蝉時雨も止んだというのに
真昼の喧騒が
じりりと
耳に焼き付いたのを
両手で塞いだ
鳥の群れが西をめざし
灯火色した空に
消えていくのを
門口に焚いた火とともに
静かに見ている
....
僕が放った22口径の銃弾が君を捉えた時
君の悲鳴に僕は足がすくんだ
流れる鮮血に僕は自分を呪った
なぜ逃げない
なぜ帰って来た
僕の手に銃があるのは知っているだろうに
僕の射程がどれほ ....
遥か
ことばを超えて
想いが
唇を ふるわせる、
//好きだったひと
夢は
とうに死んで、
幾度も
眠れない夜に
寝返りを打った
記憶 ....
つぼみのままだった花が
開いて
背伸びした
鈴として
花びらは
柔らかく
風とお話
限りなく命論ずる人々
もう誰が最初か分からない争い
たった一人の
たった一瞬の
心 ....
夏祭りの音の屋根
迫り出した空のかけらは
まだ遠い、午後の私へと溶けていった
古い夢の神社の石段を
ひとつ飛ばしで駆け上がれば
頼りない心音のままで
私はきっと、そこにいる
夏の夕暮 ....
くたくた なりながら 働く
に も
理由 愛する
は 妻の為
に
必死に―――
自分の身の忠告を無視してでも ....
人が知ることのできる世界は目に映るほんの一握りでしかなくて
それ以上を知りたいと思った時
人は拡声器と重金属の仮面を手に入れる
果てしなく広がり続ける迷路を舞台に
人は出会いと別れを繰り返 ....
突然なんだ
それがおそってくるのは
深夜に一人でいると訪れる
孤独虫
たまらず街頭灯る街角に
救いの天使を求めて歩く
暗がりのなかでは
すれ違う人の人生が薄 ....
昼メシ
願わくばカツ丼を食べたい
でも金がないからコンビニのパンで我慢する
我慢するとはいえ
そのとき自分は安さという条件の中で
例えばアンパンよりはメロンパンだなとか
それなりにおいしい ....
僕は夢を見た
僕は海の中にいた
でも不思議と苦しくなくて
自由にそこを泳ぎまわっていた
花のように美しい珊瑚の中を抜け
カラフルな魚たちと一緒に楽しく泳ぐ
....
白く湧き出る夜霧が彩色の光度を埋める、
途切れた余白だけが、
寂しく横たわり、わたしを乗せている。
染め急ぐ硬いみちが流れるなかで、
滑るように乳白の色をやわらかく溶かして、
わたしは、あた ....
いつかやってくる 目の前に迫った
小さいけど 確実な別れを
気付かないように 気付かないように
僕らは不自然なまでに 日々を電子の上で共有する
別れの その先に起こる 当たり前の変化を ....
終日吉日
ずり落ちていく真っ黒い
ビリビリのカーテン
俺はやはりずっと座ったままだった
逃亡
の
記録を更新
し続けて ....
君の 言葉に 触れるその 一瞬が。
僕には 永遠のように 永く長く感じられて
大地を潤す 清い水のように
僕の中に落ちて 真っ直ぐな光となる
僕の中にある
まだ壊れていない部分を 君 ....
ゆらゆら 水が揺れてます
私の赤い浴衣は
ひらひら 水に浮かびます
私はこの店のお姫様
簡単には摑まりません
今日もきらきら泳ぎます
周りの小さな兵隊は
赤色黒色 ....
犠牲者の上に
平和など無い
あるとすれば
報復の意思である
もしも平和が
もたらされたのなら
それは
忘却を許された
者達である
幸せが判らない
楽しい事ってどこにあるの
見えない眼で涙を流して
誰かに救いを求めてはみるものの
そうだった
僕を誰からも必要とされていないんだった
見つからない
悲しみの紺碧に沈め ....
ネコよ眠れ
君はキャットフードなのだ
ネコよ眠れ
くったら眠れ
君はお魚いろいろなのだ
ネコよ眠れ
白いネコよ
好きなだけ寝られない一生なんて
おきている価値は無い
....
暑き夏歌を詠もうと外出れば
流れる汗に言葉は止まる
詩を放棄しなくてはならないほど
言葉が出せない
頭の中で淡く思いつく言葉たちは
ペンに伝わるまでに溶けてしまう
それは熱した ....
家のまわりをまわるうた
窓は朝に消えてゆく
窓は蝶になってゆく
壁に隠れ
また現われる
蝶は鳥になっている
蝶になった窓たちが
左まわりに空をまわ ....
繊毛が鹹水を包む
遅延、水晶体の不可蝕
鵜は蒼空に没し、無中で
曼荼羅なす棘皮類に遭う
穢土の造花
波濤が月の予兆に哀しみ
乾坤の梁を押し流す
雨後 縊られた阿弥陀が
月神に愛玩される ....
青空を掻きむしる
陽光の爪の音を聞いた
八月十五日
少年たちは最期に
誰でもない
母を呼んだものだよと
小さなおばあちゃんの呟きに
珍しく合点がいった
母を
僕はこれから何度 ....
戦争の詩を書こうと思う
小学校の暗い図書館の隅に見つけた「はだしのげん」
戦争という言葉がまだ現実味を帯びていなくて
まだ子供だから分からなくてもいいなんて
そんな生ぬるい世界にどっぷりつ ....
たぶんね
君はもう気付いてるんだと思うんだ
たぶんね
君の心配通りになると思うんだ
だからね
怖れることなく
悲観することなく
この道をたどって歩いていけばいいだ ....
、、、、、、、、、、、、、世界が半分で折りたたんで悲しんでいる
、、、、、、、、、、、、、悲しみのはじまりははじまりはおわり
、、、、、、、、、、、、、涙を流すほどの悲しみはない
....
ミクシィ
禍々しい神の名前と同じぐらいの強さで
おれたちをモニターに縛りつける呪文
ミクシィ
真夜中の絶望を
たどたどしい口笛で掻き消しながら
ベランダから眺めるランドスケープ ....
激しい太陽の自己主張に手をかざし眉をひそめる
すだく蝉の声が全身を包み込む
額ににじむ汗
高く上った太陽が頭頂部を加熱する
きっとあの日も
同じ太陽の光と
同じ蝉の声が
ラジオから流 ....
さわやかな風が吹いた
ピアノの音が聴きたい
私はピアノなんて弾けないけれど…
だけど そんな気分だよ
風は私の味方…
この風に乗っていきたい
どこまでも…
どこまでも…
今 優 ....
マリンパークのなぎさで
ニンゲンが甲羅干ししている
つつじが丘のひだで
屋根瓦も甲羅干ししている
と ....
{引用= ―オフィス街のすきまから
唸り声と酸の匂い}
蒼く林立するビルの足許には
反転する魚群のうすくろい影と 幽かなハミング
水辺に群れる野 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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