見るすべのない
その果ては
限りない過去で
追い付けない未来
この{ルビ一文字=ひともじ}
この{ルビ一刹那=いっせつな}にも
病的な単位
重なって 読めなくなる距離
辿る道の ....
哀れ
彼女の吐いた息の白さに何人の男が感嘆の息をついただろうか
少女から女に変わるその間に
いくつもの帯をまとって帯の隙間からこちらを眺めていた
彼女
波を超え、山を掘り、花を ....
何処かへ行きたい衝動が
どうしようもなく高まって
東京タワー
エレベーターに運ばれた展望室
見下ろす景色
何処かへ行きたい衝動が
どうしようもなく高まって
東京タワー
此処から先へゆくことも ....
生きるものにとって
その生の躍動が大きく羽ばたく頃
森の中にそっと足を踏み入れる
静かな朝
光が遮られた場所には
シダの葉が青々と続き
時よりの木漏れ日は
地面の土を黒々と照らす
....
真夜中にそうめんを茹でます
今日の君は優しかった
明日の君はわからない
焼酎を飲みながら 君のことを考えていたら
お腹がすいてきたので
真夜中だけどそうめんを茹でます
こんな夏の夜に
他 ....
飛び越えることができないだろうか
飛び越えたい、プロセスを
僕を縛るその制約を
飛び越えることができぬものか
その手段がわからない
否、手段を必要とせず
僕はそれを飛び越えたい
ジャンプ ....
夜間歩行 夜間歩行
昔ほどの新鮮さを無くし
ただ暗い夜道を歩くだけの行為に成り下がった
愛が全てだと信じていたあの頃は
夜道の全てが新鮮だった
金が全てだと思う人間に成り下がった
最早煙草 ....
長い陽も沈むよう
医院の外灯が付いて
傘の影が三つにひらく
バス停にひとり
何も捉えぬ目で
車道の先に見た夢も
呆気なく流れて
ちっぽけで哀れな足を
ざぶざぶと濡らす
雨粒は ....
画家ルオーの缶詰を賢人ピタゴラスに贈ったら
開け方が分からないから
サンダルで踏みつけて
ブリキの角で足の裏を痛めて
顔を顰めて
なんだこいつと
敵のような顔をして
踵で蹴られて
....
なまぬるい部屋で己の性をかんがみる
生命力に乏しい僕は生きることが修羅の門
遠くに行けば会えるかもしれない運命の人
今ここにいること
それはなまぬるい風呂に入り続けているようなも ....
まどろんだまま
深く吸った息で
体中に雨が透る
窓辺においた手紙が
濡れているのは雨のせい
滲んだ青いインクの
消えかけた名前を呼んで
雨の一粒一粒が
体の中で弾ける
ソ ....
この夏が始まる頃に
僕にはわかっていたんだ
僕には二度と
夏がやってこないだろうということを
僕は知っていたんだ
だから僕は
すべてをほうりだしたいと思いながらも
すべてを見届けるために ....
小雨の降る
窓の外で
葉っぱが踊る
明日は雫
見せてほしい
その両手で
久しく会っていない
お日様
あーあ
あなたは元気かなぁ
ぐんと伸びたい
この雨の中
見上げる ....
荒れ地に自由が生まれた
わずかな緑が生まれ
小さいながらも花も咲く
荒れ地はどんどん広がった
同時に大きな草花や大木も
かわいらしく鳴く小鳥たちも
やってきた
いつしか荒れ地 ....
{引用=あなたはいつも
あなたらしく
わたしはいつも
いったりきたり}
鈎針で編んだような想いが
届かない
レースのように絡まって
空しい
ほつれた思念が断ち切られる事を望む
シ ....
ああ これは
そう これは
圧倒的な、圧倒的な緑だ
辺りをぐるりと見渡しても
密集した木々
生きている緑
それだけの世界だ
明け方までの雨を受けてだろうか
濃緑の中から ....
ねぇ
呼び止める声は口にならない
君の背中を静かに見送った
陽炎は左右に揺れるだけ
移り変わる心模様
バス停までの道を遅らせてくれないか?
君の一歩後ろを歩く
....
あれは忘れもしない
一年前の8月6日
仕事を終えて
家に帰ると
あなたは待っていた
フリルのお母さんエプロンを
ひらひらさせて
おかえりなさい
待ってたよ
ばんごはんの支度が ....
ネイルのはげた爪のまま 電車になんて乗れない
寝起きみたいな眠い目のまま 学校になんて行けない
洗いざらしの髪のまま 颯爽となんて歩けない
適当に選んだ服のまま 恋なんてできない
そん ....
あぁ人生は苦労続きだぜ
悩みはいつも尽きないぜ
涙は我慢しなくてもいいか?
誰かの役にたたなくてもいいか?
思い道理に生きたくてもよ
思いの道は見えないぜ
誰か誰か誰か 生 ....
笑う満月の下で
ぼくらの明日は
三日月のように
尖足している
医者は
なにごとも
なかったかのように
また、今日も
尖った足を
創出する
世界が終わる
何も言わずに
世界が終わる
全て隠して
世界が終わる
嘲笑うかの様に
世界が終わる
祈りを溶かして
だのに あぁ
見よこの世界の美しさを
果てしなき地平を
何と ....
まばたきするように暮れていった群青に
あなたはなにを覚えたのだろうか
と
スーパーの広告の裏にかいた
一編の詩は
おもったより、しあわせそうで
静かに瞼をとじました
詩人 ....
あなたの夢は遠くとも
歩み歩めば辿りつく
前へ前へと進みゆき
自ずと見える日々の道
あなたの夢は高くとも
続き続けば届きつく
上へ上へと積み重ね
自ずと気づく日々の徳
あなたの ....
自己中心的な誘惑が犠牲者を笑う。
君のエゴに付き合っている暇は無い。
不信が蔓延すれば昼の太陽は姿を消す。
月夜だけが、力を与え、僕は虫の声に満足するだけ。
姿が異型となり変態する。
それは ....
夕方の 空がキラキラと光るころ
川原で見つけた 小さな命
キミはまだ なにも知らない
小さな雛でした 小さな・・・
キミのいるところまで
手をのばしてみたけど
涙で
見えなくって・・・ ....
涼しげにながれる声は
緑陰のひぐらし
川床で 大鉢に盛った
豪華な鯛そうめんを抓み
冷酒を
ちびり ちびり
と、いいもんだ。
料 ....
石灰岩を持ち出すと秘密が暴かれる
理科室の白衣はいつもハンガーにかけてあって生きてるみたい
夜十時にすべての生徒がその話を思い出し
目を覚ます時のテレパシー
放射状に伸びてちらばる色付き針金
....
一人の夜に赤々と土気色を二時の方向に指す赤月
温水プールが街に広がる午後八時の暗闇の渦に吐き気がする
空気 まどろむ 夜だ
安心した素麺のつるっとした喉越しと
果てしな ....
浅い午睡に
思いがけず野蛮な夢をみる
それを誰かのせいにしてみたところで仕方ない
けれど
ああ
夏が甘く爛れる匂いがする
それは私の倦怠と
なまぬるく混ざりあってゆく
何もかも ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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