何かを探る翼の音が
昼の終わりをすぎてゆく
短く密な闇の入口
まだあたたかな水の{ルビ足跡=そくせき}
腕から肩へ
沈むように横たわり
つづくわずかな揺れのなか
じっ ....
全国版の道路地図
なんだか久しぶり
知らない県の
知らない道をたどってみる
知らない町
遠い町
きっと
毎日をそこで暮らす人がいる
道路沿いに家があって
今日も 今も
生活 ....
ひとつの りんごを
ふたつに 切った
鋭く開かれた
ハート形の 心臓が
痛々しい
今
きみの 心は
こんな なんだね
ぼくじゃ だめなんだよね
ぼくじゃ・・・ ....
太陽が落ちかける頃
森の中で
ベンチに君と座った
今年最初の蝉の鳴き声
そこで聞いたんだ
月が霞んで見えた
高すぎるビルに囲まれた場所
誰もいない場所をさがして
ベンチに君と座 ....
眠れる人魚は
海を失ったことを知らない
もつれた後ろ髪は砂になって
青白い街に降り積んだ
水になりながら
瞬きのほかは
宝石の泡に見惚れてた
かげる頬はい ....
起きぬけに
ゴキブリホイホイから
ゴキブリを逃がしてあげる
ああ
天使になるのも楽じゃない
駅の改札で
背伸びする小学生の
きっぷを買ってあげる
ああ
天使になるのも楽じゃない
....
言いたいことが言えません
だって複雑すぎる
私の苦手な
イコールまでの樹海の中にいるみたい
ウォーリーの仲間達全員をなかなか見つけられないような
もどかしい日々が続きすぎてる ....
真夜中に喉が渇いて目が覚めた
暗闇の中をキッチンに向かって
手探りで歩きながら
父と母のことを考えていた
父と母には
そろそろ死んでもらいたい
彼らのことを
とても愛しているから
....
白黒同居してて
灰色じゃないところが好きよ
愛しのパンダちゃん
色なんか無い世界で
幸せになりましょうね
古臭い木と石炭の混じるにおい。
歩けば目に入るのは煉瓦模様。遠くに聳えるステンドグラス。
そして、お目当てのディーゼル車。
眼前のディーゼルは復刻版はおろか養殖などでは決してない100%総天然。 ....
川面に跳ねる無数の虫たち
深い底の
引力に抗って
跳び続けなければ
直ちに飲み込まれ
消える
嵐の夜の虫たちは魚となり
晴れた日には姿を隠す
掬うのは
網ではなく ....
お出口は右側
どうかお気をつけて
みなさんお気を
お気を確かに
非常口飛び出す
かわいこぶりっこ
出口がわからない
かわいこぶりっこ
手にはカッター
握りしめて
破片を ....
また会いましょう)
その黒髪の薫りは
つげの櫛に波立つ海原であった
その深海にひそむつめたさのかたちに
ささえられている波が
{ルビ風色=ふうしょく}の移行を生んでいた
静まったか ....
是非仕事を受けてください。
何回も電話がかかり
断わりきれない。
ついに休みの日が無くなった。
月月火水木金金の世界
いつ潰れてもおかしくない。
使い捨ての歯車か?
苦しい。
....
◇雁
ビルの間を
雁が渡る
窓からいくら叫んでも
届かない
天上の
賑はひをもつて
◇火口湖
火口湖に
白鳥がひとつ
燃えて ....
毎日が誰かの命日で
毎日が誰かの誕生日
毎日誰かが射精して
毎日誰かが受精する
同じ月を眺め
同じ太陽を眺める
半日遅れの月を眺め
半日遅れの太陽を眺める
いくつものサーバーや ....
カレーうどんが食べたいと思い立って
冷蔵庫の中にある芽の出かけた玉葱をぐわしと掴み
冷凍庫の中にある霜の降りた牛肉をがおんと掴み
小さくし過ぎないように家宝のエクスカリバー
つまり手刀で切る斬 ....
尾羽を風に吹かれて
鶴はどこまで歩いて行くのだらう
追ひ風に逆毛になつてゐるだけ
見栄えのいいものではない
貴婦人がふくらむスカートの裾を
気にする風情で
遠ざかつてい ....
赤い印がついてる方の蛇口を捻り
カップうどんに注ぎ込む
空腹と絶望の果てにある期待を掴んで
フタを開いたと言うのに
湯気が出てこなかった
怒りで震える拳を伝わり
机がガタガタと泣き出す ....
指の間から 滑り落ちる
愛のしずく
この手に留めて置くことは 出来ないと知っているのに
何度も 幾度も すくってしまう
同じ過ちを繰り返す
....
それはとても、とても小さなものだった
ローソクのあかりさえ消せないほどの風
それでも揺れた
うすあかりに照らされた世界が
....
僕らの闘いは
風の名残にすぎないのだろうか
苦しいけれど この道をゆこう
昨日までの限界を彼方へ殴り捨てながら
((もっと巨きな存在が いざなっている
その枯れることのない千の眼差し ....
どっちかと言えばっ
濁点ばかりの人生だっから
たっまにはギャロっプでもしてさっ
ぶっ飛びながら次のコーナーを
曲がってみたいなっ
ねっ
そっしたら
きっと
グっジョブって
あいの ....
タイも
ヒラメも
マグロも
みんないました
白いお皿の上で
おそろいのお刺身でした
海みたい
子が言いました
まだ海を
見たことのない子でした
手を上げろ。さあ手を上げるんだ。
おとなしくこの袋にこの支店にある
ありったけの倫理を入れろ。一つ残らずだぞ。
おっとお姉さん、緊急ブザーを押しても無駄だ。
回線はすべて切断した。
防犯カメ ....
秋の海が寂しいのは
歩んできた人生
友と過ごした灼けるような喧騒も
土用波に掠られて
何事も無かったように
空を舞う海鳥
打ち寄せられた流木は
海鳴りの向う岸へ
置いてきた魂の重さだけ ....
何かが足りない
君にもそして僕にも
何かが分からない
君にもそして僕にも
嘘を一つ吐きました
君はまだ信じてんだろう
それを真実だと思い込んでんだろう
またいつか思い出せばいい
全 ....
夢を見た
黒い夢
でも大丈夫さ
私には
神がついているから
肥大した恐怖が
拡大した夢
君たちは
毎晩
こんな夢をみるのかい
現世での繁 ....
人生という一つの時
さまざまに彩られし人生
怪物に会うこともある
仏にあうこともある
こんな真夜中に寝られないで
カチカチ音を立てて
不埒な詩を書く者もいる
....
{引用=「ブランコ」}
最後の友人が
ブランコから飛び出した
着地点
そこに、ある詩があった
結局誰も最後まで読まずに
飛び越えていくものだから
もう
あちこち千切れてしまっている
....
5081 5082 5083 5084 5085 5086 5087 5088 5089 5090 5091 5092 5093 5094 5095 5096 5097 5098 5099 5100 5101 5102 5103 5104 5105 5106 5107 5108 5109 5110 5111 5112 5113 5114 5115 5116 5117 5118 5119 5120 5121
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.35sec.