霜月
本当に霜でも降りそうだ。

昼間の怒りの感覚と
冷たい夜との温度差で
自分の頭が軋むとき

暗闇で虫が鳴いているのが聞こえた。
コロコロと。

お前達の行く先は
冷たくなる ....
標本になった眼球
         島中 充          
ガラスの向こう そのむこう 窓ガラスのむこうに
水銀灯に照らされ さくらの花が満開でした
風が吹いたのか
さらさら  ....
たとえばきみを大切におもうこと
難破する世界では猫ときみだけが
僕の救いなのかもしれないのだ

神田神保町一冊100¥のコミック
表紙の朽ちかけた神霊全集と世界地図

ひとの周波数は様々 ....
また逢うときまで あなたの手で
白樺の傍でそっと包まれた蕾。
とっておきの焔を、
きっと摘み取って 欲しいから、
微笑んだままで
とびきりオシャレをして
この深淵にお別れをしたいの ....
手の甲に痣ができた
どこにぶつけた訳でもないのに
赤紫のそれが鮮明に色を放っている
そして不安を覚える
夢見心地に徘徊しているのではないかと
月も星も輝くことのない暗い空の下を
どれほど歩 ....
くしゃくしゃに
まるめた明日は
60兆のキセキ

あの日の、
これからの
まぼろし

くしゃくしゃの
わたしの
こころの
からだの
すべての
くしゃくしゃの
キセキ
目を閉じているのに
感じてしまう
穏やかな気配

それは頬に
レコードの針を落とすような
光の歩みが
瞼を青くする

影になる場所で
隠れる前に
寝返りを打てば
会いに行ける
 ....
なにもかもおしまいにする
口にしてはいけない
例のあいつ

わたしは疑っている
道をゆく九分九厘の人が
みんなそいつをふところの隠しにいれているのではないかと

シータとパズーの重ね合 ....
あなたの楽園へ行った人へ
帰ってこないでください

きっとそこでは、なにもかも違うのでしょう
あなたは俗世の言葉を忘れて楽園の言葉を口にする
わたしにはわからない
耳に心地よく華やかな調べ ....
生きているかぎり
食べない人はいない
だれもかれも食べている

そのありようは
そのままその人の日々を反映して

丁寧に手をかけた一汁三菜も
インスタントに湯であたためたものも
凍え ....
膝を抱えた女を殺した
首を絞めようとしたら手を振り払われたから

出会ったのは駅前の公衆便所の前で
「私を殺してくれるんですか?」と聞かれて
俺は「お前を殺すのは俺じゃない」と答えて
 ....
ぬかの手入れをし朝食を作りながら考える
誰もこんな風にはできないのだと

PCに更新をかけながら考える
誰もこんな風にはできないのだと

生活が複雑になりすぎた
多く一般人が置いてけぼり ....
潮風の中

海岸の老いた果樹は
最後の力を振り絞り
実を三つ実らせた

木の下には少年がいて
あとがきを書き続けている

美しいゴミだらけの海岸で
壊れかけのロボットたちは
自分 ....
自分らしさなんか
信じない
自分探しなんて
おこがましい
自我なんか
この世の遊び

考えること
感じること
その場かぎりの
浮遊物

無とか
空とか
名付けること ....
洗濯物が溜まるので
夕方まで洗濯機を回す
(日差しが格別透き通る日
 遠くを選挙カーが通る)
乾燥まで回すと
匂いがちょっと嫌なので
乾燥かけず外に干す
外はもうすっかり暗いので
夜空 ....
街角で屯する少女に
掛ける言葉を知らない大人は
彼女の俯いた横顔に
自分の娘の姿を重ねるだけの
想像力を持たない

たった一人でいるとき
人は孤独を感じない
吹き溜まりの中で
自分は ....
生き生きいきもの
何泣き泣きわめき
ことことことこと煮込まれたことことシチュー
さめざめ冷めたさ
拒まれ泣かれた粉雪さら雪
行き行きて雪だるままだるっこしく作れず
さめざめ冷めたシチューを ....
たとえればいつか だれかの墓碑銘に雪ぐ

記憶にも薄い レプリカ法。
オープンカフェのトーストに見られる、
くゆらすかのひとの
ふるい自転車とポニーテールの 
知らないあの子

重なら ....
少し昔の話をしようか。

激務が続いた冬、ふと秘湯の宿を予約した
生理ど真ん中じゃない、三年付き合ってまだその程度気を使えないの、と彼女は激怒する
そろそろ終わりなのかなと
もともと一人でい ....
偉大な羽生九段の時代にも
結構面白い指し手は多々あったが

