この世界にドアというものが出来てから世界は二つの側面を持つようになった
厄介な事にドアにはたいてい鍵というものがついていて
いつもどこかで「ガチャリ」と音を鳴らす
見たくないものを閉 ....
西陽が傾いてゆく
風を追いかけながら
オレンジの雲は次第に細長く
なつかしい言葉をそっと隠していった
暮れなずむ野辺は一面の草海
薊の花の谷間に静か
蝶がいる 淡い光のような点が
....
散々泣いた夏の雲は美しくたち
もうじき夕暮れの風鈴の音色は
甘くて遠い気がして
少し懐かしい思い出は記憶からこぼれだし
涙色の青空に蝉の賑わいは
必ずしも必要ないのかも知れない
狂 ....
からりとなった空っぽのグラスに
何をそそげばいいの
透明な空には小さな朝があり
世界が少しだけ遠くに感じる
ここにはまだ きっと
やり残した事がたくさん たくさん
世界なんて大 ....
マスカット ブルー レモン
suisuiおよぐ
シアン マゼンタ イエロゥ
{引用=
....
人はみな詩人である
言葉を操る才をもち
その感情を記号化する
その文字は伝達に止まらず
心と心を伝えあい
いつしか人に詩が生まれる
人はみな画家である
色を操る術をもち
その感性を ....
晴れた日の
光り輝く雨が
詞になるのならば
心に沁みこみ
決して乾くことのない
黒い雨を
詞に
私だって
知りたいんだよ
黒い雨を
見たことあるかって
晴れた日の
....
まんじりとしない夜
通せんぼの猫が神社の境内に寝ている
求めても求めても届かない愛のドラマ
いつまで経っても
いつまで待っても
届かない
それでも恵まれているのだろう ....
いつも一緒にいた
きずかないうちに
近くにいること
当たり前になってた
でもね・・・
もし・・・いなくなったら
きっとすごく落ち込んで
立っていられなくて・・・
さようならを言うことを ....
額に血を滲ませ、倒れこんだ若い兵士が伸ばした手の先に
身体じゅう芝生で覆われたオウムが着地する。正式名称は分からない。
でもまだ赤ちゃんだ。一つも言葉を憶えちゃいない。そして
テープに遺言を残 ....
あたしが とんでもない壁にブチ当たって。
どうにもこうにも この世の終わりのような 顔をしているといつも。
あなたはまるでさぞ おバカさんだとでも言うように
ケラケラと笑って
「そんな ....
それでもあなたは膨れていきますか
記憶を少し、壊してみたのは誰のこと
過ぎることも簡単にいかない夜ばかり
振り返ることも出来ないだろう、この身なら
薄い化粧の夢を見るので
慌てて顔を洗い ....
お盆になると
実家には
離れて暮らしている兄弟たちが
一斉に集まり
昔を懐かしむ蚊取り線香の匂いが
きしむ床や汚れた壁から
おもむろに流れている
帰郷する度に
夕飯に並べられる
....
{ルビ御月様=おんつきさま}が
どれほど 偉大か、
気が付いたのは
絶望の重みに
耐えられなく
なった 夜道
十字路にある
自動販売機の
灯 だけが
ユメを見せてくれた
夜
そ ....
自転車の車輪の横には、
しっぽの先だけがしましまの猫が
丸くなって寝ている
夕方には何処かに行ってしまう猫に
名前をつけよう、と
彼女が言い出したのは
日曜の朝、
決まってサンドイッチな ....
ひっそりと息を潜める雨の夜の街はどこか昔々の村の葬儀の参列に似ている
雨が耳には聞こえない音を打つ
電線からしたり落つ 涙のような雨は
一定の旋律を保ちながら静かに地上に降る
雨に濡れ ....
それは嘘でもよかったんだ
リトマス
あなたは
もう二度と
ずっと
ずっと好きでした、と
つぶやくだけで
よかったんだ
あざやかに
心を朱に染めて
私は
あなたを忘れただろ ....
買い手のつかぬまま
何年か空き地だったお隣に
店舗兼アパートが建った
店舗といっても
コインランドリーのせいか
雨の日以外は閑散としている
アパートもまだ空いたままで
梅雨明けのあとは
....
人間って悲しいなあ
そういう現実をつくりだしてる自分
変わろうと思ってもそう簡単に変わらない
エゴの悪循環
あなたに出会い
ぼくはぼくの悲しみに出会った
悲しみよこんに ....
ラクダに乗って
コブをゆらしている子
子に何を聞いても
ユーラユラとしか答えない
ラクダってどんな感じ?
「ユーラユラ」
ラクダはどこに連れてってくれたの?
「ユーラユラ ....
嵐の去った夏の空は
純粋な空が広がり
地上には青い風が流れる
暑い気温でも空を見れば涼しい
雨の通った夏の道は
透明な雫が続き
地上には青い風が流れる
汗が落ちても雫を見れば清々しい ....
ふしあわせな こころに
にじを かけそこなった
せつなさの はてを はなで
かざれなかった きみの
ためだけに いきられなかった
絶え間なく落ちる水は
その優しさの象徴
穏やかに浮かぶ笑みは
平和を見守るまなざし
彼はいつでも
世界を見つめてる
そんな一人の天才少年
記憶は左から右へ過ぎ去り
流れる雨に歪んだ街並みは
僕の黒い顔を窓に映している
暗い路地にぼやけた蛍光灯は
6等星にすらなれなかった
歩道を照らす銀色の光達
僕達は何処へ行くんだろ ....
何をみんなは 笑っているの
濡れぬ肢体を えろんと舐める
苦し紛れに ペンキ撒いたの
何も見えない 湿った部屋で
柱時計は 鉄線だらけ
ピアノの音が 暗光に映え
赤い病が 瞼を ....
曇天の空に轟音がこだまし、
先に飛び立つジェットの一機
また一機と つづく滑走路の直線
野蛮な匂いの染みついたコクピットに座り、
操縦桿をにぎる僕は ひとり
密かに「裏切り」を抱いて。
....
僕らは空気を育てた
空気を育て空気と遊んだ
外を連れて歩くと
人はそれを風と呼んだ
空気は僕らを食べて育った
食べられて僕らは
その大きなお腹のようなところで
何度も生まれかわった
何 ....
はちがつようかのその下には
あのひとの死体がうまってる
わたしの夏が赤いのは
夏があのひとをうばっていったから
わたしの夏が暑いのは
夏があのひとのねつをうばっていったから
はちが ....
微笑みは遠くに。
麦わら帽子は陽射しを遮り
君の表情も影で隠す
君の小さな口元
囁く声は蝉に掻き消された
神社の境内までの一本道
轍がこの頃良く目立つ様になり
....
華やいだ雑踏を抜けて
遥か高く聳え立つ構造物に
押し潰される
ワインレッドの血の
芳しさに恍惚として
異世界への扉を抉じ開ける
忘れるな
此処には何も無いことを
開けた視界に飛 ....
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