激しい濁流と錆びた鉄橋はゆきずりの光景でしかない
ビニ傘で行く手をさえぎる横暴なエスコートがわたしと雨粒を斜めに切断する
無限を接写する賭博者たちは必ず破綻した
二度目に犯した過 ....
なんだかんだ言ったって
自分が一番偏見だらけ
偉そうに
お前は一体何様だって
自分で自分に
問いかけたい
のどか
+血の色
=凄惨
喧騒
+血の色
=狂乱
愛情
+血の色
=残虐
平和
+血の色
=悪夢
青空
+血の色
=夕焼 ....
昔僕は雑誌の編集部を訪れた
原宿の外れの通りに 僕はいた
少しだけ寒い日のことだった
中では若い女が足を僕のそばで踏み鳴らしていた
そして面接した僕は落ちたのだ
覚えたての洒落た店で
二人語り合った彼方の夏
店と同じくらい世界は窮屈で
幼き日に閉じたはずのもの
貴方とだけ開きあった
瑕疵のない時間を感じ
無自覚な心の裂痕 ....
ぼくがバイト先のレジから金を抜いたと聞いて、おれは腹を立てた
恥を知れ
ぼくは俯き、わたしが代わりに口を挟む
しかし、それがぼくには思い当たることがない
その事務的な口調が事態のやっかいさを告 ....
僕は僕の切っ先を少しだけズレて生活をしました
僕は僕の切っ先を少しだけズレて背伸びをしました
僕は僕の切っ先を少しだけズレてガラケーから最新のiPhoneに買い替えました
僕は僕の切っ先を少しだ ....
*★*――――*★*
『みっく』
火の付かない石油ストーブのせいで
部屋の中 肌寒いね
僕は君の部屋の中とりとめもなく話し続ける
「寒くない?」 の尋ね言葉に 僕痩せ我慢
押し入れか ....
いつも心の中は北風が吹いている
おりしも外は吹雪
開き直りと空威張りと痩せ我慢
肩を落としてうなだれるか
肩をいからせ開き直るか
僕の生活どちらかひとつ
空はいつま ....
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)
遠くで鐘 ....
なけなしの金でコーラの大瓶、一本と
インスタントコーヒーと三温糖を買って
あっという間にコーラは空になり
インスタントコーヒーと三温糖で
アイスコーヒーを作って
スーパーから貰ってきた氷を入 ....
生きること
とにかく生きること
たとえどんなに辛くても
生きていることが大事
もし生きることから
逃げないのであれば
全てを良しとしよう
パチモン
偽物
バッタモン
贋物
紛い物
廉価版
本物?
冷たい雨が、
降っている。
夏も終わりの九月末日、転がる地表に
黄昏色の
冷たい風が、吹いている。
けして救われない悲しみを
救われなさゆえに、
意味ないと
....
息が詰まりそうになる
やらなければならないことが
次から次へと降って湧いて
淡々と粛々と処理をこなす
気持ちがどこかへ行っている
熱意はとうに消失している
それでも処理をこなし続ける
決 ....
その人は多分
とても苛烈で自虐で諧謔的で
(彼岸花の群生が赤かったからこんなことを書く)
だからどうというわけではないし
だからどうというわけでもなく
たぶんきっと
....
『この春に』
私十九のこの春に命を捨てに参ります
積丹半島神威岬念仏トンネルくぐって行きます
私の好きなあの人は関係無いと行ったけど
耳の聞こえぬその事であの人の親が反対しています
都会じ ....
私は皆が羨ましいのです
生きている事
自己の存在を正当に思える事が
二十歳までの自殺は
やたら御涙頂戴的な悲劇の象徴にも関わらず
二十歳を過ぎると
やけに御笑いな敗北の象徴にな ....
それは目を覚ますために
或いは目を閉じるために
厳しく優しく
時の中で口に含むもの
ほろ苦さは人生と似ていて
コーヒーの後味みたいに
黒い影を引きずり
頬が丸くなる甘さは
....
秋は仏頂面のヒゲ男を察知してイヌやネコも傍らに近づいては来ない
積み石で寝仕度を整えているのは巣を閉じた青蛇の一団だろう
まあるくそれでいて刈り取られた雑草の刺々しさがのこる畦道
....
哀しい象の群れ
午前中夢を見た
恋を踏み潰せ
心の中のアッフリカ
九月のしずかなあかるさは
透明な翳りを含んで
その中に点々と
露草の青 浮かんで
波紋するさよならを
心に溜めて
やわらかく孤立しながら
佇む意識の彼方に
ほそい岬
それは空へ帰 ....
私はカフェが好き
スイーツが大好き
週末の土曜日の午後
私はいつもここにいる
店内は清潔感があって
広々としてくつろげる
注文はアフタヌーンティーセット
渋皮 ....
二〇一七年十一月一日 「年間アンケート」
現代詩手帖の編集部に、年間アンケートの回答をいまメールに添付して送った。2016年の11月から2017年の10月までに読んだ詩集で感銘を受けた詩集 ....
久しぶりに六本木で
僕は展望台の景色を見ていたのだ
もう でも 何回目だろう
今日もこの景色の中で
夢を 目で見つめながら
夜の闇の向こう側から
鳥の鳴き声が響く
鳥目ではなにも見えないだろうに
まだ眠りについていないのかと
胸騒ぎを覚える
羽を休めていればいいものを
月も星も輝かないこの夜は
刺激を与えてし ....
明日が怖いとよく思ったものだ。
なぜあんなに怖かったのか
何がそんなに怖かったのか思い出せない
今日私はそこまで明日は怖くない
時は過ぎることを知っているからだ。
我慢はその時だけしておけば ....
きみの笑っている顔がこわくて、距離をとる足
どりは軽く、まるですでに知っていることがあ
った、みたいだ、つまらない日に非人が働くと
聞いて、天使の居場所は真下から少しだけずれ
ていた、ここで丁 ....
他者が駐車しているから
自転車をそこに
おいていたらしい
用事をすまし
自転車置き場に戻ってみると
鋭利な何かで
「サドルをバッサリ切られた」
と突然ぼそぼそとウチのが
白い頬 ....
午前中地獄
午後、座学
放課後、自習
後、心療内科
この年で看護師になろうとした自分呪う
心療内科の予約券、胸ポケットに入れて耐え抜こう
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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