膨張して
こぼれる
その瞬間は
誰の指でも
同じだ
ウミガメと泳ぐ
夢を見た
プールで
A には ○ が正解に見えていた
B には △ が正解に見えていた
お互いは{ルビ頑=かたく}なに抱えたバケツから
激しく水をかけあっていた
ずぶ濡れなふたりの間に
両 ....
旅の終わりの夕暮れに
車窓の外を眺めたら
名も無き山を横切って
雲の鳥が飛んでいた
{ルビ黄金=こがね}色に{ルビ縁取=ふちど}られた翼を広げ
長い尾を反らし
心臓の辺 ....
( 青年と初老の母は、
( 寺の小さい庭へと入っていった。
小石の砂利を敷いた庭に
細枝と葉影は揺れて
木作りの小屋に坐る
首を{ルビ斬=き}られた観音像
優しい手に ....
橋の欄干に彫った文字が消えかけている
この川は海につながっているから
流してしまったのだろう
メッセージはやがて雨になって降ってくる
その雨を避けるようにして
僕は家に帰ろうとする
幸 ....
みんな勘違いをしているんじゃないだろうか
ケツは追い出すところなんだ
ケツから受け入れてはいけないんだ
この辺り、ちょっと勘違いしているんじゃないだろうか
真っ白い腹の中から
生ぬるい布団の中から
ふしだらな遊びの果てに
庭で朽ちる犬小屋の中から
点滅するテレビジョンの中から
くるくる回るボールの中から
役に立たない免許証の中から
ガス切れ ....
ストライプのジャケットを着た老紳士。
蝶ネクタイを締める。
東京駅、通路。大
「むかしは」と語りだす老婆。
ジーンズ。Tシャツ。似合わない。
羞恥と
情緒が
真夏日、午後5時の夕 ....
スーツ姿のサラリーマンでいっぱいの
0時44分発の東武東上線
最終電車
隣の席に座った人たちは
大きなバッグと
沖縄土産を抱えていた
そうか
この人は今まで沖縄にいたん ....
「そうだね」
君はかるく頷いてまたテレビをみた
くだらないニュースが何度も繰り返し流れていた
償いきれない罪はもはやそれは罪ではなく
一種の善のように思えた
欠 ....
薄暗い軒先の蔓薔薇が
絡みつき
傷跡を残して散っていく。
「恋する瞳」
君の瞳に恋をした
君の笑顔に涙した
君の事が頭から離れなかった
電車の中、君の夢を見た。
夢の中で笑った君は、何よりも微笑ましく見えた
....
空に、鳥の滑空していく
きん、とした音が響いている
いつも何かが足りない
青いだけの視界を補うように
手のひらはいつも、上を向いている
いつも着地する景色には
逃げ出してしまう色が ....
不完全燃焼の一日に
何かを夜空に刻みたくて
言葉の調べを奏でたくなる
つながりを求めて
一人が淋しくて
言葉の調べをかなでようとする
一蓮托生この世の中
一緒に温 ....
波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると ....
滅多に部屋を掃除なんかしない僕が
部屋を掃除したんです
「明日は雪でも降るんじゃないか」
なんてつぶやきながら
ついさっき
ラジオで流れた天気予報を思い出し ....
理屈と 屁理屈のあいだの 屁のような境目から
真っ赤な彼岸花の 真っ黒な瞳が ちら と こちらを向いたので
他愛ない八月の噂話など もう どうでもよいのです
薄く紅を引いたあなたは 日傘で上手に ....
タヌキのことならまかせてください。
他のことは何一つ分かりません。
どうやって生きていって、
どうやって死んでいくのか
なんてことはもちろんのこと、
どういう思考がどういう行動と
巧く ....
流れる川の様な風の中で
月は太陽に嫉妬する
光があるから陰があり
太陽があるから月は輝く
あの子はじっと目を細め
息を殺す様にして遠くを見つめる
まるで
そこに何かが居る様に
....
朝起きると天使が僕の顔を覗きこんでいた
「あなたはイエス・キリストの生まれかわりです」
そんなバカな
僕は煩悩のかたまり
罪もたくさん犯してきた
「そんなわけないで ....
かなづちでたんすを壊した
そのままとなりのいえまで壊した
となりのかぞくも壊した
けいさつがきた
たいほされた
そんなときぼくはてれびかめらにむかってこういう ....
その山はあまりにも高すぎて
今の自分では
登ってゆけそうにない
でも登ってゆかなければ
今の自分は今のまま
狭い世界しか見えない
山のふもとから
山の高さに文句を言っても
その ....
ボトルを割るんだ、
((( だから書くんだ!
奴らはボトルの中で暮らしている
――世界はとてつもなく広大で
愛の果てまで拡がっている・・・・
「何も ....
目が覚めると
必ず何か足りないものがある気がして
一呼吸置いてから窓を開ける
抜け落ちてしまったような
最初からなかったような
秋の始まりに吹く風が
季節に置いてけぼりにされた風鈴を鳴らし ....
世界は相対的だから
手を広げ
舞い降りるものを受けとめる私が
空に上る
世界は相対的だから
行きなずみ
とどまる私が
宇宙をかけめぐる
世界が相対的なら
殺す ....
本屋には 本がいっぱいあるのに
もうあれもこれも 読む時間がない
知命の午後の やわらかい光のなか
きまって本棚の隅に 咲くという
まぼろしの詩集を さがしている
雨の音が聴こえるので
ベランダに出てみたら
一面の星空で
雨なんか
一滴も降っていない
稲妻のように
乾いた荒野のイメージが
瞼の裏側に投影されて
見たことのない色で光る太陽が
....
あなたが飼いならした
砂場はとても
うつくし
過ぎる
薄曇が めくれあがった時に
あなたの顔は半分まで
埋もれて
しまう
横にふられた 日暮れた
いらっしゃいませ
私は涙のアメ屋さん
このアメはいかがです?
悲しみの涙を集めました
しょっぱいけれど
スッキリしますよ?
このアメはいかがで ....
ともだちだって
しょうこをみせてって
メロスの本を閉じながら
あの子がいった
しょうこなんかないよ
しょうこなんかないから
ともだちなんだよ
ぼくはどもってそういった
そういうふう ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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