ほしぞらを すぎて
かえってくる
すてて いったものを
ひろい あるいて
くらしに もどる
※BGM→http://momo-mid.com/mu_title/i_riders_i ....
電車の中で、野菜ジュースを飲み終えて
空になったペットボトルを、足元に置いた。
駅に着いて、立ち上がると
すっかり忘れていたペットボトルを蹴飛ばして、
灰色の床をからから転がった。
....
同僚の刑事が撃たれ
必死で犯人を追いかける
署内の刑事たち
寝る間も惜しみ
老いた身体をものともせず
みんなで協力して
ついに犯人を追い詰めた
ぼくはそこでテレビを消した
....
荷台に歌い娘を乗せて
進む先にカーニヴァル
陽に焼けた顔をヴェールで隠し
うつむいて旅の疲れを見せるジプシー
誰の顔にも笑みはない
荷台に歌い娘を乗せて
進む街にカーニヴァル
薄くぼ ....
日常の軌道を{ルビ反=そ}れて、
行く当ての無いバスに乗る。
車窓に薄く映るもう一つの世界の中で、
駅周辺を流れる人々の葬列。
葬列の流れる行き先に、渦巻いている濁った泥沼。
....
駅のベンチにそっと腰かける
立って地面を見つめるよりも
地平に近い感じや
上目遣いに空色を伺うあの角度
それらが僕は好きなのだ
ベンチの背もたれに体重をずしっと預ける
浅くかけ ....
気ばかり焦る/どうしようもなく/
やめたらいいとつぶやく一方で/何かに引きとめられて/
また机に向かう/どうしたらいいのか/切断の
意味が今わかる/続けて書くことが/できない
痛みで目が覚めた。
耳が痛い。
耳の中が痛くて、
くしゃくしゃ音がする。
指を突っ込んで掻き出すと、
耳から蟻がこぼれ落ちた。
まだ音がする。
さらに ....
失恋科に行きました
片想い病棟でした
おんなの先生でした
症状をかきました
くちをあ〜んとあけました
むねをとんとんとたたきました
注射してください、と頼んだら
その必要はありません、と ....
山麓の寂しい町に
月はかうかうと照つてゐた
すべての人が
月を見たわけではないけれど
みんな
ボールを胸に抱へるやうにして
眠つてゐた
薄い{ルビ翅=はね}
はばたいて
数日の 玉の緒
切れた先に 何が見える
揺らめいて 嗚呼
{ルビ水面=みなも}を舞う だが
{ルビ羽音=はおと}は聞こえない
その かすかな存在のゆ ....
誰かが云った
求めるものが存在しているから
ひとはこの世を生きていられるのだ
と
ならば
あなたがこの世から居なくなってしまった時
私もこの世から消えなければな ....
陽ざかりに
影がゆれる
塀の上に
白樫が緑の枝をのばし
陽ざかりに
光がゆれる
そこに咲いている
荒地野菊の花
寡黙な額に
風が吹き
みつめる心も
そっと ....
瞳のかたちの夜の食卓
ひとつの炎が揺れていて
他には何も置かれていない
椅子には誰も座っていない
波に斜めに刺さる輪があり
光の泡をこぼしている
あちこちにぽつりと灯る ....
さようならわたしのともだち
警察では事故だって言っていたけど
ブレーキ痕がなかったみたいね
国道から入った突き当りの壁は
巨大な山を支えるためについている
とっても硬いコンクリート
あ ....
浜辺で一匹の蟹が激昂している
なぜ蟹が怒っているのか
誰も知らない
近くでは干潟の干拓がはじまっている
クレーンの向こうは
大きな落日
その赤い夕日を抱え込んで
蟹は怒ってい ....
手巻き時計のする音は、
さながら大きな砂時計。
砂はおのおの苦しみながら、
海の底へと落ちてゆく。
そこは奈落か、天国か?
おまえに聞いても分かるまい。
....
道すがら、死体に出会う。
何か不思議なことがありそうだ。
虫どもの蝟集して、離散する
万華鏡。
夏の大気は、夕暮れの香水。
その{ルビ路傍=ミチバタ}のあかい華。
....
ある時気付いた
俺はいつだって道化だった
友の言葉に惑わされ
ゆらりゆらゆら
水面を漂う藻屑みたいだ
敵の妄言に遊ばれて
ひらりひらひら
朽ちかけた蝶のようだ
....
「君の居たはずの席」
出会えたときが始まりだった
僕は何食わぬ顔して
当然のように君に話しかけていた
出会って少ししても
僕は君の名前も覚えて無かったけれど
ただ、キレ ....
夏子お〜
なに〜い
kiss されたあ
秋男にかあ
うん。
ディープ
よかったやん
よくないわあ
ファースト kiss やたのに〜い
それだけ
想いが 深いって こ ....
遥か悠久の昔、空と海と陸がまだ混沌としていた頃
全ての命は気ままに泳いで飛んで
果てもない混沌を駆け回るのは楽しかった
亀はいつの時代も競争に駆り出される性分なのか
ある時、亀と鯨が
....
排気口に 流れて行くために
従っている 繰り返し
とられた息
ためた息
去れば野にささやくものが
指
目
噛み締めるものに 寄り添って
信じそうなあぶなくないと信じそう ....
今日一日の食事を得るために
精を出して働くことは
意味のあること
今日一日の家族を養うために
無理をして働くことも
意味のあること
それらは生きてゆくための
目的なのだから
....
私が死んでも
私を壊した人達は
きっとなんとも思わない
ごめんね
ごめんね
私は毎日懸命に死のうとしているよ
いくつも戦いに出向いてきたのは
誰かが私を殺してくれるんじゃないかって
....
お酒を飲んだのがまずかった
初めて会った男に処女を奪われてしまった
「きれいだね」と言い
男は私を抱く
タイムマシンに乗ってしまったみたい
目を閉じると
お母さんのおなかの中に ....
Gのベクトルを探してきて
今すぐに
わたしは ここで うたをうたっている
Fのサイレン拾ってきて
今すぐに
わたしは ここで うたをうたっている
Aのワルツ踊ってみせて
....
あれ、
この花火どうしたの
おかあさん もらったの
今日はけんちゃんの命日だからね
買ってきてもらったんです
こんな暑い日だったの
戦死公報に載ってただけ
亡くなった ....
しゃりしゃりの
あいすを
しゃりしゃり
きのすぷーんでくずして
しゃりしゃり
ふたりならんでたべる
リリコちゃんのかっぷは
つぶつぶふるーつあじ
ひかげのべんちにならんで
がーと ....
この夏の終わるころ、
私はどんなやさしさだろうか。
通り雨の匂いに濡れて
大事なことばをささやき歩く
土も、私も、空気も、同じ冷たさで震えながら
....
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