人が集まるコンビニに
どこからともなく一匹の
野良犬がやってくる
ドアの横に礼儀正しく
来客の邪魔にならないように
座り込む
空を見上げる野良犬の
その眼はどこか悲しげで
世の中の ....
そうしていつも、一つの愛は
踏み{ルビ潰=つぶ}された駄菓子のように
粉々に砕けゆくのであった
そうしていつも、一人の{ルビ女=ひと}は
林道を吹き過ぎる風のように
{ルビ昨日=かこ ....
きみと交わせなかった指切りが、今でも少し 心残りです。
きみはもう、とおに忘れてしまったのだろうね。
それが少しだけ、寂しい。
あの日 僕は、確かな気持ちで きみに恋をしていたんだ。 ....
おれのことを尋ねられれば、
つまらぬもの、
ただの詩人と答える。
どれほどの特別なたたずまいも持ち合わせない、
ただの詩人。
ただ書くだけ。
詩は矛盾だ、
言葉が矛盾を語 ....
Q;
もしもじいちゃんが生きてたら
今のこんなぼくたちを見てなんて言うだろう?
A;
おはよう
または
こんにちは
もう朝ですよ
Q;
あなたは今幸せですか?
....
薄暮れて
眠り続けた一日が
黄昏に、朝と夜とを迷う視界に
君の小さい、窓辺に向かう後ろ姿が
棚引いて
まだ平原には届かないから
打ち寄せる波がこちら側を削っていくのを
た ....
言葉が巡業する。言葉が並ぶ。言葉が輪唱する。言葉が累進する。言葉が減殺する。言葉が吸い付ける。言葉が背く。言葉が中傷する。言葉が直言する。言葉が苦味走る。言葉が売却する。言葉が引き抜く。言葉が巻き上げ ....
四畳半に寝転がる肉
ギリギリと結んだ所がやけに鮮やかで気持ち悪い
じんわりと白い脂肪が赤い汗をかいて
ガムテープの奥の音はまるで分解される牛のようだ
霧が入り込む
駅のホ ....
呟く声が
布団に染みてく
手首を締め付けた痕が
言葉を打つ力を奪う
心臓から流れてきた
真紅の味がする
一体何故
ここで産声を上げたのか
ここでミルクを貰っ ....
あとで
雨脚幽歩
気づいたら皆、拳を振り上げていた
革命が起きると、歓喜を響かせた
常識を穿ち、列を連ね
信号を振り払って、行進を続ける
気づいたら皆、行進を始めていた ....
帰宅
疲れ
机上
手紙
気づかない
深夜
パソコン
前
向かう
気づかない
詩
書こう
何
書こう
あれ
あれ
気づかない
キーボード
コーヒー
....
僕に魔法をかけてほしいんだ。
そうして浄化して。
僕の中にある汚れたキヲク全てを。
助けは来ないよ、永遠に ....
曇り空に
夏が少し薄れて
鮮やかを誰かに譲った向日葵が
枯れた葉を恥じらうように俯いている
風に混じって遠い蜩の声が
髪を擦り抜けると
秋、と囁かれたようで
逝く夏に何か
何か ....
切迫した最期の
夏の到来は
記憶の中でぶよぶよしつつあって
ゆっくり弛緩しつづける
こよりみたい
つづく夏を重ねるたび
もはや静止でも
昂ぶりでもなく
無為のまま指先にふれてる ....
その日の朝早く雨が降っていた
夜明け前からその雨は降っていた
雨は静かな音を響かせていた
それが本当の雨だったのかどうか
わたしにはわからない
すぐにまた眠ってしまったから
戦う出で立ちで
挨拶切って
僕の名前が記された
紙切れを配って回る
相槌のタイミングは重要視していて
ぴりりと緊張さえ走るけれど
親切な笑顔に報いがあるかは
正直わかっていない ....
きみ、ひとりだった
たくさんたくさんいるなかまのなかで
きみ、ひとりだった
すいすいおよぐなかまや
けづくろいしてるなかまや
なんにもしないなかまのなかで
きみ、ゆきをたべていた
きみの ....
咽るような熱に包まれた朝
日向を避けて裏道に入る
いつもと違う通勤路
ほんの少し吹いている風が
滲んだ汗がへばり付く
ワイシャツを冷たくして
川沿いに伸びる道
太陽が広げる両手を ....
沈んでた黄色い潜水艦で
深海魚が宇宙旅行に挑戦
マリンスノーに逆らって
ゆっくりとそらに向かう
ああ
こんなにまぶしい世界は初めて
体が軽くて
見知らぬ生きものがたくさん
ついに大気圏 ....
その日、だれかに呼ばれたような気がして、家から外にでた。近所の、さくらの並木通り、書店でコミック雑誌を買う。花を見ながら、小学校の前を通りすぎ、病院へと向かう。となりのレストランの、外壁の大きな鏡に、 ....
ねえ、コーマ
ひた走る夏がまたやってきたよ
クルクルと
額を通り過ぎる光の群れ
君は開け放した口で
笑うね
(笑う 笑う 笑った)
君は箱庭が沢山ぶら下がった
奇妙な棒をかついで
....
理想というものは
一人一人にあるもので
それぞれが素敵なことを想い
それはとても美しい
理想というものは
一人一人が違うから
誰かが不満を言い始めたら
それぞれがわがままを言い出し
....
紫陽花が咲き乱れるそんな雨の日には
ひっそりと人は死んでいくのだと
昔 誰かに教わったような記憶がある
新薬開発のアルバイトで
一週間も引き留められて雨のなかを帰宅する
玄関口 傘も ....
ワインレッドのテーブルクロスも
柚子色のお気に入りのリキュールも
ブルーに光るライトも
ブルーに光る時計も
白いCDタワーも
白い本棚も
水色のカーテンも
....
貴女を悲しませるものから
守りたいと願うこの想いも
夏の白い素肌に幻惑された
罪深い目からの着想なのだ
果てなく焦がれる腫れ物で
肥大しきった心を抱えては
僕たち男という生物はみな
....
散り散りに成つて立ち止まる、僕等の目指したあすこは、
もう霧に霞んで見えなく成つた。
錆が零れる器、
ただ欲しいと手足を引つ掻いて哭く。
ささくれた指をどうか包んではくれまい ....
けだるい午後に寝転んでタバコをふかしてダラダラ
知らないうちに僕もオッサンになっていた
角がとれて丸くなり
少々のことでは怒らない
いつの間にか出来ていくサーク ....
桜の淡桃色は その下に人の死体が埋まっているから…という
噂を子供らが集まってヒソヒソと−
うひょ〜 とか
う゛あ〜 とか
ほんとに?! とか
言いながら 震えてた
....
Subject: 荒川七丁目【スギユクトキノコエ】
Date: Thu, 24 Aug 2006 18:14:04 +0900
知らぬ間に 通り過ぎてた
何の印象も
残ら ....
電柱下の掌ほどの地面に
可憐な顔を寄せ集め
行過ぎる車の排気ガスに
小柄な身を揺すつてゐる
{ルビ菫=すみれ}よ
元来野のものであるおまへたちが
どうして
こんな狭小な場所に
置か ....
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