんだか妙にスカスカするの
だから仕返しに
喰ってやるの 奴の ....
君の声を聞きながら
僕は背中で昨日の夕陽を夢見ている
後ろ向きに眠りたい夜もある
紙飛行機だけが日付を越えていく
いつも聞こえるユーモレスク
君はどこまでも繰り返しで
世界はいつでも思 ....
鍵を掛けたかどうかを忘れて
それでもここまで来てしまった
世界の青は静かに落下して
戻れない道の重なりにいる
昔の話をしようか
言葉でしか帰れない、場所がある
こんなにも遠い西の果てで ....
この街を
この部屋を
この身体を
昏々と
眠らせるのは
夜では無く
淋しさだ
夜の静けさは
時折無償にわたしを切なくして
どこか遠く遠くへとわたしを急かす
その衝動に抗わずに
流されるままふらふらと
月夜の夜道をパジャマ姿で歩いたら
どこかどこかへ辿り着 ....
弱いわたしは
記憶を心の奥底深くに仕舞い込み
雁字搦めの無茶苦茶に
厳重に厳重に鎖を巻いて鍵をかけた
時折壊れた個所から漏れてくる
記憶の欠片を見ない振りして
ただ強がって茶化 ....
濡れていくアスファルト
伝う温もりは冷たく
爪先は靴擦れを起こして痛みを伴う
月のない夜の残業
軽い電車の揺れに眩暈を覚え
満員電車では自分のための場所はたった二足分
爪先の痛みは徐々 ....
夜空の下では
月の明かりでさえ
視界を奪う程の
逆光
逆光の中で
浮かびあがる
黒と黒
黒に染まる夜は
怖い
闇にある光は大好きで
暗闇の中に
蛍をばらまいて
自分の夢を数えている
お寺の鐘は
友達に
バイバイを言えという合図
妙に寂しくなる
そんな鐘がなる6時を ....
まぶたを突き抜けるような明るさに
耐え切れずに目を開けた
先に起きたらしいあなたは窓際にいて
煙草のけむりをほそく吐き出しながら
晴れたな、と少しうれしそうにつぶやく
目を向けた窓には ....
いたいとき くやしいとき
かなしいときの なみだを
のこらず 如雨露にうけて
ともだちの 庭という庭で
しあわせの 花を育てます
●関連作品
ガーデニングの話→ http:/ ....
途切れた夏の感触
暑さにのぼせて
不意打ちをくらう
手を伸ばした先に
何があるのか
届かない光が
闇なのかどうかも
揺らぐ想いが
邪魔になる
誤魔化しただけの
答えの
蓋を開けた ....
瞳のおくの
まぶしさ
ぼくもいっしょに
落ちてゆく
はじめての感覚
あたたかくて
ここちいい体温
こんなに涙もろかった
溶かして
浄化する
新しい色がみえるよ
「こうふく」
がなんなのか
「ふこう」
がなんなのか
ぼくにはわからない
だけど心は
あったかくなるよ
さむくもなるけど
それでいいよ
光射す彼方を目指して 僕らは地図を読む
遠く 高く 鳥の声が響き 出口の風が流れてくる
考えては駄目なのだ
ただ思うように
いや
思うよりも早く手を伸ばさねば
僕らはいつま ....
風が吹く
僕はなびく
雲の切れ間から日の光が射し込むと
休日の街は輝きを増す
今朝は遅くまで眠りすぎた
午後の喫茶店のテラスで
コーヒーを飲みまどろむ
空を賑 ....
自殺した 友の魂が
あちらこちらで まだ 蠢いている
その
死
を
喰ってでも 生きていかねばならぬ
この
修羅
で
青天が
両手を広げたまま
立ちすくんでいる
どうし ....
満足せよ
何としても満足せよ
満足するなら徹底的に満足せよ
おまえが浮かれるのはまだ早い
今のおまえは新幹線に乗っただけで博多に着いたと思ってるんじゃないか?
今のおまえは行列の出来るラーメ ....
粛然として初夏は重なり
カーテンを引く
夏の重さは水面を広げる
わたしたちは口止めをされている
沖の方では服を脱ぐようにして
海の肌が見える
わたしはあなたが好きだっていうことを
莫迦み ....
じっとして
息をひそめていればよかった
そしたら
なにもかもが感極まったままで
なにもかもが仏尊としたままで
かるがるにスキップ
輝かしいばかりの海原
だったろうに
鞄なんかも ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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