放課後には、
音楽室から聴こえる
ソプラノが
一日の中で一番
しっくりはまる少女、何処か夕暮れに似た、
朝には
誰にも触れられていない、
まだチョークの匂いすらしない教室でひとり
....
かびんの花を見るように
君を見ていた
苦しいことが多くて
なぐさめられてた
見るだけで
見てるだけで
Uoo Uoo
かびんの花を見るような
夢を見ていた
寂しいことが多くて
....
ある雪の降る寒い夜
教会の前に小さな赤子が捨てられていた
あまりの寒さに弱っているのか
泣きもせずただ震えている
そこへふわりと死神の少年が舞い下りてきた
寒そうに震える赤子をじっと見つめて ....
鈍よりと 鈍くうねる雲が 晴れた日の青空を見ないように
目の端々に次々と映っては消える発電所や川や小さなアパート群を幾つ越えても
君を見ることは叶わない
言葉殺しの使い魔が 次々と僕の口 ....
坊主頭の弟分は唐突にこの世から消されて
オフクロだって半狂乱の檻の中
味方にとってアタシは切り札、っていっても結局は「道具」だし
セーラー服なんて着てもちっとも小娘っぽく見えやしない
だか ....
どれだけこの世界が腐っても
僕だけは
輝いてみせると約束したのに
{引用=
ごめん、約束、果たせそうにないや。}
きっと君は
今でも僕を待っているのかな
橋の上までくると
河から
海の薫りがしたので
驚いて 顔を上げる
横浜
赤煉瓦倉庫あたり
花火大会
あなたは わたしの 手を引いて
前を行く
こんなに 沢山の人の中で
....
背景のない明日が
夕暮れを透かして見えそうな頃
閉ざされてゆく今日が
夕闇にかすんでゆく
そんな当たり前のことに
淋しさや儚さを感じるこの心
あるいは美しさを見つけようとす ....
なぜだろう
わたしは眠っている
世界はこんなに美しいのに
なぜだろう
わたしは怒っている
こころはとても暖かいのに
なぜだろう
わたしは歌っている
ひとり ....
曇り空の日に
コップで氷水を飲んでごらん
ああ、なんとも切ない
あした雨が降る
愛する人の胸で泣いてごらん
ああ、なんだか安心
恋はうつろうけど
嘘のような顔して
君の心の苦し ....
ちんちんぽんぽん
ぽんちんちん
ちんぽろとろとん
ちんぽろとん
おどれが踊れや
踊れがおどれ
んこんこまんまん
んこまんまん
まんころころこん
まんころこん
陰で皮剥け
皮剥 ....
肉の奪い合い
ひっぱりあい、
女の奪い合い
殺しあう日々が
だんだん
つまらなくなってきて、
//夜
まっくらな空にうかぶ星たち ....
一期一会のその時を
誰よりも大切に
互いに互いを認めあい
その時を尊び
行く末を見守る心を結びたい
一期一会のその時が
何よりも大切に
人を人として分かりあい
その場を敬い
共に ....
不思議事件の話し
殺されたのは女
長い黒髪乱れ
あわれな朝が来た
ごらん手掛かりなしの
主任刑事の顔を
夢の続き見たそうな
すこし呆けた顔
ここは何もない街
人がなえてゆく街 ....
闇に溶ける闇
この翼 この身体
喩えるならば
そんな言葉が相応しい
今のこの世
翼にて 闊歩する
人々の頭上
見下ろして {ルビ啼=な}く
ゆうやけ
こやけで
日が暮れて
....
ただ激しいだけの
夏の日差しにひからび
立ち尽くす老木が
通り雨に打たれて
季節の終わりの
重苦しい空に投げだす
涙をのせた
手のひら
(それはわたしじゃない、わたしじゃない)
....
長い間
{ルビ棚=たな}に放りこまれたままの
うす汚れたきりんのぬいぐるみ
{ルビ行方=ゆくえ}知らずの持ち主に
忘れられていようとも
ぬいぐるみのきりちゃんはいつも
放置され ....
チクとタクを交互に鳴らし
僕等針の上で器用に踊る
{ルビ盤上=ばんじょう}に刻まれた命数を横目に
白く{ルビ煤=すす}けた心を、軽く踏み付けた
「疲れたのならお休み ....
沈黙をそっと
羊の様に群れてそっと
何を語るでもなく身を寄せて
何を為すでもなく瞳を閉じて
青い青い檻の片隅で
そっと
吹き荒れる日常に警報
すべて掠う すべてを 暴と掠う
伏せたまま聴くのだ
戦が終わったあの日の様に 呆として
終わりの音を 聴くのだ
凪を 凪を
揺るが ....
愛してるって言葉に
あいを感じないこんな時代だから
誰もがきっと傷付けあうんだろうね
何が足りないってわけじゃなく
満腹状態で余白のない感情じゃ
大好きなデザートも食べられないよ
過去 ....
煙が騒然となった世界を包むとき
一輪
そうして誰も知らないものが
世界を包むとき
アルファ ベータ
夜を掴むだろう
歩行杖を自分の足みたいに使い歩く
歳のせいで足腰は弱っている
猫背以上の背骨が悲鳴を上げる
つるはしで地面を掘り続けている
それは根拠もない財宝を掘り出そうとしている
やめない ....
案外と生きることを難しく考えることはない
その場その場でやることに懸命になって
たまには息をぬいて
人生はすばらしい
苦しみも訪れるけど
高望みをしちゃいけない
....
草むらの陰からエマがこちらを覗いてる。
世界の全てを憎んでいる
二つの目が私をじっと見つめている。
隠れてるつもりなの?
そんな背の低い草むらじゃ
あなたのその 長く縮れた黒髪は ....
熱にうかされたような輪郭のない浮遊感を
君にも分けてあげようか
共有するなら愛も生まれるだろ
それがたとえどんな毒薬でも
うたごえが運んだのは一握りの灰
ふれて 濡れるように ....
きみにさよならを言うために
長らえた声帯じゃないよ
きみの名を呼ぶために
残された命だ
そう望んだんだ
それは紛れもなくぼくだ
火薬と木造の家のにおいが
いつまでも ....
思わず舌なめずり
夜がくれたとっておきに
今夜のごちそうは
ぼくらがこぼしてった寂しさだ
悲しい目をした影が
召しませ、と
差し出す心臓
汚れた手で拾い集めて ....
君の声が この場所に響かなくなってから
もうどれくらいになるのだろう
数え切れなかったのではなく 数えようとしなかった
その数字は
僕に酷く曖昧で不確かな印象を与える
それで ....
{引用=
日の涼しいころ、
白い開襟シャツを着て家を出る
それでも蒸した空気が
まだ動こうとしないな ....
5134 5135 5136 5137 5138 5139 5140 5141 5142 5143 5144 5145 5146 5147 5148 5149 5150 5151 5152 5153 5154 5155 5156 5157 5158 5159 5160 5161 5162 5163 5164 5165 5166 5167 5168 5169 5170 5171 5172 5173 5174
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