空を眺めてると
涙が出そう
って君は嘘をつく
ときどき
そういう意味のない嘘が
心地よくてしかたがない
今日も
暑い一日
蜩は
まだ鳴かない
相変わらず僕は間が悪く
グラウンド ....
金色のマテリアと乳白色の幼体群を格納した、
寓話の種「蜂」の巣を模したかのようなジュンク堂書店で
旧世紀 父の遺したネクタイを緩めながら
新訳されたアダム・スミスの、課税に纏わる明察に舌を打ち ....
蛾に生まれたかったものが紙に生まれて
灯りのそばにじっとしている
葉の波が
聞こえては消える
嵐は水の鳥のあつまり
道の先にいる空は
蒼にむらさき
森と同じ背 ....
夜になると風が出て
{ルビ毬栗=いがぐり}は落ちてゐた
次々と
加速されて
硬く冷たい実が
ぱらぱらといふよりは
すぽすぽと黒土にはまりこむやうに
降つてゐた
流 ....
昆布の匂いがする、と
おんなの言うままに
おとこはそっと確かめてみる
漁師町で育ったおんなは
季節ごとの海の匂いを
知っている
おとこは
ただなんとなく海がすき、とい ....
今日の夕日は
今にも落ちそうな
線香花火のよう
ポッテリふくふく
ジラジラ燃えて
せみしぐれ
ピタリと止まる
どこかで指揮者が合図した
庭の緑がそっと揺れ
ああ暑さも少し楽に ....
幼い記憶の空色は、濁りの水色になり
広がる青の頭上は、電柱を伝う線と線に狭められ
僕らの居た場所は、黒いコンクリで埋まって
窓から臨む景色は、灰色の建造物のジャングル
背伸びし、手を伸ばし ....
完全無欠に死んでいく
鮮血の輪舞
自傷行為をしているの
誰かを傷つけないように
絶対零度に溶けて行く
青冷めた世界の恐怖
現実逃避をしているの
自分を傷つけないように
白い天井 ....
体内に血が流れている
認識はない
だが複数の血が流れている
認識はある
血を採られ
計りにかけられる
複数の血が計られる
痛みは
ない
{引用=
岬の外れの
少しはなれた樹の陰から
長い髪に揺れながら
無防備な天使の仕草で
怪訝そうに私を見つめ返す
透き通る瞳の 青空
不安から覗き込んでも
君の背中に羽はない
....
空間が歪んでいる
時間が熔けて耳から流れ出る
血と肉片の雨に刻印された地に生えた
悲願の樹の歌を聞く者がいない
欲望の風が吹きすさび翼は折れそうだ
叡智 ....
いつの間にか聞こえなくなってた
あなたの歌声
いつの間にか見えなくなってた
あなたの笑顔
愛してるって伝えても
愛してるって伝わらない
どんな場所でも
あなたがいないこと
感じ ....
陽炎の立つアスファルト
あなたの飲みかけのコーラ
受け取りためらい無く口をつけるペットボトル
ためらいから柔らかな安堵へと染められる眼差し
僕の微笑を受け止めるはにかんだ笑顔
....
夜中、それは終電直前のことでした。
彼女は
電話しました
彼氏に
「さみしいから、いますぐきて。」
そして
彼氏は
きま ....
涙を流した分
人はそれだけ大きくなれるから
泣きたい時は素直に
泣けばいい
でも
涙をこらえる方が
もっと大きくなれるから
泣きたいこそ
笑顔を見せれるほど
強くなってほしい
....
春夏秋冬の地下へ戻っていく 盲人たちの楽団。
揺れる地面。マンホールの蓋が吹っ飛ぶんじゃないかと
塞いだままのぼくの耳。それを差し出せば、ひょっとしたら
立つことが許されるかもしれない―
....
振りかざす
そうして 人は
繰り返す
攻守で 塗り変える歴史
その槍をもって
全てを貫こうとし
その盾をもって
何物からも守ろうとし
血塗れた手
焼けた街
いくつもの 踏み ....
夢に、夢に向かう背景には
軽く弾んだ音楽が流れていくので
踊ります君が、君として充分になるまで
僕は待ちますが、待ち惚けるのは敗戦なので
緑色の空が綺麗だよと言うと
君は送ってあげるよ、と
....
地下道を歩く
僕の器官と
地下街の構造の 共鳴
..........................
............
....................
....
コンクリートの森で
遊ぶ子供は
四角い空をみて育つ
贅沢な大人は
退屈をお金で買って
美しい水を飲んで暮らす
ジャンクの少女が
生活から切り取った
光を集めて巣を作る
風が凪 ....
そう
という言葉の中にいくらか予感してほしい言葉
プール内プール
アフリカの中のレソトのように
粘液に取り囲まれたまっすぐでない空洞を選んだ肌色
にくしみと
そう
そう
層と変 ....
金魚のいなくなった水槽
水だけが循環している
もともと
おしゃべりな生き物ではなかったけど
少しだけ部屋が静かになった気がするのは
名を呼びかける
右上がりの私の声
青く発光する ....
放課後には、
音楽室から聴こえる
ソプラノが
一日の中で一番
しっくりはまる少女、何処か夕暮れに似た、
朝には
誰にも触れられていない、
まだチョークの匂いすらしない教室でひとり
....
かびんの花を見るように
君を見ていた
苦しいことが多くて
なぐさめられてた
見るだけで
見てるだけで
Uoo Uoo
かびんの花を見るような
夢を見ていた
寂しいことが多くて
....
ある雪の降る寒い夜
教会の前に小さな赤子が捨てられていた
あまりの寒さに弱っているのか
泣きもせずただ震えている
そこへふわりと死神の少年が舞い下りてきた
寒そうに震える赤子をじっと見つめて ....
鈍よりと 鈍くうねる雲が 晴れた日の青空を見ないように
目の端々に次々と映っては消える発電所や川や小さなアパート群を幾つ越えても
君を見ることは叶わない
言葉殺しの使い魔が 次々と僕の口 ....
坊主頭の弟分は唐突にこの世から消されて
オフクロだって半狂乱の檻の中
味方にとってアタシは切り札、っていっても結局は「道具」だし
セーラー服なんて着てもちっとも小娘っぽく見えやしない
だか ....
どれだけこの世界が腐っても
僕だけは
輝いてみせると約束したのに
{引用=
ごめん、約束、果たせそうにないや。}
きっと君は
今でも僕を待っているのかな
橋の上までくると
河から
海の薫りがしたので
驚いて 顔を上げる
横浜
赤煉瓦倉庫あたり
花火大会
あなたは わたしの 手を引いて
前を行く
こんなに 沢山の人の中で
....
背景のない明日が
夕暮れを透かして見えそうな頃
閉ざされてゆく今日が
夕闇にかすんでゆく
そんな当たり前のことに
淋しさや儚さを感じるこの心
あるいは美しさを見つけようとす ....
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