指すたびに現れる
これまでにない斬新な指し手に

いつも驚かされ魅了されるのは
私だけではないだろう

人はそれを
AI ....
大通公園の花壇に面した歩道の脇にしゃがみこんでいたおれの前に男は
白昼、立ち止まり、コートのポケットからスマートフォンを取り出しておれに
差し出した。おれは手を伸ばして薄いそれを受け取った
傍ら ....
二〇一八年三月一日 「ぼくは、あなたの大きなおっぱいで終わりました。」


 きょうも寝るまえの読書は、チャールズ・ボーモントの短篇集『夜の旅その他の旅』のつづき。なんか40年とか50年まえの小 ....
人の数を数えて決める
というのは
たしかにとてもわかりやすいやりかた
(に見える)
難しい問題は
何が人かというところなのだが
その話はしばらくおいて

もう一つの問題は
何を数えれ ....
秋も半分おわりました。
朝はもうさむいです。
夜はもう冷えています。
ついつい
長い夢をみてしまいます。
それでも
目覚めてしまうもので…
生きているからでしょうか?
枕には絡んで ....
黄金にかがやく地平が在ル

あらゆる意味を無意味化する
強度に満ちた運動の果て
黄金に輝く地平が在る

それを夢見たのはいつだろう?
すべては澄みわたり凪いでいた
吹き抜ける風、高い空 ....
せばまり始めたことも知らないで
倍速の万華鏡をのぞいていた
若さは切なく

彼の耳になってから
草木はみるみる伸び
鳥は快活に舞っていた
従順な後頭部でチャイムを聞くと
猫が愛してくれ ....
{引用=習作たちによる野辺送り}
鏡の森から匂うもの
一生を天秤にのせて
つり合うだけの一瞬
混じり合い響き合う
ただ一行の葬列のため

 *

軒の影は広く敷かれ
植込みの小菊は ....
澄んだ秋のむこうに
傾いてゆくやわらかな光があり
時折 小さな風がうごき

耳はおのずから澄まされてゆく
この秋の虚ろをよぎる
ひそかな呟きのようなものに

それはひくく何かを語ってい ....
燐として仄めく 
終幕のスパンコールと一緒に、
ひかりかがやく過去へ 
あなたもほら 虹彩離陸。
永遠に消えない瞳孔が開き、
夜光雲を吸収する 
見通し、
わたしを と のせた鳳翼で 
 ....
植物の葉が緑色なのは
緑色の光が嫌いで
跳ね返しているらしい

光合成では太陽光の
赤と青だけ吸収し
緑は吸収しないで反射する
反射した緑が
見えているだけで
好きで緑の訳ではない
 ....
自由詩
タイトル 投稿者 Point 日付
コロコロasagoh...421/11/3 13:27
標本になった眼球島中 充121/11/3 13:22
ちいさな宇宙にて梅昆布茶1521/11/3 7:03
薄弱華恋あらい121/11/3 0:07
痣ができた坂本瞳子3*21/11/2 22:20
60兆のキセキ草野大悟2221/11/2 20:09
朝の光ミナト 螢221/11/2 19:54
例のあいつ凍湖(とおこ...321/11/2 15:48
あなたの楽園121/11/2 15:00
だれもかれも食べている2*21/11/2 14:41
水と死体竜門勇気1*21/11/2 13:25
ハードモードりゅうさん521/11/2 2:50
実を三つ◇レキ1*21/11/2 2:05
自我の自然死シホ.N121/11/1 23:34
洗濯物が溜まるのでオイタル8*21/11/1 21:16
少女の肖像花形新次021/11/1 20:19
ふゆふゆ冬支度、滴って雪這 いずる021/11/1 19:04
余瀝接吻あらい021/11/1 16:40
迷宮(祈り)useles...021/11/1 12:42
斬新な指し手で人々を魅了する少年st221/11/1 3:19
まンりきゼッケン521/11/1 0:21
詩の日めくり 二〇一八年三月一日─三十一日田中宏輔12*21/11/1 0:20
頭数いる021/10/31 23:59
ナンモナイデ...4*21/10/31 20:54
約束ひだかたけし321/10/31 19:00
ぜんまい式自由美学021/10/31 16:58
知らずにもとめてただのみきや8*21/10/31 13:12
秋の物語塔野夏子3*21/10/31 11:09
苑、luminosityあらい021/10/31 11:01
作り笑いイオン1*21/10/31 10:58

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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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