魔王は 生まれるだろう
余人の吐息を嫌って選ばれた修道院の建つ
青空のように堅い岩塊の園から
誰もが逃れられぬ「人称」を彼もまた大気に放ち
口伝えの反復に摩耗したイコンも
魂の生き延びる道を ....
父の日に夢を見た
§
大地震があった
私は、すぐには故郷に帰れなかった
車も電車も無い
やうやく故郷に帰ると、或る男がかう言った
あんたの家は無いよ
全部盗られちまった ....
楽しいときも
泣きたいときも
嬉しいときも
寂しいときも
どんなときも
帰る場所は
あなたのところでありたい
四本の腕の理由は
一本は
何かを取る為
一本は
何かに触れる為
一本は
何かを掲げる為
一本は
あなたを探す為
そして
想い募る度
この
四本の腕は
すべて
あなたの為 ....
港の水に映るのは
それは月ではないのです
港の水に映るのは
それはおしりなのでして
おしりは逃げ出したのでして
僕はそれを追ったのでして
漁船に忍び込んだのでして
追い詰められたおし ....
おばちゃんに虐められて
頭を下げる
頭を下げるくらい
なんて事はない。
怒らせないように
黙って聞き
怒らせないように
ものを言う。
侮辱と屈辱の中
自分を低め
相手を利用 ....
落ち込んでいる者がいる
もっと自信を持ってほしい者がいる
私はお前が大好きである
年に一度
お前がいちばん美しい時
私は涙が止まらなくなる
いとおしくて
流れる
私はお前が ....
人はいつか死ぬ 君もいつか死ぬ
それは揺るぎない真実
だけど
人が死ぬまで 支えるのは 人
君が死ぬまで 支えるのは 僕
僕が死ぬまで 支えるのは 君
それも揺るぎ ....
わたしから一番遠い人だった
そんな単純な動機
想いは蓮の葉のように
水の面を漂うように
ゆらゆら揺れて
不確かな言葉と
不誠実なあなたと
忠実なわたし
ほほえみをたたえる写 ....
なめくじには、カンムリがない。
カンムリがなければ、うたにも使われない。
でも、なめくじはきっとおもしろくないと感じている自分も、
いっしょだと最近感じる。
湾曲している水平線上にて、
しめって酸化しそうな金属の肌が
垂れこめた雲に灰色の腐蝕を放っていて
見あげても星は降る気配
海の月の揺らぎ
飽和した幻影の瞬く電子
この神経を流れ去ることのな ....
街と
街の
間には
ホタルブクロの
小道があった
不安をかき消すように
折り取って
右手にいっぱいの
ホタルブクロの花束
とても白い花
空は青く
休耕田の中の
緑の小道
カマ ....
ぼくは詩を書きたい
生きているからこそ
美を感じ
詩が生まれるのである
今日もまた
朝の散歩をしていると
霊媒師に出会いました
嘘なのだろうと思いつつも
誰かを呼び寄せ ....
都会の川で子供の変死体が発見された
それと同時刻に、屠殺場で豚が悲鳴をあげた
恐怖は肉に染み渡っていった
鶏舎で一列に並べられ管理されている鶏たちは
産み落とす卵の中に自分達の気持ちを込め ....
今まで増やしてきたのは
少しずつ自分を押さえ込むように
キリストの手のひらの穴のように
自分の罪を示すように
昨日はずしたピアスは少しかゆい
自分の体が素直すぎて
なんだかやる ....
風はクリュアで
心は静か
昨日の夢は
今日の朝食
{引用=「クリュア」クリアでシュアの造語・小説「ママ アイラブユー」より}
天下無双の剣豪 出産間近
柔は剛を制す 心は体を制す
怪しい気配 どかどかん ....
おもしろおかしく生きているけど
この頃ゴールと叫ぶ喜びはない
サッカーとは相性が悪いのか
2時間近く応援しながら見ていても
あ〜惜しいという悲鳴ばかりで
ふっとよそ見した瞬間に点が入 ....
読み違えた時刻表と
溶けるような蒼さ
誰にも触れられないまま
街を逃げる
此処は誰にとっても何処でもない
気が付けば
喋らない受話器を静かに置いていた
ミシンで縫い付けた ....
霞んでく
思考は蛍光灯に溶けてくね
かざした掌みたいに
いつも通っていた映画館には浮浪者が身を潜めるよ
街の看板娘は他所から来た男と出ていった
いつか言った言葉をもう一度繰り返そうじゃな ....
おさなき日
ことばを
覚えたぼくらは
迷宮の中へ
と投げこまれた
生きていることがつらい
というきみに
ぼくもそうだよ
とかえすことばは
むなしくひびくだけ
ことばなんか
....
自己顕示しすぎみたいな
そんな太陽
輝きすぎて
うざい
隣では絶望の淵を見つめる
そんなふりをして
心配して欲しそうな人間
うざい
心の隅の、
その隙間か ....
空の水がみな注ぐ
水無月ならばこそ
ガクアジサイのぼんぼりに
青色 むらさき
灯りを点けて
こころの内を絵に描いてみる
哀しみ惑う雨模様は
霧雨に溶いた絵の具で
ぼんやり滲んで ....
見捨てられ
見守られている
みなしごのはだしの歩みで
ちろちろ歩く
ああ僕らは本当に
時代の縁を歩いてきたんだな
そして時代という言葉が
うすっぺらくなった時代を知っている
人 ....
けはい
が、まず私を脅かし
におい
が、とりまく空気を包みこむ
たいおん
は、右腕から波のように
かんしょく
は、夢の中の現実
侵される 私
交じり合う のは
そば ....
ついに、越えていかれるのですね。
拝啓、海沿い、立ち並ぶ風車に。ごろんごろんと音をかき混ぜる大きな手に、何でもないことを、挨拶のように振舞うあなたに。ここを、越えていかれるのですね。知ってい ....
深い眼差しを、
赤く朝焼けした巨木におよがして、
動きだすふたりの直きせせらぎが、
ふくよかな森の奥行きを高めて。
始まりは、乾いた無音を燻らせる、
茫々とした朝霧を追い越して、
あさ ....
二人でいるときは
想像
エデンの園
そして
失楽園落下恋
堕ちてゆく感覚に
流星を
一瞬の輝き
せめて二人でいるときは
排泄ではなく
闘争ではなく
見栄ではなく
....
絶句した 人々の 中に こそ
希望はある
流れる どぶ川から
沢山の 仏が 流れてくる
死人という 意義を
私は 肯定と とる
明治初期 仏は
皆 狂い死にしていったのだ
だ ....
眠りの国の君は
きっととても美しいのでしょう
けれど
其れが見れなくて
私はとても哀しいのです
君の伏せられた瞼の裏
封じられた瞳の色は
平生の黒ではなくて
もっと
緑と ....
5206 5207 5208 5209 5210 5211 5212 5213 5214 5215 5216 5217 5218 5219 5220 5221 5222 5223 5224 5225 5226 5227 5228 5229 5230 5231 5232 5233 5234 5235 5236 5237 5238 5239 5240 5241 5242 5243 5244 5245 5246
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
6.82sec.