この空は似ているな、 と感じること
風と風の間がこすれる音を 意識すること
どこかで電化製品に力が流れ込んでることに通じる こと
向かいの家の扉が 閉まる音を拡大解釈すること
....
気付かれたくない
本当の 気持ちとやらに
いわゆる 本音に
要するに {ルビ吐=つ}いた嘘に
だから 人は仮面を被る
仮面の裏側には
裏返った顔と
鳴り止まない 本物の声がある
....
スクランブル交差点を
行き交うちくわの中に
ぽつり
ちくわぶが混じっていた
バッタものだよ
言われて初めて気がついた
NIKOのロゴTシャツ
が吸った汗の染みへの ....
夜になってから急に
庭の倉庫に首を突っ込み
懐かしい教科書を次から次へと処分して
家の中に戻ったら
腕中足中蚊に刺されていた
それを見た母ちゃんは、言った。
「あんたはつよ ....
愛は、{ルビ脆=もろ}い砂の{ルビ塊=かたまり}
この手に掴もうとすれば
指のすき間から零れ落ち
{ルビ一時=ひととき}で姿を消す
優しい陽射しのこぼれる
窓辺の下にそっと置かれた ....
声を振り絞るだけ振り絞って叫んだ私を
君はふり向きもせずに歩いて行く
そこに一本の道があるように
脇目も振らずにただまっすぐに
背中を向けて歩く君に声が出せない
手を伸ばしてみてももう届 ....
どこに居ても君が見つけられる様に
僕は世界の中に居続けるよ
負けない様に
空を見上げる様に
手を伸ばすよ
嘘だ
そんな綺麗事じゃない
僕は
忘れられるのが怖いんだ
ただ
一人に ....
ありふれた背中には
きっとそれぞれの想いがある
流れ出した世界の中で
あの頃の事を考える
夏のラジオを聴いて
気が狂いそうに
泣いて叫んだその後に
山の葉が赤くなる頃
何を求め ....
誰のせいにもできない偶然を
憎みたい気持ちがあふれても
行き場なく浮かぶだけ
わたしの力で昇華させる
このときのために
わたしは経験した苦しみを
噛みしめ砕き
....
夜が 森で 雨で 闇で
ボツリ ボツリと 雨が 闇で
明かりが なくて
明かりが なくて
この手も 見えない ほどの 闇で
森の木々は こうして夜を 明かすのだと
....
日曜日
夏空の午前中
モデルハウス見学会場の
前庭の向日葵が
爪先立ちに背伸びしてました
新築マンションのデカすぎる看板が
せっかくの入道雲を半分かくしてたけど
旧街道は
....
君は控えめに微笑む
今僕がここで笑ってもいいのかなって
君はそぉっと思いやる
おせっかいにはならないかなって
まだ
子どもの大きさしかない君は
その内側で
広 ....
私 帰るから
駐車場で 車に荷物を入れている 夫に
私は 口走っていた
何か言ったか とふり返った時
もう 走りだしていた
このまま 新居になんか行きたくない
結婚なんてしなけ ....
人が集まるコンビニに
どこからともなく一匹の
野良犬がやってくる
ドアの横に礼儀正しく
来客の邪魔にならないように
座り込む
空を見上げる野良犬の
その眼はどこか悲しげで
世の中の ....
そうしていつも、一つの愛は
踏み{ルビ潰=つぶ}された駄菓子のように
粉々に砕けゆくのであった
そうしていつも、一人の{ルビ女=ひと}は
林道を吹き過ぎる風のように
{ルビ昨日=かこ ....
きみと交わせなかった指切りが、今でも少し 心残りです。
きみはもう、とおに忘れてしまったのだろうね。
それが少しだけ、寂しい。
あの日 僕は、確かな気持ちで きみに恋をしていたんだ。 ....
おれのことを尋ねられれば、
つまらぬもの、
ただの詩人と答える。
どれほどの特別なたたずまいも持ち合わせない、
ただの詩人。
ただ書くだけ。
詩は矛盾だ、
言葉が矛盾を語 ....
Q;
もしもじいちゃんが生きてたら
今のこんなぼくたちを見てなんて言うだろう?
A;
おはよう
または
こんにちは
もう朝ですよ
Q;
あなたは今幸せですか?
....
薄暮れて
眠り続けた一日が
黄昏に、朝と夜とを迷う視界に
君の小さい、窓辺に向かう後ろ姿が
棚引いて
まだ平原には届かないから
打ち寄せる波がこちら側を削っていくのを
た ....
言葉が巡業する。言葉が並ぶ。言葉が輪唱する。言葉が累進する。言葉が減殺する。言葉が吸い付ける。言葉が背く。言葉が中傷する。言葉が直言する。言葉が苦味走る。言葉が売却する。言葉が引き抜く。言葉が巻き上げ ....
四畳半に寝転がる肉
ギリギリと結んだ所がやけに鮮やかで気持ち悪い
じんわりと白い脂肪が赤い汗をかいて
ガムテープの奥の音はまるで分解される牛のようだ
霧が入り込む
駅のホ ....
呟く声が
布団に染みてく
手首を締め付けた痕が
言葉を打つ力を奪う
心臓から流れてきた
真紅の味がする
一体何故
ここで産声を上げたのか
ここでミルクを貰っ ....
あとで
雨脚幽歩
気づいたら皆、拳を振り上げていた
革命が起きると、歓喜を響かせた
常識を穿ち、列を連ね
信号を振り払って、行進を続ける
気づいたら皆、行進を始めていた ....
帰宅
疲れ
机上
手紙
気づかない
深夜
パソコン
前
向かう
気づかない
詩
書こう
何
書こう
あれ
あれ
気づかない
キーボード
コーヒー
....
僕に魔法をかけてほしいんだ。
そうして浄化して。
僕の中にある汚れたキヲク全てを。
助けは来ないよ、永遠に ....
曇り空に
夏が少し薄れて
鮮やかを誰かに譲った向日葵が
枯れた葉を恥じらうように俯いている
風に混じって遠い蜩の声が
髪を擦り抜けると
秋、と囁かれたようで
逝く夏に何か
何か ....
切迫した最期の
夏の到来は
記憶の中でぶよぶよしつつあって
ゆっくり弛緩しつづける
こよりみたい
つづく夏を重ねるたび
もはや静止でも
昂ぶりでもなく
無為のまま指先にふれてる ....
その日の朝早く雨が降っていた
夜明け前からその雨は降っていた
雨は静かな音を響かせていた
それが本当の雨だったのかどうか
わたしにはわからない
すぐにまた眠ってしまったから
戦う出で立ちで
挨拶切って
僕の名前が記された
紙切れを配って回る
相槌のタイミングは重要視していて
ぴりりと緊張さえ走るけれど
親切な笑顔に報いがあるかは
正直わかっていない ....
きみ、ひとりだった
たくさんたくさんいるなかまのなかで
きみ、ひとりだった
すいすいおよぐなかまや
けづくろいしてるなかまや
なんにもしないなかまのなかで
きみ、ゆきをたべていた
きみの ....
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