さわってくるゆびさきが
かすかにふるえて
おんなじ、っていう錯覚で
あなたとの距離がちぢまっていく
錯覚、
あたまのすみっこで
つづくことばをたぐろうとする
あなたのかすかな ....
胸が張り裂ける錯覚を覚えて
思わず心を覗き込んでみると
一本の糸が無造作に伸びていた
今にも切れそうだけど
胸の綻びを繋ぎ止めているのは
この糸だけしかなくて
もし胸を繋ぎ止めた糸 ....
笑いなさいと母は教えた
笑いなさいと父は諭した
笑いなさいと友は命じた
笑いなさいと女は訴えた
笑いなさいと男は叫んだ
笑いなさいと俺は嗤った
俺の世界は笑顔で満ちている
誰も泣き真 ....
ねぇ、あんた。
怨念とか、憎悪とか、俺に見せてくれないか。
ストレス なんていう半端なものでも、
キレる なんていう薄っぺらなものでも無い、
もっと 濃密で、醜悪で、圧倒的に攻撃的で、
湯気 ....
冥王星よ
君は一人じゃない
家族の中の冥王星
クラスの中の冥王星
会社の中の冥王星
合コンで冥王星
病院の待合室で冥王星
ファミレスで呼び出しボタンを押しても冥王星
mixiに ....
セミよ
そんなに急ぐな
さっきから
空を見上げてばかりじゃないか
お前の
自慢のその羽は
ただ
アスファルトを掻くばかり
セミよ
今なら見えるだろう
あれが星座だ
私も昔 ....
ああ、もっと
ああぅん、もっとほしいの
ぐが
こじくりまわせ
孤児栗真早稲
メソポタミア
目祖歩民亜
インジナス
印字茄子
しょっぺぇ
SHOPPELE
寒いの、凍えて
しまう ....
ぽつぽつと落ちてくる水滴が
汗と一緒に芝生に染み渡ってく
うなり声を上げて
宙を舞う砂
きらきら光る砂埃の向こうからは
止まることなく産声を上げるメロディー
この音は
....
窓窓をを開開いいてて男男をを誘誘いい出出せせ
う
っ
ふ う あだじ あだじんぢぎでよ
ん っ ざぞうよ ....
幽霊を見たの
午後の日差しが溢れ
光に満たされたプール
はしゃぎ声の中
私は幽霊を見たの
そよぐ木の葉
バタ足のリズム
笛音とアナウンスの中
私は幽霊を見たの
夜の帳照明 ....
一.
戦争を俺は知らないんだと はじめて思い知ったのは
キプロス島に ある朝突然逃げ帰った妻が いつか話した
占領の話 地下室の話 息を殺して
あいつが真似た マシンガンの ....
ひざまずけば 祈りの
耳のたかさで やぶれた
約束を ささやきながら
ひらくから とこしえに
きみを わすれない
読みかけの本が
テーブルの上で
風を受ける
ぱら ぱらぱら
微睡みの中から
引っ張りあげるには
物足りなかったようで
ポットとティーカップを
そっと置いて
鼻をつまもうか ....
{引用=悪いのは誰?}
目の前の{ルビ眼=まなこ}にもう書いてある
理解なら出来るさ 赤ん坊でもな
(これは喩だ!)
どうやら「正」を嫌う性質らしい
皆そうだよな?
皆そうだろう?
....
何の間違いか
朝にこの世に出てしまった
しかもよりよって
大都会の大きな駅の改札口にだ
どういう原理でなのかは
こっちにいる科学者たちでも
解明できていない
ともあれ
普段は生 ....
ある日いきなりあらわれた
「さぁわたしの手を取りなさい」
それは白く細い手で
燃えるようにあかい頬
その手はとても ....
『・・・・・うぶか?
・・・・大丈夫か?!』
はっ!
私は目を覚ましました
目の前には夢月の顔があります
私は飛び起きると自分の身体を見回しました
白い 足と手が二本ず ....
空を飛ぶ音速機のうしろを
分度器が追いかけていく
私たちの経験したいくつかは
戦いと何が違うというのか
今年もまた
美しくこすもすが咲いた
お兄ちゃん
いい歳をして
まだそんな呼び ....
住んでいるアパートの階段で
小さな蜘蛛が巣を張っていた
それは何処にでもいる小さな蜘蛛で
だけれどもその姿は初めて見るほどに
頑なに黙々と同じ動きを繰り返し
{ルビ蜩=ひぐらし}の声 ....
あの人に愛された
私の体のパーツ
ひとつずつ
指でなぞっていく
マッチのように
こすったら
残り火は
燃えるだろうか
まだ
私のために
目が覚めたら
雑巾になっていたらいい
汚れていくのが仕事だから
ただ汚れていけばいい
そして
ボロボロになって
捨てられてしまえばいい
だれかのことを
きれいだなんて
すき、だな ....
おとなになること
もう学校に行かずにすむこと
(学校のセンセイを除く)
お中元とお歳暮をもらったりあげたりすること
(バレンタインデーよりも重要になるかも)
おせち料理の黒豆やひ ....
海岸の岩場のシーワールドでは
イルカが芸をしている
イルカを若い母親と女の子が見ている
ぼくはその少し後ろから
若い母親と女の子を見ている
二人を通してイルカを見ている
女の子がイルカのど ....
全くの新しさをかかえて とったばかりの免許を財布に入れて 跨る車体
気持ちとは連動していなくて よろめいて 足をつく
きっと見破られたんだ
冷房を直して1週間 一度も使っていない けど風を送る ....
1
西野は佐川透あてに手紙を書いていた。佐川は西野の年来の友人である。
「……先日はお招きいただきありがとうございました。佐川君の知的刺激にあふれた話を聞けてとても楽しかったです……私はと ....
時々鮮やかな夢を見る
誰かが微笑む夢を見る
白いテーブルの向こう側に
時がさらさらと流れてく
それは風のように足元を流れ
微笑む人へと続いている
時々せつない夢を見る
誰かを愛す ....
まどから そとを みつめる
あかいや さまざまないろの うつくしいはなや
のをまう しろいちょうや
かわいい とりのさえずりや
あおく ひろいそらには めもくれず
ただた ....
真夏の太陽の届かない遮光カーテンの向こう
効き過ぎた冷房に身を震わせて
羽毛布団の中で君と抱き合う幸せ
暖かい暖かい暖かい幸せ
高校生の頃に冬の真夜中の路を
当ても無く歩いて歩いて
道 ....
陽も昇らぬうちに
何も知らない街に辿り着く
深夜の高速道路をタクシーで飛ばして
何も知らない街に辿り着く
都会生まれ都会育ち
それでも摩天楼は苦手だ
窓にともる一つ一つの光が
ひとつ ....
畳の上に
横たわった
蝉
1匹
その声は
力無く
最期の
叫びを
虚しく
深い
青に刻んだ
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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